アーネル
これで……!!

ナグネス
ハッ……!!

メア
クッ……。

ナグネス
効いてますよ、アーネル! このまま行けば……!!

アーネル
……………。 何かが……おかしい……。

ナグネス
…………?

メア
フフフ…… ようやく気付いたか。

メア
貴様らを追って押し寄せていた軍勢の気配が 消えていることに……。

アーネル
まさか……!

メア
その通りだ……。

メア
貴様らが私に気を取られている間に、 指示を出しておいたのだ……。

メア
貴様らが守ろうとした者たちのもとへ 再度向かうようにな……!

ナグネス
クッ……そんな……!

ナグネス
私としたことが、 この神徒との戦いに集中し過ぎて、

ナグネス
周囲の変化に 気づかないとは……迂闊でした!!

アーネル
…………。

アーネル
諦めるのは……まだ早いです!

アーネル
ナグネスさん、追って下さい! 今ならまだ……間に合います!

ナグネス
しかし……この神徒は 私たち2人でなければ止められません。

アーネル
いえ…… 僕1人で……大丈夫です!!

メア
1人で私を抑えるだと……?

メア
フフ……何の冗談だ?

メア
それとも、混乱のあまり、 頭でもおかしくなったのか……?

アーネル
冗談でも、 おかしくなったのでもない……

アーネル
僕は………本気だよ!!

メア
クッ…… これは……結界だと!?

アーネル
そうさ……これでもうお前は、 僕の結界から1歩も外に出られない……!!

メア
フン……このような結界など……!!

アーネル
……………。

メア
私の攻撃が弾かれただと!?

アーネル
僕が作った結界…… お前の攻撃なんか効かないさ!!

ナグネス
ですが、これほど強い結界、 いきなり代償もなしに作ることは……

ナグネス
……まさか!?

アーネル
…………ええ。

アーネル
この結界は…… 僕の命を削って作っています。

ナグネス
アーネル……君は……。

アーネル
ナグネスさん、神軍を追って下さい……。

アーネル
リードたちのもとへ……民衆たちのもとに 奴らを辿り着かせてはいけない……!!

ナグネス
ですが………。

アーネル
僕の思いを……無駄にしないで下さい!!

ナグネス
………わかりました。

アーネル
僕はあなたから頂いた助言のお陰で…… 強くなれました。

アーネル
………これまでありがとうございました。

ナグネス
君は、私などより もうずっと強い男になっている……。

ナグネス
ずっと前からね……。

アーネル
……………。

ナグネス
……………。

アーネル
クッ………。

メア
どの道、貴様ら人間は 滅びの運命から逃れられん。

メア
神意に逆らい、 無駄に足掻こうとするとは……。

メア
人間とはつくづく愚かな生き物だな……。

アーネル
運命は……決まってなんかいない……。

アーネル
僕だって……仲間を信じて…… こんなに強くなれたんだ……。

アーネル
あ…りが…と……う… みん……な……。

メア
フン……戯言を。

メア
結界は消えたが、追撃するには、 少し時間がかかりすぎたか……。

メア
……まあ、よい。 攻めうる土地はまだまだある……。

ナグネス
ウッ……!

ナグネス
まだだ……!! 彼が残した思い……無駄にはしない!!

ナグネス
ハァッ……!!

ナグネス
これで…… 私たちが引き寄せた神軍は……すべて……

ナグネス
グハァ……!!

ナグネス
これ以上……無理……か……。

ナグネス
だが……後悔はない……。

ナグネス
彼は……成長してくれた……。 私などを越えて……。

ナグネス
ありが……とう……。