うーん、いきなり魔物に襲われるとは。 この世界って、なかなか物騒なんですね。
ロネッサ
ん? 何ですか、アリス? 私の顔をじーっと見たりして?
アリス
あなたも、鎌が武器なのね……。 私と同じように……。
ロネッサ
この鎌は、愛しのお姉ちゃんから もらったものなんです!
ロネッサ
そして、この鎌で最強なお姉ちゃんを 倒すのが、私の目標なんですよ!
ロネッサ
はい! 強過ぎる相手を愛するには、 妹も強くならないといけないんです!
ロネッサ
んー、そうですかー? 全然そんな事はないと思いますがー?
ロネッサ
ところでアリスの方こそ、 どうして鎌を武器にしているんです?
アリス
この鎌は…… お父様に与えられたものだから……。
アリス
私が強くなったのも、お父様のため……。 お父様が、そう望んだから……。
ロネッサ
へー、じゃあアリスもお父様を 愛しているんですねー!
アリス
私の中には人の感情なんて、 もう、ほとんど残っていないから……。
アリス
でも、不思議……私、初めてよ。 誰かと、こんな風に話をするなんて……。
ロネッサ
え? そうなんですか? うーん、似たもの同士だからかなー?
ロネッサ
あ、ということは、 私たち、良いコンビになれるかもですね!
アリス
だけど、何かしら…… あなたと話していると、少し懐かしい……。
アリス
へ……平気よ……。 それより、早く任務を終わらせないと……。
ロネッサ
あ、わかった! じゃあ私が、アリスに 協力してあげます!
アリス
…………? そんなことをして、あなたに何の得が……?
ロネッサ
え? ちゃんとありますよ? 私、アリスを助けられるじゃないですか?
アリス
言ってる意味がわからないわ。 それだと結局、私しか得をしていない。
ロネッサ
もし無事に任務が終えられたら、その後で 今度はアリスが、私に協力してください!
ロネッサ
お姉ちゃんを倒すためにも、私、元の世界に 戻らなきゃいけないんです!
ロネッサ
どうです? これならOKですよね? “ぎぶ・あんど・ていく”って感じです!
ロネッサ
じゃあ、行きましょう。 目的地まで、まだ距離があるみたいだから。