ここは不思議な場所ね……。

何を目的とした建造物なのかしら？

儀礼的な場所にも思えるけど

魔神たちが何かを信仰しているという話は 聞いたことがないし……。

あ、ごめんなさい。

イシュグリアの情報はすごく少ないから 色々と興味深くて。

イシュグリアに出発前、帝都の図書館や 軍部の資料とかも調べたんだけど

気になる情報は無かったのよね……。

…………。

ねえ、Shou-chan。

あなたは、エルガイアで今何が起きているか 知っているかしら？

フフッ、興味無さそうね。

ランドール皇国やエルガイア連邦は あなたの動向を気にしているというのに。

…………。

この両国は、近々イシュグリア調査を 開始するはずよ。

大きくなり過ぎたアクラス召喚院に 対抗するためにね。

とはいっても、両国が協力するのではなく、 それぞれ勝手に動くだけ。

この二国は歴史的にも 共存できる存在ではないから。

でも、おかしいと思わない？

魔神という脅威が現れたなら 人同士は協力するべき。

まったくそれを行おうとしないなんて 愚かな存在としか言えないわよね……。

…………。

大丈夫だとは思うけれど あなたも気を付けてね。

両国はあなたを味方にしようと 声をかけてくる可能性が高いわ。

フフッ、以前、あれだけあなたを誘い続けた 私が注意するのもおかしいわね。

Shou-chan。

以前にアークも言っていたけれど、 あなたには世界を変える力がある。

だから、その力を利用されないよう 自分が本当にしたいことを忘れないでね。

フフッ、あなたならきっと大丈夫よね。

ティリス様の大事な召喚師なんですから。

そう言えば、アークはあの後、 どうなったのかしら？

グランガイアに魔神が出てこなかった ことを考えると

こちらで多くの魔神を倒したことは 間違いないと思うけれど……。

あれだけの力を持った人が そう簡単にはやられると思えないし

こちらで大切な人を まだ探しているのかしら？

あの人については色々と思うことも あるけれど、無事であってほしいと思うわ。

何百年も大切な人を想い続け、そのために すべてを犠牲にしてきたんだもの。

無事に大切な人と再会できていればと 心から思えるわ……。

……ルシアスめ。

滅びた後も俺の邪魔をするか。

クッ、だが……それでも俺は……。