ベルツ
皆さん、お待ちしておりましたよ。

セリア
やっと出たわね!

ベルツ
おや、セリアさん、 私を待っていてくださったのですか?

ベルツ
ようやく私の愛を受け入れて くれる決心がついたのですね!

セリア
違うわよ! 面倒なことを早く済ませたかっただけ!

ベルツ
ハッハッハッ、そんなに照れなくても いいですよ。

ベルツ
もちろん、照れたあなたも 素敵ですがね。

セリア
本当にうっとうしいわ……。

カル
で、ベルツさん、今回は何の用だい?

ベルツ
カル召喚師! やっと口を開いてくれたんですね!

ベルツ
いやー、この前にお会いした時、 何も仰ってくれなかったので

ベルツ
私、嫌われたんじゃないかと 心配してたんですよ!

ルジーナ
メンドクセーんだよ!

ルジーナ
いいからとっとと用件を言え!

ベルツ
ハッハッハッ、ルジーナどうしたんだい?

ベルツ
俺が他の人と仲良くしていることに 嫉妬でもしたのか?

ベルツ
そう焦らないでくれよ。 もっと話したい相手がいるんだからさ。

ベルツ
パリスさんや、Shou-chan召喚師、

ベルツ
それに……初めてお目にかかる 素敵なお嬢さんともね。

セリア
ティリスに変なこと言ったら 即座に叩き斬るわよ。

ベルツ
ハッハッハッ、大丈夫ですよ。 セリアさん。

ベルツ
私は見た目通り、一途な男なんです。

セリア
またどうでもいい情報が増えたわ……。

ベルツ
さて、皆さん。 それにしてもいよいよ決戦の時ですね。

ベルツ
皆さんの力なら相手が大神皇といえど 心配無いのかもしれませんが

ベルツ
一応、注意だけさせてください。

ベルツ
大神皇カルナ・マスタ、 その力は人の想像を超えています。

セリア
そんなことはわかってるわよ。

セリア
召喚老2人がかりでも 何もできなかったんだから。

ベルツ
ほー、それは初耳ですね。

ベルツ
ですが、召喚老といえども 所詮、人間が2人。

ベルツ
カルナ・マスタの破壊力は さらに絶大なのです!

ベルツ
例えば、この樹林のそこらに見える遺跡。

ベルツ
これは以前にここで暮らしていた 獣人たち部族のものです。

ベルツ
獣人たちは強い力を持っていたのですが この地に降りたカルナ・マスタにより

ベルツ
一瞬で絶滅させられてしまったのです。

パリス
…………。

ベルツ
1つの種を滅ぼすほどの力。

ベルツ
あなたたちはそんな存在に 挑もうとしているのですよ?

ルジーナ
ベルツ、お前、何を企んでやがる?

ベルツ
心外だなー。

ベルツ
俺は純粋にお前たちのことを 心配してるんだよ。

ルジーナ
お前の目的はカルナ・マスタにこいつらを 関わらせないことじゃなかったのか?

ベルツ
ああ、その通りだ。

ベルツ
だから、こうやってカルナ・マスタの 危険性を必死に伝えてるんだろう?

ルジーナ
…………。

ベルツ
それにルジーナ、 お前は考えたことはないのか?

ベルツ
カルナ・マスタを倒した後に 召喚術がどうなるのかを。

セリア
どういうこと?

ベルツ
セリアさん、興味を持ってもらえましたか?

セリア
いいから早く話しなさいよ!

ベルツ
ハハハッ、セリアさんに急かされるなんて 今日はなんて素敵な日なんだ。

ベルツ
やはり日頃から色々と 考えておくものですね。

セリア
早く!

ベルツ
失礼しました。 あまりにも嬉しかったもので♪

ベルツ
では、セリアさんお聞きします。 召喚術は誰が作ったものでしょうか?

セリア
それは…カルナ・マスタ……。

ベルツ
そうです。

ベルツ
カルナ・マスタが神を倒すための呪い。 それが召喚術です。

ベルツ
では、カルナ・マスタが滅んだ時、 召喚術はどうなってしまうのでしょう?

パリス
召喚術が消えてしまうというの?

ベルツ
その答えは皆さんで考えてください。

ベルツ
私は私の立場もあり、 お伝えできないこともあるので。

ベルツ
あー、どうして皆さんはアクラス召喚院 なんかに所属しているのでしょう!

ベルツ
私と同じエルガイア連邦にいれば もっと語り合えたのに!

セリア
そういうのはいいわ。

セリア
ねえ、ティリス、 あなたは何かわかる?

ティリス
う~ん、私も詳しいことは……。

セリア
そっか……。

ベルツ
召喚老のお2人はどうなのでしょうね?

ベルツ
召喚術が消えればアクラス召喚院の 存在意義は薄れる。

ベルツ
彼らは召喚院を滅ぼしたいのでしょうか?

