グゴオオオオォォォォォ…。

リム
さっすが、先輩! 今回もお見事です~♪

エリーゼ
ハァ……ハァ……。 リムちゃん、大丈夫だった!?

リム
はい、私も先輩も大丈夫です。 あとセラちゃんも…

リム
…………。

セラ
ブラン、大丈夫!? 目を開けて、ブラン!!

セラ
ブラン、お願い…… あなたがいなくなったら、私……。

リム
この子がブラン…!?

リム
……ということは、今までの話は……

エリーゼ
…………。

エリーゼ
セラさん、私に任せてください。

セラ
あ、エリーゼさん……。

エリーゼ
…………。

エリーゼ
…………。

エリーゼ
…………、フゥー……。

ブラン
……ミュー…。

エリーゼ
緊急処置を施しました。 とりあえずは大丈夫だと思います。

セラ
エリーゼさん…。

セラ
ありがとうございます…。 よかった、ブラン…。

ブラン
ミュー…ミュー…。

エリーゼ
ふふっ、この辺りでは見かけない 可愛らしい動物ですね。

エリーゼ
セラさんがここで飼っているんですか?

セラ
この子は……

セラ
この子は……、魔物なんです。

エリーゼ
えっ!?

セラ
…………。

セラ
2週間前、仕事のミスで落ち込んだ私は 1人になりたくて、ここに来ました。

セラ
その時、この子が…ブランが慰めるように 私に寄り添ってくれたんです。

セラ
最初は迷惑だと思っていましたが、 いつの間にか愛着がわき始めて…

セラ
そして、いつしか私はこの場所でブランに 会うことが楽しみになったんです。

セラ
でも、ブランは魔物…。 おそらく、ルスの系統だと思います。

セラ
稀少生物らしく、図書館の本にも 載っていませんでしたが…

セラ
白い綿毛のルスには、人に害をなす成分が 多分に含まれてると風の噂で聞きました。

セラ
だから、人気のないこの場所で 会うことにしていたんです。

エリーゼ
そうだったんですね……。

エリーゼ
でも、この子は怪我をしているし、 なるべく早く看てもらわないと……。

セラ
…そうですね、でもどうしたら…

ブラン
ミュー…ミュー…。

エリーゼ
あっ、私の本が…

エリーゼ
本…… そう言えば、私の本に……

エリーゼ
ちょっと待ってください!

エリーゼ
…………。

エリーゼ
やっぱり……。

エリーゼ
セラさん、この子は魔物とは違います!

エリーゼ
ルスの亜種ではありますが、この子は人体に 影響を与えない生物です。

エリーゼ
ほら、このページを見てください!

セラ
…………。

セラ
確かに……。

セラ
それでは、私の取り越し苦労だったと いうわけですね。

セラ
でも、もうこれで堂々と召喚院の中に 持ち込むことができます…。

エリーゼ
よかったですね、セラさん…。

エリーゼ
いえ、セラちゃん…。

セラ
あ……、はい……。

リム
いや~、セラちゃんの悩みが解決して 良かったです!

リム
だったら、初めからこんな風にコソコソと 付け回さなくてもよかったですね。

セラ
…そういえば、あなた達、なんでコソコソと 私の後を付け回っていたんですか?

リム
あっ……!

リム
そ、それは、セラちゃんの様子がいつもと 違ってたから…

リム
私もエリーゼさんも友達として 心配になって…。

セラ
友達……

セラ
…………。

セラ
…それはストーカーって言うんですよ。

セラ
あまりにもしつこい場合は、 被害者の申し立てにより、加害者を…

リム
あ~、もうごめんなさい~!

セラ
フフッ♪

ブラン
ミューミュー♪

エリーゼ
大丈夫ですよ、リムちゃん!

エリーゼ
私たちは、セラちゃんの隠された 乙女な一面をしっかり握っていますから♪

セラ
…もう、エリーゼさん!

ブラン
ミューミュー♪

リム
よし、じゃあみんなで帰りましょうか!

リム
先輩もお疲れ様でした!

リム
今回もご迷惑おかけしちゃいましたが、 やっぱり頼もしかったです!

リム
また、何か事件があったら お手伝い、よろしくお願いしますね♪