モーラ
グッ……そんな……。

モーラ
魔神たちの力を手に入れた私が…… 人間ごときに……。

モーラ
わ…私は……まだ……。

ティリス
Shou-chan! やったね!

ティリス
モーラの力が弱っていってる! 取り込んだ魔神たちの力は消えるはずだよ!

ティリス
…………。

ティリス
Shou-chan……。 やっと会えた……。

ティリス
やっとShou-chanに会えたよ~!

ティリス
…………。

ティリス
私、どうしたんだろう……。

ティリス
Shou-chanに会ったら 話したいこといっぱいあったのに……。

ティリス
何にも出てこなくなっちゃった……。

ティリス
Shou-chan……。

ティリス
私ね……。

カル
ウゥッ……。

ティリス
あっ! そうだ!

ティリス
みんなを回復しないと!

ティリス
Shou-chan、 少し下がっててね。

ティリス
静かなる蒼光よ、我が手に集え…

ティリス

カル
グッ……。

ルジーナ
ツゥッ……。

パリス
ウゥッ……。

セリア
クゥッ……。

ティリス
みんな、大丈夫?

ティリス
安心して。 モーラはShou-chanが倒したよ♪

カル
えっ!? ティリス!

パリス
ティリス様!

ルジーナ
…………。

セリア
……これ…夢じゃないよ…ね?

セリア
本物のティリス…だよ…ね?

ティリス
うん…本物だよ。

ティリス
正真正銘、みんな大好きプリチーな女神様、 ティリスだよ。

セリア
ティリス……。

セリア
バカーーーーー!!

セリア
アンタ、 なんであんな勝手なことをしたのよ!

セリア
私たちがどれだけ心配したと思ってるの!

ティリス
でも、あの時はああするしか!

セリア
それに、Shou-chanに ばっかり声をかけて

セリア
私には全然話しかけてくれないし!

ティリス
それは、色々と理由があって……。

セリア
私だってティリスに 色々伝えたかったのに!

ティリス
セリア……。

セリア
寂しかったんだからね……。

ティリス
セリア~~~~! ゴメンなさ~~~い!

ティリス
私もセリアに会いたかったよ~~!

セリア
ちょ、ちょっと抱きつかないでよ!

カル
ハハハッ、セリア良かったな。

カル
セリアはティリスを救うために イシュグリアでがんばってきたんだもんな。

セリア
そ、それだけじゃないわよ! 召喚院の召喚師として私は!?

ティリス
エヘヘヘッ、 セリア、ありがとね♪

セリア
…べ、別に私にお礼を言われても。

セリア
そ、それに私だけじゃなくて みんながんばったんだからね!

セリア
ほ、ほら! パリスだって!

パリス
ティリス様、無事にまたお会いできて 嬉しく思います。

パリス
それにどうやら私たちの窮地も救って くださったみたいで……。

パリス
ありがとうございます。 助けるつもりが助けられてしまいましたね。

ティリス
ううん、お礼を言うのは私の方だよ。

ティリス
みんなががんばってくれたから 私はこうやってここに来られたんだから。

ルジーナ
どういうことだ?

ルジーナ
そもそも、どうしてお前は ここに来られたんだ?

ルジーナ
この地の封印はどうしたんだ?

ティリス
え~、ルジくん、 そんな真面目な話じゃなくて

ティリス
久々に私に会えた感動を伝えてよ~~!

ルジーナ
チッ、相変わらずかよ! いいから早く聞かせろ!

ティリス
む~~~。

???
私がメノンへの道を開いたからですね……。

セリア
モーラ!

ルジーナ
チッ、Shou-chan! お前、仕留め損ねやがったな!

モーラ
……低能猿はやはり用心深いようですね。

モーラ
安心していいですよ。

モーラ
私にはもうあなたたちと戦う力は 残っていないのだから……。

セリア
モーラ……。

モーラ
ルシアスの神徒ティリス……。

モーラ
メノンへの道が開いたことで この地を支配する魔神たちの力は

モーラ
瞬間的にとはいえ私の元へと集まった。

モーラ
それは、この地に棲む魔神の脅威が 私1人に集まったこととほぼ同義。

モーラ
つまり、私を止めさえすれば 当面、この地の魔神に危険は無い。

モーラ
あなたはそう判断したのですね……。

ティリス
うん、そうだよ。

ティリス
それに、Shou-chanたちの ピンチを放っておけないもん!

モーラ
…………。

モーラ
しかし、他の魔神の脅威は 多少なりとも残っているはず。

モーラ
あなたはそれを放棄して 近しい者だけを救った……。

モーラ
やはり神に属する者など 身勝手な者ばかりですね……。

モーラ
今頃、あなたが封印から離れたせいで

モーラ
少なくない人間が 魔神の被害を受けていることでしょう。

ティリス
それなら大丈夫!

