アイリス
ハッ…!!

モーラ
フフ……。

アイリス
ハァッハァッハァッ……。

モーラ
なかなかやりますね…。 ここまでお強いとは、予想外でしたよ。

モーラ
ですが、さすがに疲労の色は 隠せない様子ですね…。

アイリス
そんなことは…ないわ!

アイリス
くらいなさい! カルト・グラオ………

魔獣
グオォォオオォォオオ……!!

アイリス
…な!?

アイリス
グハッ……!

アイリス
な…なぜ……ここに…この魔獣が…?

魔獣
グゴゴゴォォォォォーーーー!!

モーラ
下等な魔獣が…。 私にまで牙をむきますか…?

モーラ
消えなさい……!!

魔獣
グオォォォォゴゴゴォォォ………。

アイリス
グッ……。

モーラ
あの魔獣は獲物が分散しても、 分身体を作って追いかける習性があります。

モーラ
おそらくは、 あなたを追いかけて来たのでしょう…。

アイリス
ウッ………。

モーラ
もはや私の言葉など聞こえていませんか…。

モーラ
どうやらその傷では、 手当も無駄のようですね。

モーラ
あなたの調査、分析能力には 注目していたので、

モーラ
殺すつもりはなかったのですが…… ……残念です。

モーラ
ですが、ここはイシュグリア。

モーラ
魔神、魔獣ひしめくこの地に足を踏み入れた 己の運命として受け入れて下さい。

アイリス
グッ…。

アイリス
こん…な…ところ…で……。 これを……届け…な…け……。

アイリス
ウッ……。

モーラ
何ですか、これは?

モーラ
魔力を帯びた水晶…? いえ、何かの記録機器のようですが…。

モーラ
……………!!

モーラ
どうやらあなたは、私が考えていた以上に 警戒すべき人物だったようですね。

アイリス
…………。

モーラ
事切れましたか…。

モーラ
記憶しておきましょう。

モーラ
一時的にとはいえ、私よりも先にこの世界の 秘密に近づいた者がいたということを…。