不気味な声
待っていたぞ……。

パリス
この声は……。

ザーグ
生きてこの洞窟まで辿り着く能力。 やはり侮り難いものがあるな。

ザーグ
人間よ。 この洞窟に渦巻く怨嗟の声が聞こえるか?

ザーグ
かつて、この洞窟はダンラード砦により 進軍を防がれたアルナケイド軍が

ザーグ
光の街ラナーラへ侵攻するために 通ろうとした道でもある。

ザーグ
しかし、アルナケイド軍は この場所でそのほとんどを失うことになる。

ザーグ
軍を率いていた王族が兵士を犠牲にした 行軍を行おうとしたことで

ザーグ
一般兵が反乱を起こしたのだ。

ザーグ
兵士たちの大半はアルナケイドに戻らず 各街へと降っていった。

ザーグ
しかし、アルナケイドに残された王族は 結果に納得せず、さらなる愚行を犯す。

ザーグ
異界の神を召喚し、 その力を借りようとしたのだ。

ザーグ
結果、召喚には成功し、 光の街ラナーラを滅ぼしたのだ。

ザーグ
だが、異界の神を王族たちは 制御しきれなかった。

ザーグ
異界の神はラナーラを滅ぼした後、 そのままアルナケイドをも滅ぼしたのだ。

パリス
神徒ザーグ。

パリス
あなたは、その話を私たちにして 何をしようというの?

ザーグ
堕神の手下や愚かな人間の代表である貴様に 話しているつもりはない。

ザーグ
我はこの力を持った召喚師に 話をしているのだ。

ザーグ
Shou-chanよ。 貴様は自分の力をまだ自覚していない。

ザーグ
貴様の力は少なくはあるが 世界を動かすまでに成長している。

ザーグ
ならば貴様は その責任を負う必要があるのだ。

ザーグ
その力を正しく使う責任をな。

ザーグ
私は貴様に真実を話すかを 見極める必要がある。

ザーグ
それを伝え、貴様がどう動くのか。

ザーグ
それもまた、世界が動く一因になるのだ。

ザーグ
召喚師Shou-chanよ。

ザーグ
貴様はその者たちと共に行動し

ザーグ
貴様たちが堕神と呼ぶ我々を 滅ぼした後の世界をどう想像する。

ザーグ
支配者が我々から……。

パリス
戯言はそこまでで十分よ!

パリス
あなたたちがこの地で行った行為は 堕神の名に十分に値する!

パリス
だから私たちは四堕神を倒し グランガイアに平和を取り戻す!

ティリス
そ、そうよ! パリスの言う通りよ!

ティリス
ルシアス様がきっと世界を 平和な姿に戻してくれる!

ザーグ
愚かな……。

ザーグ
Shou-chanよ。

ザーグ
貴様はこの地で起きた人間の 愚かな歴史を聞いても

ザーグ
なお、人に罰を与えた神々の行為を 悪と認識するのか?

???
そりゃー、悪だろ。

???
たくさんの人間が命を失ったんだからな。

ティリス
カルくん!

カル
いやー、遅くなっちまって悪いな。

カル
ここに来るまでに結構、厄介な魔物に 襲われちまって。

ザーグ
貴様がカルか。

ザーグ
貴様とは別の機会に 話す必要がある。

ザーグ
ここでShou-chanと同時に 話をするべきではないな。

ザーグ
Shou-chanよ。

ザーグ
貴様に真実を話せる時が来ることを 我が主は楽しみに待っているぞ。

カル
真実ねー。

カル
で、女神さんは真実って 何だかわかるのか?

ティリス
う~ん、私もよくわからないな。

ティリス
ザーグが変なことを言って

ティリス
私のShou-chanをダマそうと してるだけなんじゃないかな?

ティリス
それだけ、私のShou-chanは 大人気ってことだもんね♪

カル
ハハッ、それはあるかもな。

カル
四堕神を三柱も倒した人間なら、 戦うよりも味方にしたいってことか。

カル
パリスさんはどう思う?

パリス
ティリス様の仰る通り、 ただの戯言よ。

パリス
聞く耳を持つ必要はないわ。

カル
その割には……。

カル
って、まあいいか。

カル
それじゃあ、俺は先に進むぜ。

カル
あんまり遅れるとうるさいのが 2人ほどいるんでな……。

カル
Shou-chanも大丈夫だとは思うが 無茶はするなよ。

カル
アルナケイドでお前が来るのを 待ってるぜ。