ルカナ
ハァ……ハァ……。

リード
…………。

ルカナ
ちょっと……待って……。 少し……休みましょう……。

ルカナ
付いてきている人々も疲れてるし…… 少し休まないと……。

リード
…………。

ルカナ
…………。

ルカナ
ねぇ、リード……!

リード
あ、ああ……。

リード
そうだな……少し休んでも……。

エル
悪いが俺たちに、 そんな時間は残されていない。

ルカナ
エル……。

エル
約束の地まであと僅かに迫ったが、 その分、神軍の攻撃は激しさを増してる……

エル
神軍の動向を探ってくれていたライン。

エル
安全な行路に導いてくれたアーネル。

エル
そして、 何度も窮地を救ってくれたナグネス。

エル
仲間は次々と減っている……。

リード
…………。

エル
付いてこられない者は……誰であろうと、 置いていくのもやむを得まい!!

リード
…………!!

リード
今、なんて言った……?

エル
聞こえなかったか?

エル
進行の妨げになる者は置いていくと 言ったんだ!!

リード
オレは……

リード
オレは、ここまで付いてきてくれた全員を 助けたいんだ……!!

エル
この状況でそんなことは不可能だ!!

エル
本気でそう思っているのならば…… お前は指導者にふさわしくない!!

リード
エル……お前……。

エル
どうしても納得できないみたいだな。

エル
なら、ここであの時の決着を 改めてつけるか?

エル
勝った方が今後の方針を決めるっていう 条件付きでな。

リード
…………。

リード
決闘っていうわけか……。 オレたちが出逢った頃みたいだな……。

リード
いいぜ……受けて立ってやる……。

ルカナ
リード……エル……

ルカナ
こんな時に…… もう、やめて……!

リード
…………。

エル
…………。

エル・リード
ハアアアアアアア!!

ルカナ
………えっ?

ルカナ
2人とも互いに背後の敵を……!

エル
……………。 どうやら気が萎えたわけではなさそうだな。

リード
お前……わざと……。

エル
フン…………。 ならば、問題はない。

エル
お前たちは先を急げ。

ルカナ
えっ、エルは……?

エル
先ほど、後方の民衆が神軍の襲撃を受けた。

エル
一度は追い払ったが、あの様子だと 間もなく追撃を仕掛けてくるだろう……。

エル
だから、俺はこれからそれを迎撃するため、 殿を務める。

リード
……そ、そんな報告来てないぞ!!

エル
俺が止めておいたんだ。

エル
お前が聞いたら、 真っ先に飛び出しそうだったからな。

ルカナ
どうしてそんなことを……?

エル
さっきも言ったはずだ。 今は一刻一秒も惜しい……

エル
少数の人間のために、大多数の者たちを 危険にさらすわけにはいかないからな……。

リード
それなら、みんなで行けば……!

エル
いや、お前らの役目は終わっていない!

エル
この先、約束の地に辿り着いたとしても、 おそらくそこは未知の場所だ。

エル
そんな場所で人々が生きていくには…… 希望となる存在が必要だ。

エル
その希望となるのは…… お前たちをおいて他にいない。

リード
そんな役目なら、エルだって……!!

エル
俺じゃダメなんだ!!

リード
えっ……?

エル
俺は希望よりも現実を先に見てしまう……。 人々の希望にはなり難い……。

ルカナ
そんなこと……。

エル
もちろん、俺からすれば お前たちはまだまだ詰めが甘い……。

エル
だが、お前たちのようなまっすぐな人間こそ 民衆に希望をもたらす光となれるんだ。

リード
エル……。

エル
後方の者たちは俺に任せておけ。

エル
お前たちは、 ただ前を見て歩いて行け……!!

ルカナ
…………。

エル
安心しろ、俺だって死に行くわけじゃない。 生きていたら、追いかける……。

リード
……分かった。 民衆の先導は、オレたちに任せておけ。

ルカナ
待ってる……ずっと待ってるから…!!

エル
…………。

エル
リード……俺はお前が羨ましいよ……。