ルジーナ
今の異界での状況を知りつつ、 呑気に図書館で読書とは、

ルジーナ
結構な御身分だな、ウォーロンさんよ。

ウォーロン
…………。

ウォーロン
第二十三魔神討伐隊…… “スカイガーデン”隊長、ルジーナか……。

ウォーロン
いや、今は対異界調査対策室の室長だったか

ウォーロン
グラデンスやオーンなどではなく、 まさかお前が、私を尋ねてくるとはな。

ルジーナ
その顔だと、俺が来ることは予想外でも、

ルジーナ
誰かしら尋ねてくることは 予期してたみたいだな。

ルジーナ
なら、俺が聞きたいことは 分かってるはずだ。

ウォーロン
アベル機関の動向か……。

ルジーナ
連邦に太いパイプを持つ アンタなら知ってるはずだ。

ルジーナ
奴らの目的をな。

ウォーロン
…………。

ルジーナ
封神儀に関して、奴らの狙いが 俺たちとは違う……というのは分かっている

ルジーナ
だが、奴らとて召喚の力を失うことや、

ルジーナ
この世界の崩壊を 望んでいるわけじゃねーだろう……。

ルジーナ
特にベルツの奴なんかは、自殺願望を 持ってるようなタマじゃねーしな。

ウォーロン
連邦の上級外交官…… “クローザー”のベルツか……。

ウォーロン
あの者はアベル機関に所属してはいるものの 連邦政府から遣わされている立場。

ウォーロン
その思惑はアベル機関……ラナスのそれとは また別なところにあるようだ。

ウォーロン
ラナスらも当然それに気づいておるから、 互いに信頼関係はないも同然。

ルジーナ
…………。

ウォーロン
お前の感じている通り、ラナスの狙いは 我々とは違う。

ウォーロン
おそらくは……逆のものだ。

ルジーナ
逆……?

ルジーナ
汚染された封神儀をそのままにしておく ……ということか?

ウォーロン
具体的にどう動くつもりなのかまでは、 まだわからん……。

ウォーロン
奴らが何を知り得ていて、 どういう切り札を持っているかもな……。

ルジーナ
チッ……仕方ねぇ。

ルジーナ
やっぱりあいつに会って、 腹を割って話すしかないってことか……。

セリア
遅いわよ、Shou-chan!!

セリア
フフ……どうやら、私がいきなり現れたんで 驚いているみたいね。

セリア
封神儀の調査に加わるよう、 グラデンス様から要請があったのよ。

セリア
ティリスの支援が、アンタだけじゃ あまりに頼りないからってね。

セリア
ちなみに、カルもこことは違う世界の調査に 行ってるみたいよ。

セリア
で、この世界だけど……どうやら私たちとは 大きく異なる文化形態のところみたいね……

セリア
ええと、リムによると、 「凰刃那原」という名前の世界らしいわ。

セリア
おうばなはら、と読むのかしら。

セリア
こういった世界を、 2つも巡って来たってことは、

セリア
どうやらアンタも それなりに苦労していたみたいね。

セリア
てっきり、 海で遊んでいただけかと思っていたわ……。

セリア
そういやアンタは、イシュグリアまで 召喚術に頼った戦い方をしていたわよね。

セリア
なんだったら、私が直々に戦い方を 指導してあげてもいいわよ♪

セリア
さて、冗談はこれくらいにして、 さっさと行くわよ!

セリア
どこにって、 ティリスのところに決まってるでしょ。

セリア
この先で待ってるのよ。

セリア
グズグズしてないで、さっさと来なさい!