巨大な大きな何か
グォォオオオォォォオォオ………!!

セリア
ハァ……ハァ……

セリア
やっぱり亡霊の類じゃないみたいね!

セリア
攻撃を当てるごとに、 部品のようなものがこぼれ落ちてきたし。

ティリス
セリア、 ちょっと意地になって戦ってたよね。

セリア
ま、まあね……。

カゲヌイ
……どうやら 目的の相手は倒せたようだな。

セリア
アンタ、一体どこに行ってたのよ!!

カゲヌイ
遊んでいた訳ではない……。 この寺のことを調べていたのだ。

カゲヌイ
今となっては見る影もないが、この寺は かつて武門の誉れ高き寺院だったそうだ。

カゲヌイ
その中でも、ある僧兵は自ら特殊な武具を 開発し、愛用していたのだが、

カゲヌイ
資料によると、その僧兵は武具以外にも、 様々な“からくり”を作っていたらしい。

カゲヌイ
それが今回の一件と何か関係が あるのでは……と睨んでいたのだが、

カゲヌイ
どうやら、案の定だったようだな。

セリア
そういう情報は、 もっと早く調べておきなさいよ!!

ティリス
じゃあ、濡れ衣を着せられた少女の話とかは まったくの嘘だったんだね。

カゲヌイ
濡れ衣を着せられた少女の話?

カゲヌイ
ああ、例の香炉を盗んだ疑いをかけられ、 自ら命を絶ったという少女のことか。

セリア
え、あの話って本当なの?

カゲヌイ
……いや、有名な作り話だ。 出処もハッキリしている。

カゲヌイ
大昔のイタズラ好きの姫君が、 作ったと言われる話で、

カゲヌイ
自らの死に際し、流布したものらしい。

ティリス
なーんだ。

カゲヌイ
確か、その姫君を弔ったのはこの寺で、 墓もこの近くにあるはずだが……。

セリア
やっぱり怖い話になるんじゃないの!!

セリア
ああもう、さっさと城に戻りましょ!

セリア
目的は果たしたし、こんなところに 長居したくないわ!!

ティリス
あ、待ってよ、セリア!!

カゲヌイ
…………。

サクノシン
う、う~ん……。

サクノシン
ここは……?

サクノシン
そうか、拙者は気絶して……。

クスクスクス……。

アハハハ………。

サクノシン
なんだ…… 今聞こえたのは……?

サクノシン
女の子の……声?

サクノシン
だが、周囲には拙者以外、 誰もいないはず……。

サクノシン
なんだか寒気も……。

サクノシン
セ、セリア師匠!Shou-chan殿!! どこにおられるのですか!?

サクノシン
置いて行かないでくだされーーー!!