エルザ
アリスは今、どの辺なのかしら……?

エルザ
研究所跡まで、あと少し…… 私が、先に着ければいいのだけど……。

アーサー
焦りは禁物だよ、エルザ。 大丈夫、ボクたちはきっと間に合うさ。

エルザ
ありがとう。 でも、やっぱり急がなければ。

エルザ
たとえ間に合ったとしても、あの子と 鉢合わせてしまっては意味がない。

エルザ
私の存在を、あの子に気付かせては いけないの……。

アーサー
それも皇帝の命令なの?

エルザ
ええ、そうよ……。

エルザ
だけど私も、そうした方がいいと思ってる。

エルザ
実の姉である私の事を知ったら、 あの子はきっと、今以上に悩んでしまう。

エルザ
あの子は本当に優しい子だから……。

エルザ
だから私は、あの子の影となって いつまでも守り続けようと、そう決めたの。

アーサー
エルザ、キミは本当に妹さんを 愛しているんだね。

アーサー
けどさ、また余計なことを言うようだけど、

アーサー
妹さんは、キミのようなお姉さんが 側にいた方が、幸せになれるんじゃないか?

アーサー
だって、妹さんの孤独を癒せるのは、 キミしかいないんだから。

エルザ
それは……だけど…………。

アーサー
ごめん、困らせてしまったね。

アーサー
でも、願いを捨ててはいけないんだ。 人はそんな風には生きられない。

アーサー
妹さんも、そしてキミもね。

エルザ
…………。