ティリス
グラ爺たちが私が少しくらいなら 封印から離れても大丈夫なように

ティリス
色々と準備しててくれたからね♪

カル
爺さんたちが?

ルジーナ
チッ、相変わらずコソコソと 動きやがって。

セリア
この地で暴れまわってただけじゃ なかったのね。

パリス
フフッ、さすが召喚老様たち というところかしら。

モーラ
なるほど……。

モーラ
あの者たちはこの状況を 予測していたのですね……。

モーラ
私は…人間に負けたのですね……。

セリア
モーラ……。

モーラ
フフフッ……。

モーラ
結局、私も惨めな敗残者になる 運命だったということですか。

モーラ
理想だけを求めて結果、すべてを失った あの人たちのように……。

モーラ
すべてを捨て、大切な人をも騙し裏切り、 すべてを手に入れようとしてきた……。

モーラ
それらはすべて無駄になったのですね……。

モーラ
…………。

モーラ
やはり理想など追い求めるものでは ありませんね……。

セリア
そんなことはないわ。

モーラ
セリア……。

セリア
確かにあなたは私たちに敗れて その野望は潰えた。

セリア
でも、あなたはまだ生きているわ。

セリア
生きていれば何度でも挑戦できるでしょう?

ルジーナ
このバカ女……正気か?

ルジーナ
魔神に何を話してやがるんだ……。

ティリス
アハハッ、やっぱりセリアはセリアだね♪

カル
ハハハッ、俺もセリアには 勝てる気がしないよ。

パリス
ええ、そうね。

モーラ
……私を助けるというの?

セリア
助けるつもりはないわ。

セリア
でも、今のあなたは私たちの 脅威にはならない。

セリア
だったらとどめを刺す必要も無いでしょう?

セリア
私たちは魔神を滅ぼしに来たんじゃない。

セリア
私たちの世界を魔神の脅威から守るために この地に来ただけなんだから。

モーラ
私はまたいつかあなたたちの 脅威になるかもしれませんよ。

セリア
その時はまた止めるだけ。

モーラ
…………。

モーラ
セリア、あなたから感じた 不思議な何かはこれだったのですね。

モーラ
遥か昔にあの人たちから感じものと同じ。

モーラ
すべてを受け入れる広い心……。 それは慈愛の心……。

セリア
じ、慈愛!?

セリア
私はそんな大層なもの持ってないわよ!

ルジーナ
本当だぜ! こいつのどこに慈愛があるってんだ!

ルジーナ
お前、やられ過ぎて おかしくなっちまったんじゃねーか!?

セリア
アンタに言われると なんかムカつくのよ!

ティリス
アハハッ、でも私も知ってるよ。

ティリス
セリアは照れ屋なだけで 本当はすっごく優しい子だって♪

セリア
ティリスもやめてーー! なんかムズムズして気持ち悪いわ!

セリア
いい、モーラ。

セリア
あなたの過去に何があったかは知らない。

セリア
私よりよっぽど長い時間を生きてきたんだか ら辛いこともいっぱいあったと思う。

セリア
でも、これだけは言えるわ。

セリア
生きていればいつかいいことあるわよ♪

モーラ
…………。

ルジーナ
なんだそりゃ……。 なんて単純な言葉をお前は……。

パリス
確かに間違ってはいないけれど もう少しいい言葉はなかったのかしら……。

カル
わかりやすくていいじゃないか。 それに真っ直ぐでセリアらしいよ。

カル
Shou-chan、お前もそう思うだろ?

セリア
な、Shou-chan! アンタまでバカにした顔をして!

ティリス
Shou-chanは 正直だからね♪

セリア
ティリス、フォローになってないわよ!

モーラ
そうなんですね……。 私は本当に敗れたのですね……。

モーラ
セリア、そして人間たち……。 私はあなたたちにお礼は言いません……。

モーラ
そして、理想を捨てるつもりもありません。

ルジーナ
テメーは……。

モーラ
私は、私にとってこの理想が どれだけ大切なものか思い出しました。

モーラ
この理想を掲げた人たちが私にとって どれだけ大切な人だったかを……。

モーラ
あの頃、苦しいながらも 本当に笑えたあの頃を……。

モーラ
…………。

モーラ
セリア、あなたたちはこの先の メノンに向かうのでしょう?

