ハァハァハァ……。

ねえ、パリス。 ここまで来ればもう大丈夫でしょう？

そろそろ説明してもらえない？

……そうね。

でも、ルジーナは説明して 欲しく無さそうだけど？

ルジくんは拗ねてるだけだから 気にしないでいいわよ。

ケッ、聞くまでもなく わかるだろーが。

Shou-chanは その女にうまく使われたってことだよ。

そんな言い方は止めて。

私はShou-chanを 信用していただけよ。

大体、あなたこそどうして あんな簡単な罠にかかったりしたの？

テメー、わかってて 聞いてやがるな……。

あなたも私と同じことをするつもりだった。

そういうことでいいかしら？

ああ…そうだ。

このバカ女が俺を巻き込まなけりゃー さっきのお前の役は俺だったってことだ。

女性をオトリにしようとするから そんなことになるのよ。

この女がそんなタマか！

俺があの魔神から離れようとするのを 邪魔しやがって！

何が「こっちに面白そうな古代文字が あるわよ！」だ！！

おもいっきり落とし穴の スイッチだったじゃねーか！

だから何回も謝ったでしょ！

しつこい男は嫌われるわよ！

おー、上等だ！！

テメーみたいなバカ女になら いくらでも嫌われてやるよ！

なんですって！

ハアー、久々に会えたのに いきなりケンカしないでよ。

それに、私はまだ説明の途中よ。

そうよ！ ルジくん、邪魔しないでよ！

ケッ、もう勝手にしやがれ！

それじゃあ、続けるわね。

私はあのモーラが怪しいと考えたから 祠跡で別行動を取ったの。

あの場所にはおそらくセリアたちをハメた 罠があると考えてね。

で、その罠の位置がわかれば みんなまとめて救出できるってわけよ。

あそこで別行動を取っても 不自然にならないよう

その前の場所から色々準備は しておいたけどね。

へー、さすがパリスね。 どこかの誰かとは違うわ。

…………。

セリア、私もいくつか疑問が あるのだけれどいいかしら？

もちろん、何でも聞いて。

私たちはあなたたちを助けるという流れで モーラと一緒に動いたのだけれど

あなたたちは なぜ、彼女と一緒に動いたの？

あの女、ルシアスの元配下って 名乗った後、私たちに

「この地に封じられたものの 秘密を探るのを手伝ってほしい」

って、言ってきたの。

この地に封じられたもの？

ええ、そうよ。

どうやらルジーナがそれについて 召喚院から何か言われてるらしくて

私も付き合ってあげたってわけ。

……そう。

で、もう１つ気になるのが

どうしてあなたたちは 一緒に行動しているの？

グラデンス様からは、本人たちから 直接聞くように言われたのよね。

！？

あー、それはルジーナが……。

うるせー！ お前は何も言わなくていい！

お前が話すと誤解されそうだから 俺が説明する！

そんなに変な話なの？

言いたくないなら別にいいけど 色々と勘ぐってしまうわよ？

ふざけんな！

そもそも、そんなに難しい話じゃねー。

グラデンスの爺さんに 俺がハメられただけだ。

ハメられた？ グラデンス様に？

そうだ……。

あの爺さん、この女の行動に合わせて 俺に任務を当てやがった！

おそらくこいつが勝手に イシュグリアに入るって予測して

こいつの危険を回避するために 俺を動かしたんだろうよ！

クソッ、ムカつくぜ……。

でも、だったらセリアのことを 無視すればよかったんじゃないの？

こ、この…お前！

そうよ。

そもそも助けてもらう必要なんて 無かったんだから。

お前…俺が何回助けたと……。

うん、それには感謝してるわよ。 ルジくん♪

クソッ！ この女は……。

ご、ごめんなさい！ 私が悪かったわ！

そ、それにしてもセリア。 あなた雰囲気が変わったわね。

何か余裕があるというか……。

ええ、ちょっと色々とあってね。

…………。

そういうパリスも ガラッと変わったわよね。

髪もそうだけど、 明るくなったっていうか……。

フフッ、ありがとう。 私も色々あったのよ……。

そっか……。 お互いに色々と変わったってことね。

やっぱり変化って大切よね。

チラッ

…………。

ええ、そうね。

チラッ

…………。

さ、さあ、先に進みましょう！

モーラに襲われる前に 一度、態勢を整えたいわ。

そうね！

Shou-chan！ アンタも早く来なさい！

クソッ、あいつらにどう見られようが どうでもいいが

微妙に腹が立つな……。

覚えておけよ……。