チッ、メンドクセー……。

どうしたの、ルジくん？ ご機嫌ナナメみたいだけど？

ティリス、ダメよ。 構ってほしいだけなんだから。

え、もしかしてルジくんって 結構、寂しがり屋？

結構どころじゃないわよ。

ああ見えて、夜１人で寝ると 寂しくて泣くらしいわよ。

セリア…あなた……。

ルジくん、そんなに大変なんだ……。

そうだ！

だったらセリアが一緒に寝てあげれば！

どうして私が！

ウルセーぞ！ お前ら！

お前らはこの状況が 気にならねーのか！

この状況？ セリア、わかる？

私に聞かないでよ！

Shou-chan！ アンタ、笑ってないで説明しなさいよ！

ハアー、どいつもこいつも……。

面倒だ。 カル、説明しておけ！

お、おいルジーナ！

セリア、ティリス、ちょっと ふざけ過ぎだぞ。

ルジーナは真面目に考えてたんだからな。

悪かったわよ。

ティリスが本気にするから ちょっと調子に乗っちゃって……。

あ～、セリア、ズルい！ 私のせいにしないでよ～！

……わかったよ。

久々に会えて嬉しいのはわかるけど ２人とももう少し落ち着いてくれ。

は～い。 はーい。

クスッ。

パリス！

ご、ごめんなさい。 つい……。

まあいいや。

えっと、ルジーナが言っていた 今の状況ってヤツだけど

“正直、何も起きなくて不安” って状況だ。

何も起きてないなら それはそれでいいと思うんだけど？

いや、本来ならもう起きていなきゃいけない ことがまったく起きない。

これは逆に予想外の何かがこれから起きる

もしくはもう起きてる危険がある ってことだ。

その本来起きることって何なの？

そうだな……。 まずは召喚老の爺さんたちかな。

ティリスが自由になれるよう 動いてたのはわかった。

でも、この最終決戦であの２人が 出てこないのはおかしい。

それはそうね……。 特にオーン様とか絶対に出てくるわよね。

で、次がベルツだ。

あれだけ俺たちをかき回しておきながら 彼の目的はまだわからない。

この重要な局面で動きが見えないってのは 不気味でしょうがないよ。

確かにそうね。

ルジーナに聞いても 何も教えてくれなそうだし……。

ルジーナは何も聞いてないし 聞くつもりも無いんだろう。

ベルツの言葉は人を惑わす。

ルジーナはそれを知っているから、ベルツか らの情報を最小限にしているんだと思う。

その気持ちはわからないでもないわ……。

それから次はリオメルグさんだ。

そういえば、そんなのもいたわね。

…………。

あー、えっとああ見えてというか あの人の実力も確かなものだ。

今、何を考えてどう動いているのかは 把握していないと

最悪の状況で動かれた場合は 危険だからな。

カルのお父さんはもう助かったんだし、 話してなんとかならないの？

俺も話したいんだけど次に会った時に ゆっくり話す時間があるかどうか……。

そうね……。

で、最後がアークだ。

アーク……。 みんなはもう会ったの？

いや、まだだ。

ルジーナは何か知っているみたいだけど 教えてくれそうもないってことは

アイツはこの後のことが 予想できてるんだろうな。

説明してくれればいいのに。 相変わらずケチよね。

ま、まあそんな訳でこれだけ問題があるのに その動きがほとんど見られない。

最悪、すべての問題が一気に動き出す。

今がどれだけ不安定な状況か わかってもらえたか？

うーん、確かにそうなんだけど、

それってカルナ・マスタと戦うことに 比べたら小さなことじゃない？

あたしたちはこれから大神皇と戦うのよ！

細かいこと気にしてないで 戦いに集中しないと！

セリア、カッコイイ～♪

いや、それはそうなんだが……。

それにセリアたちが集中しているようには 俺は見えないし……。

カル、それ以上は言うだけ無駄よ。 今は私たちが注意しましょう。

ああ、そうだな……。

Shou-chan、 お前だけでも俺の話を聞いてくれよ……。