ベルツ
うーん、難しい問題ですね。

カル
あの2人は……。

ベルツ
そうそう! 話し込んでいてすっかり忘れてました!

ベルツ
今日は皆さんに紹介したい人がいたので ここに来たのでした!

セリア
紹介したい人? また面倒な人じゃないでしょうね?

ベルツ
いえいえ、皆さんとも顔見知りの方ですよ。

ベルツ
お待たせしてしまい申し訳ありません。 こちらに出てきてください!

カル
リオメルグさん! どうしてあなたが!?

リオメルグ
カル様、モーラの呪縛から

リオメルグ
バリュオン様をお救いいただき ありがとうございました。

リオメルグ
私はあなたとその者たちの力を 甘く見ていました。

カル
ああ、Shou-chanたちが 力を貸してくれたからな。

カル
リオメルグさん、教えてくれ。

カル
どうしてあなたがベルツさんと 一緒にいるんだ?

リオメルグ
それは……。

ベルツ
それは私から説明させていただきます!

ベルツ
リオメルグさんは私たちエルガイア連邦に 協力してくださることになったのです!

カル
!?

パリス
どういうこと!?

ベルツ
私たちの思想に共感して助力を約束して くださったのです。

ベルツ
種族の垣根を越えた協力関係。 素晴らしいと思いませんか?

カル
リオメルグさん、どういうことだ!?

リオメルグ
…………。

ベルツ
カル召喚師、そう焦らないでください。

ベルツ
今日は皆さんへの義理立てとして リオメルグさんを紹介しただけ。

ベルツ
詳しい話は連邦の極秘事項に関わるため 申し訳ないのですがお伝えできません。

ベルツ
では、名残惜しいですが 今日はこの辺で退散させていただきます。

ベルツ
皆さん、カルナ・マスタと戦うのは 本当に止めた方がいいですよ。

ベルツ
私の忠告、お聞きいただけること 私は祈っています。

リオメルグ
…………。

セリア
一体、どういうこと?

セリア
ルジーナ、 アンタあいつと仲良しなんでしょ!

セリア
何かわからないの!?

ルジーナ
知るかよ。

ルジーナ
ベルツが何を考えてるかなんて 考えるだけ無駄だ。

ルジーナ
ましてやこっちの世界の住人と協力だ? わかるわけがねーだろうが。

パリス
カル、大丈夫?

カル
ああ、大丈夫だ。

カル
みんな、この件についてはルジーナが言う 通り俺たちが考える必要はない。

セリア
でも……。

カル
大丈夫だよ。 リオメルグさんはしっかりした人だ。

カル
俺と違ってベルツに振り回されるような 人じゃない。

カル
あの人にはあの人の考えがあって 動いてるんだろう。

カル
その内、話してくれるさ。

セリア
カル……。

カル
それより問題なのは召喚術のことだ。

カル
カルナ・マスタを倒したら本当に 消えてしまうと思うか?

ルジーナ
それこそ考えるだけ無駄だ。

ルジーナ
何度も言ってるだろうが。 アイツの言葉を聞くなってな。

セリア
だけど……。

ルジーナ
まあ、お前たちの気持ちはわかるぜ。

ルジーナ
俺と違って、お前たちは召喚術が消えたら 何もできねーザコだからな。

ルジーナ
特に最近調子に乗ってる Shou-chanは

ルジーナ
怖いんじゃねーか? 自分が何もできなくなるのが。

ティリス
大丈夫だよ。ルジくん!

ティリス
Shou-chanは 召喚術が無くたって凄いんだから!

セリア
何を根拠に……。 でもまあ確かに考えるだけ無駄ね。

カル
ああ、そうだな。

カル
それについてはグラデンス爺さんたちも 何か考えはあるだろう。

カル
爺さんたちが気付いてないとは 思えないからな。

パリス
確かにそうね……。

セリア
それにしてもティリス。 アンタ、随分おとなしかったわね。

セリア
やっぱりティリスでもベルツみたいなのは 苦手だったりするの?

ティリス
う~ん、そういうのじゃないんだけど どうしても気になっちゃって。

セリア
気になる?

ティリス
うん、あのベルツって子、 どんな子かまったくわからないの。

セリア
それは私も一緒よ。 あれをわかる方がおかしいわ。

ティリス
ううん、違うの。

ティリス
うまく言えないけど、みんなと会った時と まったく違う感じがして……。

ルジーナ
…………。

ティリス
ゴメンね。

ティリス
ルジくんのお友達を 悪く言うつもりじゃないんだよ!

ルジーナ
友達じゃねー!

セリア
ハアー、まあいいわ。

セリア
Shou-chan! ボーっとしてないでそろそろ出発するわよ!

セリア
早くアークに会って色々と 話さなくちゃいけないんだから!