リアナ
あそこにいるのは……!!

ティリス
ん、どうしたの…?

リアナ
姉さん!

ルチアナ
…………!

ルチアナ
リアナじゃない!

リアナ
やっと追いつけた……。

リアナ
………! 姉さん、少し怪我をしてるんじゃ…!?

ルチアナ
ええ、ちょっと戦闘になってね……。 でもこんなのかすり傷よ。

ルチアナ
それより、嬉しいわ。

ルチアナ
ここに来たってことは、私と一緒に 神狼と戦ってくれる気になったのね?

リアナ
ごめんなさい……。 そうじゃないの姉さん……。

ルチアナ
え?

リアナ
私は姉さんを止めに来たの!

リアナ
神狼様を倒そうだなんて、 バカなことは考えないで!

リアナ
神狼様やその眷属たちとは、 これまで上手くやってきたじゃない!

ルチアナ
………まだそんなことを言っているの!?

ルチアナ
襲ってきたのは向こうじゃない!

ルチアナ
このままでは、そのうち住民たちに 大きな被害がでるわ。

ルチアナ
なんでそれが分からないのよ!!

ティリス
ちょ、ちょっと待って!

ティリス
2人とも、いきなり喧嘩腰で 話すのはやめようよ!

ルチアナ
あなた……誰?

ルチアナ
どうやらリアナと一緒に 私を追ってきたみたいだけど…。

リアナ
姉さん…… この方は違う世界……

リアナ
あのグランガイアから やって来られた女神様なの……。

ルチアナ
え……!

ルチアナ
グランガイアからやって来た女神って…… 何をバカな……?

リアナ
信じられないかもしれないけれど、

リアナ
この状況で私が姉さんに そんな嘘を言ってもしかたがないわ……。

ルチアナ
…………。

ルチアナ
確かにこんな人、 これまで見かけたことがないし、

ルチアナ
私たち以外で、この世界に人間が 生息していることは考えにくい……。

ルチアナ
……本当……なの?

ティリス
うん!

ティリス
私はグランガイアから来た プリチーな女神ティリスだよ。

ティリス
よろしくね!

ルチアナ
…………。

ルチアナ
…ざ…ないで……。

ティリス
……ん?

ルチアナ
ふざけないで!!

ティリス
…………!

ルチアナ
ただでさえ、神狼たちのことで この世界は危なくなっているのに、

ルチアナ
さらに女神ですって!? いい加減にして!!

ティリス
そ……そんな…… 私はただ……。

レダ
…………。

レダ
どうやら、私たちの存在は 火に油を注いだだけみたいね……。

ティリス
……そ、そうだ!

ティリス
そういえば さっき怪我してるって言ってたよね。

ティリス
私が治してあげるよ!

ルチアナ
触らないで!

ティリス
キャッ……!

レダ
ティリス!?

リアナ
姉さん!なんてことを!!

ルチアナ
………!

ルチアナ
…………。

ティリス
エヘヘヘ…… やだな、ちょっと転んだだけだよ!

ティリス
みんな、大げさだよ!

ルチアナ
…………。

ルチアナ
フン……!

リアナ
申し訳ありません、ティリス様!

ティリス
リアナが謝ることなんてないよ!

ティリス
それに、そもそも私が勝手に 転んだだけなんだしね。

レダ
まあ、ティリスを拒絶する彼女の気持ちも ちょっとは分かるけどね……。

リアナ
姉さんの……気持ち?

レダ
責任感強そうな感じだったし、

レダ
彼女だって、それなりの覚悟をして 神狼退治に出発したんでしょう。

レダ
その覚悟を鈍らせかねない存在が 突然現れたら、

レダ
そりゃ誰だって とりあえず拒絶するわよ。

リアナ
姉さん………。

リアナ
私は……止めることができるのでしょうか?

リアナ
姉さんの覚悟に比べたら…私なんて……。

ティリス
………大丈夫だよ!

ティリス
私が転んだ時、あの子、 すっごくすまなそうな顔をしていた……。

ティリス
本当はものすごく優しい子なんだって 私には分かっちゃった。

ティリス
だから、リアナのお姉さんを止めたいって 気持ちもちゃんと分かってくれる。

ティリス
諦めずに追いかけなきゃ!

リアナ
そう……ですよね。

リアナ
励まして頂いて、 ありがとうございます。

ティリス
もし万が一、ルチアナを守るため、

ティリス
神狼と戦わなきゃ いけなくなったとしても大丈夫! 

ティリス
Shou-chanだっているし、

ティリス
このスーパープリチーな女神さまにかかれば 神狼だって、イチコロなんだからね♪