ティリス
ハァ……ハァ……。

セリア
水場の崖を登るのは、 さすがにキツかったわね……。

レダ
確かに……。

レダ
ほとんど滝の中を 進んだみたいなものだったしね……。

ティリス
もう服がビショビショだよ……!

???
なに、ビショビショじゃと!!

ティリス
あ、グラ爺!!

グラデンス
む、魅惑的な言葉が聞こえたと思ったら、 お主たちじゃったか……!!

グラデンス
もう追いつかれてしまうとはのう……。

レダ
グラデンス様!

グラデンス
レダか。

グラデンス
後から来たShou-chanたちと 合流したようじゃな。

レダ
はい。

セリア
グラデンス様は、 このようなところで一体何を……?

セリア
野暮用とおっしゃられてましたが……。

グラデンス
ふむ……結局会えんかったし、 まあ話してもいいかの。

グラデンス
アベル機関の長官…… ラナスの奴を探しておったのよ。

レダ
ラナスを……!! 何のためにそんな危険なことを……!?

グラデンス
何のために……か……。

グラデンス
今からでも、なんとか召喚院とアベル機関が 和解できぬものか、説得するため……

ティリス
グラ爺………。

グラデンス
いや、所詮これはただの建前じゃな……。

グラデンス
そうさの……あやつを探していた理由を 一言で説明するのは難しいのう……。

グラデンス
あえて言うならば、誰にも邪魔されず、 サシで話をしたかった……というところかの

グラデンス
話をして、今のあやつが何を考え、 何を思っているのか……

グラデンス
それらを知ることができればと思っての……

レダ
その口ぶりからすると、ラナスのことを 直接知っておられるような感じですが……。

グラデンス
ふむ……そうじゃな……。 古い知り合いじゃ……。

グラデンス
ワシやオーンのかつての同志…… と言っても、いいじゃろうな。

セリア
グラデンス様やオーン様の同志……

セリア
って、まさか!?

グラデンス
ふむ……ラナスはかつて召喚院に 所属しておったのじゃよ。

レダ
…………!!

グラデンス
フォッフォッフォッ…… 驚くのも無理はない。

グラデンス
奴が召喚院に所属していたのは、 はるか昔のこと……

グラデンス
まだ組織が今ほど大きくなかった頃……。 グリフらがいた時分の話じゃからな。

レダ
グリフ……!!

セリア
グリフって、欠番になっている 第四魔神討伐隊の隊長で、

セリア
私たちよりも遥か前に、 イシュグリアに行っていた人のことよね?

セリア
そんな昔に……。

グラデンス
……………。

グラデンス
ま、過去がどうあれ、今のあやつが ワシら召喚院の敵であることには変わりない

グラデンス
お主らは余計なことなど、考えんでもいい。

レダ
あの実は、先程まで私たちはアベル機関…… ラナスの部下たちと一緒におりまして……。

グラデンス
フォッ!なんじゃと!?

グラデンス
ふーむ…… なるほどのう。

グラデンス
アベル機関の部下たちか……。

グラデンス
それにその者たちだけでも厄介なのに、 さらに強力な魔動人形までおるとは……。

グラデンス
しかも封神儀が、 この世界そのものとはのう……。

レダ
封神儀については、 私の推測に過ぎませんが……。

グラデンス
いや、お主がそう考えるならば、 おおよそは当たっているであろう。

グラデンス
ふむ、どうやら悠長に構えているわけには いかぬようじゃな……。

グラデンス
ワシもお主らに同行しよう。 ちいとばかし急ぐぞ!

セリア
はい!