セリア
ええ。

モーラ
それについては何も言いません。

モーラ
ただ、これだけは伝えておきます。

モーラ
真の力を封印されているとはいえ

モーラ
カルナ・マスタの力は あなたたちの想像を遥かに超えています。

モーラ
例えその神徒の力を借りようとも まともに戦えるとは思えません。

セリア
ええ、覚悟の上よ……。

モーラ
……そう言うと思いました。

モーラ
しかし、それでもきっと……。

モーラ
…………。

モーラ
セリア、メノンにはもう1つの力が 眠っています。

モーラ
それを手に入れなさい。

モーラ
それはきっとあなたたちの 力になることでしょう。

セリア
もう1つの力……。 モーラ、それは何なの?

モーラ
それは私にもわかりません。 ただ、かつてメロードが言っていました。

モーラ
「カルナ・マスタを封じるついでに もう1つ面倒事が片付いたようだな」と。

セリア
…………。

セリア
モーラ、あなたはこれからどうするの?

モーラ
どこかでひっそりと次の策を練ります。

モーラ
そう、 レームの西、

モーラ
かつて新国家ミルドランが存在した地で 傷を癒しながら……。

セリア
そう……。

セリア
それじゃあ、またいつか会いましょう。

モーラ
フフフッ、あなたは本当に面白い人ですね。

カル
行ったか……。

パリス
ええ……。

ルジーナ
チッ、俺はどうなっても知らねーぞ。

セリア
いいのよ。これで……。 きっとね……。

セリア
…………。

ティリス
も~~~! みんな元気ないよ~~~!

ティリス
せっかく私と再会できたんだから もっと盛大にパ~~っと喜んでよ!

カル
ハハハッ、そうだったな。

パリス
フフッ、そうですね。 ティリス様、失礼しました。

セリア
で、ティリス、アンタは この後、どうするの?

ティリス
もちろん、みんなと一緒に メノンに向かうよ!

ティリス
私がいないとやっぱり ダメみたいだからね♪

セリア
そういうところ、変わらないわね……。

カル
でも、ティリス。 本当に封印は大丈夫なんだな。

ティリス
あ~!

ティリス
カルくん、“女神さん”やめてくれたんだ♪

カル
いや、今、その話をしないでくれ……。

ティリス
フフッ、嬉しいな~♪

ルジーナ
いいから早く封印の状況を説明しろ!

ティリス
アハハッ、ルジくんに怒られちゃった♪

ティリス
えっとね。それは本当に大丈夫。

ティリス
グラ爺とオーンちゃんが 色んな人とか装置とか用意してくれたから!

パリス
オ、オーンちゃん……。

ルジーナ
本人にそう言ってる場面には 遭遇したくねーな……。

カル
そうか。 それじゃあ、一緒に戦えるんだな。

ティリス
もちろんだよ!

ティリス
Shou-chanやみんなと やっと会えたんだから

ティリス
今までの分まで バッチリ活躍しちゃうよ~!

カル
ハハハッ、期待してるよ。

カル
ティリスが一緒なら 俺たちも安心だからな。

ルジーナ
おい、カル。

カル
ああ、ルジーナ、わかってるよ。

カル
メノンの地には不安要素が他にも あることはわかってる。

カル
この場面に現れなかったベルツだけじゃなく

カル
当然、出てくると思ってた リオメルグさんもいない。

カル
それに召喚老の爺さんたちも まったく出てこない。

カル
俺たちの知らないところで何かが 起きてるのは間違いないだろうな。

パリス
問題はまだ山積みというわけね……。

ルジーナ
それとアークのことも忘れるなよ。

ルジーナ
アイツは恐らく俺たちの敵になる。

セリア
どういうこと!?

ルジーナ
説明するのが面倒だ。 会えばわかるだろーよ。

ティリス
でも、アークならきっと大丈夫だよ!

セリア
アンタはまた根拠の無いことを……。

カル
ハハハッ、 でも、これで本当に全員そろったな。

カル
Shou-chan、 これもお前が進み続けてくれたおかげだ。

カル
この先もよろしく頼むぜ。

ルジーナ
ケッ、こいつがいなくても 俺がなんとかしてやったがな。

セリア
ハイハイ。 ソウデスネー。

ルジーナ
テメー! このバカ女!

パリス
ハアー、やっぱり騒がしくなるのね……。

パリス
でも、Shou-chan、 私もあなたのこと頼りにしているわよ。

パリス
フフッ、そんな困った顔をしないで。

ティリス
パリス、大丈夫だよ!

ティリス
きっとShou-chanなら カルナ・マスタを倒して

ティリス
平和で自由な世界を実現してくれる!

ティリス
だって、Shou-chanは 私の大切な召喚師なんだから!

ティリス
ね、Shou-chan♪