儀式を行うのに、３５分２１秒も かかってしまいましたか……。

グッ……この傷がなければ、 もっと早くできたものを……。

ギャレット！！

魔神は……まだ蘇ってはいない。 どうやら間に合ったようだな……。

もうここに辿り着いたか……。 だが……間に合ってなどいませんよ。

魔神を目覚めさせる儀式は…… もう完了しています！

てめえ……。

ギャレット……。

メル……！？

戻ってこないと思ったら、 どうやら、捕まっていたようですね。

ですが……問題ありません。

事を成すための時間は 十分に稼いでくれましたからね……。

この地に眠りし魔神よ……。 我の呼びかけに応じ……目覚めよ！！

これが……セントクリークを こんな状態にした魔神……！？

忘れようもない……。

こいつだ……この魔神だ……！！ 俺の街……ルーチェスを滅ぼしたのは！

ルジーナ、お前も俺と同じ地獄を見たのなら 覚えているはずだ！！

……ああ。覚えているさ。

クソッ…… こうなる前に終わらせたかったんだがな。

だがもう仕方がねえ、やるぞ！ Shou-chan、ベルツ、構えろ！

グオオ……オオッ……！

ちょっと待って！ 何か様子が……？

クッ……なんだ……！？ 力が……抜けていく………。

私の命が、 この魔神に吸われているのか……？

………！！

早く離れて！！ それ以上、その魔神の近くにいたら……！

……………。

クックックッ……いいでしょう。

私の命などでこの魔神が蘇るのなら…… ラナス様の理想に近づけるのなら安いもの。

さあ、存分に吸い取るがいい！

バカな！魔神のために自らの命すら 捨てるというのか！？

貴様……なぜそこまで！？

知れたこと！ 貴様たちに下るくらいなら……

私はすべてを捧げて ラナス様の遺志を貫く方を……選ぶ……！

ギャレット……！

メル……あなたもこの魔神に…… 生命を……捧げなさい……。

それこそが……我々の……ラナス様の…… 理想の……ため………。

これで………もう誰にも止められない……。 これこそが……。

ラナ……ス………様……の……。

ギャレット……そんな……。

これが過去にすがる者の……末路……。

チッ……正気じゃねぇとは思っていたが、 こんな死に方するとはな……。

ギャレット………。

…………。

了解……した……。 私も命を……捧げる……。

お前……！！

やめて、メル！ そんな命令、聞かなくてもいいから！！

…………。 ごめん……なさい……。

でも、止めても……無駄。

ラナス様のためにすべてを捧げること。 それが……未来のない私の存在意義。

……………。

ラナス……様……。

グハッッ……！！

………！！ 私を……かばった……！？

…………。

なぜ……？ 私を人形と言ったのは……あなた……。

ああ……。 やはり、今のお前は人形だ……。

この期に及んでも、 あんな命令を守ろうとするなど……。

だったら…… 私のことなど放っておけば……。

……俺だって、 なぜお前を守ろうとしたのかわからない。

だが、おそらくは…… 許せなかったんだろう……。

こいつにこれ以上誰かの命を…… 未来を奪われるのが……。

それがたとえ誰であろうと……。 自分自身も含めて……。

……言っていることの意味…… 理解できない……。

ここで命を永らえても……私は……。

……もしお前に未来がないというのなら、 俺が作ってやろう。

最初の目標としては……丁度いい。 そうだろう？　ルジーナ……。

ケッ……言うじゃねーか。

グッ……！ だから……。

…………！

無理して話そうとしないで！ 今すぐ治療するから……！

これだけは言わせてくれ……。 ルジーナ、そしてShou-chan……

あの魔神を倒してくれ……。

この地で起きた過去のことのためじゃない。 俺が…俺たちがこれから作る未来のために！

フン……言われなくてもそのつもりだ！

なにせ、こいつには、 俺もいろいろ借りがあるからな！

わかってるな、Shou-chan！ こいつを全力でぶっ倒すぞ！！