ロネッサ
んん? あれは何です? ほらアリス、あそこに変な小動物がいます!

ロネッサ
あー、逃げた!? こらー、待て待てですー!

アリス
ロネッサ、勝手な行動は……

アリス
……行ってしまった。

アリス
仕方ない…… 私も、後を追うしかなさそうね。

ロネッサ
あれー、おかしいですねー? こっちに逃げたはずなんですが……。

ロネッサ
ねぇ、アリスもそう思いますよね?

ロネッサ
って、あれっ?

ロネッサ
んー、アリスは何処ですか?

ロネッサ
こ、これは……!

ロネッサ
どうやら、アリスは迷子になってしまった ようですね! うー、困った人です!

???
あははっ、面白い人ー。 こーんな自由な人、初めて見たわ。

ロネッサ
えーと、この声は……?

謎の少女
こんにちは、異世界から来た娘さん♪

ロネッサ
あっ、どーもですー! ……って、あなたは誰ですか?

謎の少女
うふふっ…… さぁ? 誰だと思う?

ロネッサ
うー、いきなりクイズですかー。

ロネッサ
んー、そうですねー。ちょっとアリスに似て いますから……ひょっとして、妹さん?

謎の少女
ぶっぶー、不正解っ♪

第六皇女
正解は、アリスの腹違いのお姉さんよ♪ 私は第六皇女で、あの子は第八皇女だもの♪

ロネッサ
うわー、惜しかったですねー。

ロネッサ
んー? でも、アリスのお姉さんが、 どうしてここにいるんです?

第六皇女
お父様の命令で、アリスを監視していたの。 それが、私のお仕事なんだ。

ロネッサ
うーん、監視とは…… なかなか、穏やかならぬ話ですねー。

第六皇女
ふふっ、確かにそうかも。

第六皇女
でも、本当はそれだけじゃないんだよ? 私ね、叔父様にもこっそり教えちゃうの。

ロネッサ
叔父様……?

第六皇女
そう、お父様の弟のクロム叔父様っ♪

第六皇女
カッコ良くて、強くて、優しくて、 皇女全員の、お兄様みたいな人なんだー。

第六皇女
私が、アリスとエルザのことを教えるとね、 叔父様は、頭を撫でてくださるの。

ロネッサ
へー、良い方なんですねー! 私も昔、お姉ちゃんに撫でてもらったなー!

第六皇女
ふふっ、やっぱりわかってもらえた♪

第六皇女
私、アリスを監視しながら、 あなたのことも、ずーっと見ていたの。

第六皇女
あなたは、私とよく似ているわ。 だから、あなたとお話がしたかったんだ。

ロネッサ
それは、光栄ですねー。

ロネッサ
でも、いいんですか? 私なんかに話してしまって?

第六皇女
うん、もちろん♪ だってあなた、異世界の住人だもの♪

第六皇女
そのうち、元の世界に帰ると思うし、 だったら何の問題もないわ。

第六皇女
あ、でも、アリスには内緒にしてね? もし話したら、殺しちゃうから♪

ロネッサ
うー、意外に危険人物ですねー。

ロネッサ
けど、了解です。

ロネッサ
何だか事情がありそうですし、 アリスには秘密にしてあげます。

第六皇女
ふふっ、ありがとう♪ じゃあ特別に、もう1つ教えてあげる。

第六皇女
研究所跡にある魔具を調べてみて。 きっと、帰る手掛かりがあるはずだから。

第六皇女
じゃあね、バイバイ! 私との約束、絶対に忘れないでねっ♪

ロネッサ
うーん、不思議な少女でしたねー。

ロネッサ
それにしても魔具って、いったい……?

……ガサガサ。

アリス
……ロネッサ、ここにいたのね。

ロネッサ
おや、アリスじゃないですか?

ロネッサ
もー、何処に行っていたんです? 迷子はダメですよー!

アリス
ロネッサ……。

アリス
それはたぶん、私の台詞よ。