ティリス
思っていた以上に しっかりとしたお城みたいだね。
レダ
この世界の気候では、こういった造りが 必要だったのかもしれないわね。
老婆
ただ、ヌシの実力では1人で追いかけるのは 危険じゃと言っておるのだ。
黒髪の少女
でも、このままでは、 姉さんは神狼様に……。
黒髪の少女
それじゃあ、 一体どうすればいいの……?
ティリス
うーん、 なんだか出て行きにくい雰囲気だけど……。
アソコニイルノハ、セイタイテキニ、 オマエタチト、ホボドウシュノソンザイダ。
レダ
幸い言葉は通じるようだし、可能ならば この世界について話を聞きましょ。
ティリス
え、えーと…… なんて言ったらいいんだろう?
レダ
説得力ないかもしれないけど、 怪しい者ではないわ。
レダ
ある目的で、違う世界より この世界の調査にやって来たの。
ティリス
あ、私の場合はグランガイアからって ことになるのかな?
老婆
そうか……では古からの言い伝えは 正しかったのじゃな…。
老婆
グランガイアとは、 ワシらの祖先が生まれたとされる地……。
老婆
そしてワシらの祖先はその地に ある国を築いておった。
レダ
バ、バリウラ帝国……!? あなた方がその末裔だっていうの!?
ティリス
私は女神ティリス。 そしてこっちの2人は……。
ネーレ
ワシの名はネーレ。 こちらは、孫娘のリアナと申します。
リアナ
まさか神狼様以外の神族の方が、 この世界にお越しになられるとは……。
ティリス
た、確かに私は女神だけど、 そんなに気にしなくても……。
ティリス
あ、こっちの2人は、 召喚師のShou-chan、
レダ
バリウラの末裔の方と会えるなんて…… 思ってもみなかったわ……。
ネーレ
あなた方が、バリウラのことを 知っていることの方が驚きですわい…。
ネーレ
ましてや女神様とその従者様たちと お会いできるとは……。
レダ
確かに、私たちの世界でも神と出会うのは そうそうあることじゃないから、
ティリス
レダ、この人たちに昔のバリウラのこととか いろいろ聞いたりしないの?
ティリス
てっきりベクタスの時みたいに、 夢中になってしまうと思ってたんで、
ティリス
私、しばらく待っていようかと 思ってたんだけど。
レダ
調べるのは、 任務が終わった後にするんだから……。
レダ
そ、そんなことより、 気になることを言っていたわね。
レダ
それに私たちが来るまで、 何か言い争っていたように見えたけど……?
ネーレ
…………どうやらお恥ずかしいところを 見せてしまったようですのう……。
ネーレ
ですが、この時期に グランガイアの女神様が現れたのは、
ネーレ
何らかの啓示のようなものなのかも しれません……。
ネーレ
まず、神狼様というのは、 この世界を統治されているお方。
ネーレ
ワシらも含めて、この世界で生きるものは、 あの方の庇護を受けて生活しております。
ネーレ
先ほどリアナは、神狼様のことを、 神族のように言っておりましたが、
ネーレ
正直、あの方がどういう類の存在なのか、 ワシらにはそれすら分かりません……。
ネーレ
多くの眷属を率いておられることは 確かなことですじゃ。
ネーレ
そして、 ワシらはそんな神狼様とその眷属を崇め、
ネーレ
その領域を侵すことなく 永らく暮らしておりました……。
ネーレ
ワシらに害をなすことは、 これまでありませなんだ……。
レダ
これまでは……というと、 それが違ってきたってこと?
ネーレ
ある時期を境に、神狼様はワシらの前に 姿を見せることはなくなり、
ネーレ
それと同時に眷属たちが、 人を襲い始めるようになったのですじゃ。
ネーレ
ルチアナの方は、リアナと比べて 周囲の者を率いる行動力があるのですが、
ネーレ
その反面…何というか、 短慮なところがありましてな……。
ネーレ
また、神狼様を敬う心… 恐れる気持ちも薄いところがありまして、
ネーレ
神狼様の眷属たちが人を襲うことに、 どうやら我慢できなかったようなのですじゃ
ネーレ
眷属たちによる被害は今はまだ小さいが 今後大きくなることは確実だと言いましての
ネーレ
どうやら1人で 神狼様の退治に向かったようなのです。
リアナ
お婆様…やはり私、姉さんを止めたい! お願い、行かせて!
リアナ
確かに私の腕じゃ神狼様の眷属たちと 戦うことはできないかもしれない。
リアナ
でも、上手く逃げまわって 姉様に追いつけば……。
ネーレ
お前が1人で行ったところで、 ルチアナが止まるとは思わん。
レダ
私たちが来た時は、今みたいにリアナさんが ルチアナさんを追いかけようとしていたのを
レダ
ネーレさんが止めていた 真っ最中だったってことね。
ネーレ
恥ずかしながら、 そういうことですじゃ……。
ネーレ
そこで、女神ティリス様…… 無理を承知でお願いがあるのですが、
ネーレ
神狼様のもとへ向かったルチアナを 連れ戻して頂くことはできませんでしょうか
レダ
私たちには、封神儀を探索し、 元に戻すという任務があるはずよ!
ティリス
リアナのお姉さんも追いかけながら、 封神儀のことを探せば問題ないよ!
レダ
そもそも私たち、ルチアナさんの顔、 知らないじゃない。
ネーレ
この世界の道案内として、 リアナを付けますのでな…。
レダ
この世界に不慣れなのは確かだし 道案内が必要なのも確かだわ……。
レダ
それに“神狼様”とやらは、封神儀と 何かしら関係があるかもしれないしね。
レダ
その代わり、私たちがルチアナさんを止める ことに協力する代わりに、
レダ
リアナさんには、私たちの目的に 協力してもらうわよ。
ティリス
うん、それじゃあ、リアナ、 これからよろしくね!
ネーレ
リアナのこと、そしてルチアナのこと、 よろしく頼みましたぞ……。