不気味な物体
グオォォオォォォーーー!

セリア
Shou-chan! やったの!?

パリス
まだよ! でも、かなり弱っているはず!

ルジーナ
だったら、俺がとどめを刺してやるぜ!

ルジーナ
オラ! 喰らいやがれ!

ルジーナ
えっ?

ガラガラガラガラガラ!

セリア
な、なに!?

ルジーナ
グワァァァーー!

パリス
ウウッ……。 大丈夫、Shou-chan?

パリス
でも、どうして急に岩が……。

パリス
ハッ! あの敵はどこに?

セリア
あれならもう逃げていったわ。

パリス
セリア! よかった。無事だったのね。

セリア
ええ、なんとかね。

セリア
でも、ルジーナが……。

パリス
えっ?

セリア
見て。 器用に逆さまで岩に挟まってるでしょ?

パリス
どうやったらあんな状態に……。

ルジーナ
いいから、早く助けろ……。

ルジーナ
クソッ! 何で急に岩が落ちて来やがったんだ!

ルジーナ
あと一歩ってところだったのによ!

ルジーナ
Shou-chan! お前がグズグズしてっからだぞ!

ルジーナ
オーンにはお前が言い訳しておけよ! 俺は知らねーからな!

パリス
絵に描いたようなゲス発言ね……。

セリア
ルジーナ、アンタもう少しひねったこと 言えないの?

セリア
やられ方はいつも変化してるってのに

ルジーナ
うるせーぞ!

ルジーナ
それより、アイツをとっとと倒さねーと 本気で俺たちもヤバイぞ……。

???
お困りのようですね。

パリス
あなたはモーラ!

セリア
どうしてここに? まさか、アンタが今のを……。

モーラ
フフッ、勘違いしないでください。

モーラ
私があなたたちを倒すなら もっと別の方法を取ります。

ルジーナ
信用できるかよ。

モーラ
信用してもらう必要などありません。 私は言いたいことを言うだけですから。

ルジーナ
…………。

モーラ
私は先ほどあなたたちが戦って 逃げられたこの地を支配する魔神、

モーラ
“腐堕狂神メロード”が嫌いなのです。

セリア
嫌い……? どういうこと。

モーラ
メロードはルシアスの元神徒。

モーラ
人と神が戦った愚かな大戦の少し前に この地に墜とされた者なのです。

モーラ
元神徒なのに魔神としてこの地で生きる。 私が嫌うには十分な理由だと思いませんか?

パリス
元神徒……。 でもあの姿、とてもそうは見えないけれど。

モーラ
それは、この瘴狂花ウルジの影響です。

モーラ
メロードはこの地に墜とされた際、 かなりの傷を負っていました。

モーラ
そのため、セルグラードにいたシュスイと まともに戦うことができず

モーラ
この地に逃げてきたのです。

モーラ
当時、この地はウルジの力を恐れ 誰も支配しようとしていませんでしたが、

モーラ
何も知らない彼は、愚かにも この地を支配していったのです。

モーラ
しかし、彼は徐々にウルジの力に 侵されていきました。

モーラ
側にいる者を腐り狂わせる力に。

ルジーナ
で、あの姿ってわけか。

ルジーナ
だが、何でお前たちはヤツを 今まで放っておいた?

ルジーナ
堕ちてきた後すぐに倒しちまっても よかったんじゃないのか?

モーラ
短絡的な考えですね。

モーラ
当時、彼には彼なりに役立つことも あったのです。

モーラ
だけどもうその役目も必要ない。 だから消えてもらいたい。

モーラ
ただ、それだけです。

ルジーナ
……その役目とかを話すつもりは どうせねーんだろうな。

モーラ
フフッ、猿は猿なりに少しは 賢くなったようですね。

モーラ
でも、どちらにしろあなたたちは 彼を倒す必要があるのでしょう?

セリア
まあ、それはそうだけど どこかに逃げられちゃったのよね。

モーラ
おそらくメロードは、この先の “アヴォル雷光橋”を渡った向こうにある

モーラ
彼が元の姿の頃に住んでいた館に いるでしょう。

ルジーナ
で、お前は今回も何もしないつもりか。

モーラ
あなたたちの邪魔をしないだけ ありがたいと思ってほしいですね。

ルジーナ
チッ……。

ルジーナ
おい、Shou-chan! とっととこんな所、離れるぞ。

ルジーナ
いつまでもいたらお前らも、メロードとやら みたく崩れちまうだろうからな。

ルジーナ
まあ、お前らは少し崩れた方がまともな顔に なるかもしれねーがな。

ルジーナ
オラ! 出発だ!

セリア
一番崩れてる男が何を言ってるんだか……。

パリス
セリア、許してあげて。

パリス
きっともうウルジの影響を 受け始めてるのよ……。

パリス
この地を訪れるずっと前から……。

不気味な男
フン、この程度ではダメか。

不気味な男
まがりなりにもオーンどもが選んだ 召喚師だけはあるということか。

不気味な男
だが俺は……。

不気味な男
俺はお前たちを許しはしない……。

不気味な男
絶対にな……。