ティリス
ねえ、Shou-chan!

ティリス
見て!見て!

ティリス
橋の向こうに見えるのが アルナケイドだよ!

ティリス
さあ、一気に進んじゃおう♪

グラデンス
いや、それがダメなんじゃよ ティリスちゃん。

ティリス
グラ爺!?

グラデンス
フォッフォッフォッ。

グラデンス
ティリスちゃんにパリスちゃん。 元気そうじゃな。

パリス
パ、パリスちゃん!?

パリス
グ、グラデンス老、その呼び方は……。

グラデンス
ワシらはすでに同盟関係。

グラデンス
堅苦しい呼び方など無用じゃろう?

グラデンス
ホレ、ワシのこともグラ爺と 呼んでくれんかの?

パリス
そうは言われましても……。

グラデンス
うーむ、困ったの。

グラデンス
お互いの協力関係を強固にするためにと エリオール殿が考えたことなんじゃがな。

パリス
そ、そうなんですか?

パリス
で、ではグラ爺様……。

パリス
これでよろしいでしょうか?

グラデンス
フォッフォッフォッ。

グラデンス
惜しいのー。 “様”はいらんじゃろ。

パリス
あ、え、は、はい。

パリス
ぐ、グラ爺……。

グラデンス
フォッフォッフォッーー!

グラデンス
本当にパリスちゃんは かわいいのー♪

ティリス
もう、グラ爺!

ティリス
その辺で許してあげなよ!

ティリス
エリオールとかいう人からのお願いって ウソなんでしょ?

パリス
え、そ、そうなのですか!?

グラデンス
まあ、そこは色々とあるんじゃが 簡単にまとめるとウソじゃ。

パリス
や、やっぱり、おかしいと思ったのです!

パリス
どうして、そのようなウソを!

グラデンス
なーに、 ちょっとパリスちゃんが心配になっての。

グラデンス
お主、あの男を信頼し過ぎではないのか?

グラデンス
確かにあやつは能力の高い人間じゃ。

グラデンス
とはいえ、そう簡単に すべてを信じてよいのか?

グラデンス
今のお主の行動、あやつが関わらなければ 絶対に起こさぬだろう?

グラデンス
エリオールが「理想のために死ね」と言えば お主は迷わず命を絶つのではないか?

パリス
そ、それは……。

ティリス
もう!

ティリス
だから、グラ爺! これ以上、パリスをいじめないで!

グラデンス
フォッフォッフォッ。 これは悪かったの。

ティリス
で、グラ爺。 どうしてこの橋の先には進めないの?

グラデンス
ふむ。 実はの……。

グラデンス
先ほどここにザーグという神徒が現れての。

ティリス
ザーグが、ここに?

グラデンス
うむ。

グラデンス
この地の成り立ちについてひとしきり話して そのまま去っていきよったわ。

ティリス
この地の成り立ち?

グラデンス
そうじゃ。

グラデンス
なんでもこの地は、橋の先に見える アルナケイドの城を守るためではなく、

グラデンス
アルナケイド軍から3つの都市を守るために 築かれた砦らしいのじゃ。

グラデンス
だから、その時の効力が今も生きているので

グラデンス
こちらとアルナケイドの城は完全に 遮断されておる。

ティリス
それじゃあ、どうやってアルナケイドに 進めばいいのよ~~。

グラデンス
それも、あの神徒が伝えていきよった。

グラデンス
この砦を越えた先にある光の廃街ラナーラ。

グラデンス
その奥にアルナケイドに繋がる洞窟への 入口があるらしい。

ティリス
そっか~。 それなら大丈夫だね♪

ティリス
でも、グラ爺。

ティリス
どうして都市とお城は遮断されていたの?

ティリス
普通、お城と都市は 仲良くしてるものじゃないの?

グラデンス
それは、人間ならではの愚かさじゃよ。

グラデンス
アルナケイドの城で暮らしていた 王侯貴族たちは

グラデンス
水都アルメリア、 森の奥で滅びた名の失われた都市、

グラデンス
そして、光の街ラナーラ、

グラデンス
豊かに栄えたこれらの街の富が 欲しくなったんじゃろう。

グラデンス
王侯貴族からすれば、自分たちの領地の富は すべて自分たちの物と考えておるからな。

グラデンス
しかし、都市の連中はそうは考えておらん。

グラデンス
だから戦争になった。

グラデンス
同じ人間として恥ずかしい話じゃな。

グラデンス
とはいえ、人間はどれだけ月日が経とうと 相変わらず進歩はしておらん。

グラデンス
パリスちゃん。 お主ならわかるじゃろう?

パリス
…………。

グラデンス
フォッフォッフォッ。 またいじわるを言ってしまったかの。

グラデンス
Shou-chanよ。

グラデンス
ワシの代わりにきちんとパリスちゃんを 元気付けておくんじゃぞ!

グラデンス
これは召喚老からの正式な依頼じゃ!

グラデンス
フォッフォッフォッ。 冗談じゃよ。

グラデンス
さて、ワシはもう少しここを調べてみる。

グラデンス
カルたちも先に向かったようじゃし お主たちも急ぐんじゃな。

グラデンス
それと、ティリスちゃん。

グラデンス
悩みがあったらいつでもワシに 相談するんじゃぞ。

グラデンス
遠慮はいらんからな。

ティリス
グラ爺、ありがとう♪

ティリス
でも、私は元気だから大丈夫だよ!

ティリス
よ~し、それじゃあShou-chan!

ティリス
街の奥にある洞窟に向かって しゅっぱ~~つ!!