カゲヌイ
ならば…… ここはひとまず、退かせてもらう……。
スズネ
ゲンバはどうして 謀反など起こしたのですか!?
カゲヌイ
……知りたければ、 ゲンバ様に直接聞くことだ。
セリア
逃走用にこんなものまで用意しているとは、 なかなか油断ならないわね。
先程手合わせして頂いた時から、 只者ではないと思っておりましたが
サクノシン
まさかゲンバ直属のシノビを 退けるとは……。
サクノシン
拙者、今のセリア師匠の戦いを見ていて その強さにあらためて感服いたしました!
セリア
い、いや、たしかに私は アンタなんかよりずっと強いけど、
セリア
私自身、修行中というか、 修行を仮で終えたばかりだし……。
セリア
…………。 さすがにこんなパターンは初めてだわ……。
ティリス
だったら、“この世界にいる間だけ”って、 条件を付けるとか。
サクノシン
おお、弟子にして下さいますか!! ありがとうござます!!
サクノシン
早く兄弟子のShou-chan殿や ティリス殿に追いつけるよう、
ティリス
……私たち、セリアの弟子になっちゃったよ
サクノシン
セリア師匠たちに、我々へのご助力を お願いしてはどうでしょうか?
サクノシン
残念ながら、拙者では姫様の身を守るのは、 実力不足……。
サクノシン
もし姫様がゲンバのもとに 向かうつもりなのでしたら、
サクノシン
師匠たちの助力を仰ぐのが一番かと思います
セリア
そうね。 とりあえず、事情を話してくれないかしら?
セリア
ここまで関わった以上、 今後、私たちがこの世界を探索する間、
セリア
あの黒ずくめの男に狙われることは、 確定でしょうからね。
ティリス
さっきから会話の中で 頻繁に出てきているけど……。
スズネ
この国のこと、 そして私たちのことをお話ししましょう。
スズネ
ゲンバというのは、 今この国を支配している者の名前……。
スズネ
すでにお察しになっているかもしれませんが 私はこの国を治めていた者……
スズネ
と言っても、つい1年ほど前に、 亡き父の跡を継いだだけで、
スズネ
民のために何かできたわけでは ありませんでしたが……。
サクノシン
姫様が民のために、日々心を砕き、 政策を考えておられたことは、
サクノシン
このサクノシンをはじめ、 心ある家臣の者たちは、皆知っております!
セリア
で、現在はそのゲンバってやつがこの国を 支配しているってことは、
サクノシン
ゲンバの奴は、卑怯にも姫様が所用で 辺境地域へ赴いていた隙を狙い、城を占領。
サクノシン
そのまま、要衝を抑えてこの国を支配下に 収めてしまったのです!
スズネ
ゲンバの手の者の監視の目が厳しいため、 なかなか城に近づくことは難しく
スズネ
なんとか碧陽の竹道に辿り着いたのですが、 そこで襲われてしまい……
スズネ
私は自分が至らない主君であることは 重々承知しています。
スズネ
ゲンバが民を苦しめているならば もちろん許すわけにはいきませんが、
スズネ
逆に、もしゲンバが治めることで、 この国の民が幸せになるのであれば、
スズネ
ただ、やはり私は、ゲンバの口から、 なぜ謀反を起こしたのか……
スズネ
ゲンバと対等な立場で それを聞くことが叶わなくなると思い、
スズネ
恥ずかしながら、 逃げ回りつつ、城に向かっていた次第です。
セリア
どうせ、あんたのことだから、 スズネを助けたいっていうんでしょ?
セリア
分かってる。 私だって忘れているわけじゃないわ。
セリア
でも、スズネたちを見捨ててはいけない、 という思いは、私も同じだから。
セリア
コ、コラ! この程度のことで、抱きつかないでよ!
スズネ
もちろん、 ご助力頂けるのは有り難いのですが、
スズネ
あなた方には、あなた方の使命が あるのではないかと……。
セリア
さっきも言ったけど、私たち自身の目的を 疎かにする気はないわ。
セリア
あなたが、そのゲンバってやつを 打倒するなり、和解するなりした暁には、
セリア
国を挙げて、 私たちの封神儀探しに協力する……。
セリア
もしかしたら、そっちの方が早く見つかる んじゃないかとも思っているんだけど。
スズネ
必ずや……と、お約束できる立場では 現状ありませんが、
スズネ
私にできることであれば、あなた方の ご厚意に報いることを、お約束します。
サクノシン
ゲンバをおそらく 居城の中の千畳御殿に居るはずです。
サクノシン
ですので、まずは城を目指して進みましょう!
セリア
スズネに“取り引き”を持ちかけたの、 私っぽくなかったって言いたんでしょ。
セリア
これまで、ああいうのはパリスの 役回りだったのかもね。
セリア
でもまあ、ああでも言わないとスズネは、 私たちの協力を断りかねなかったから。
セリア
アンタみたいなノロマ、グズグズしていたら ティリスたちに置いて行かれるわよ!
セリア
確かに昔の私…… ティリスたちと旅をする前の私だったら、
セリア
あんな“取り引き”を 持ち出すこともなければ、
セリア
そもそも、スズネたちよりも、 任務を優先しちゃってたかもしれないわね。