メロード
グッ……。 バ、バカな…。

メロード
神徒たる我が力を…… 人間ごときが凌駕するというのか……。

ファダル
くらえ!! マグナ・アルカ!!

クェイド
これで…終わりだ! 六聖天絶!!

メロード
グハッ……!

メロード
そ…そんな……。

メロード
主からの使命も果たせずに……。 私はこんな異界で…朽ちるのか……。

メロード
しかも、たかだか人間によって、 滅ぼされるというのか……!?

メロード
いや、こんな所で終われん……。

メロード
私は…私は必ず生き延びてみせる……。

メロード
必ずな!

グオオオォォォォォオォォ……!!

クレア
ハァハァ……。

ディアナ
…………。

クルト
……倒した…のか?

イヴリス
今は気配も魔力も完全に消えてます。 でも……。

ファダル
ああ、最後に微かだが どこかに移動した気配がした。

ファダル
逃げた可能性も否めない……。

ディアナ
でも、あの傷ではすぐには動けないはず。 当面の危機は去ったと思っていいわよね?

ファダル
ああ、それは間違いない。

ディアナ
それにしても、 あれは何者だったのかしら?

ファダル
わからん。

ファダル
だが、あいつの言っていたことに おそらく嘘は無いのだろう。

ファダル
俺たちの敵ではあったが 邪悪な存在とは思えない神々しさがあった。

ディアナ
でもだとしたら、カルナ・マスタ様が 危険なんじゃ!?

ディアナ
急いで戻らないと!

ディアナ
ファダル、任務後にグランガイアに戻る 手はずはどうなっていたの?

ファダル
この地に降りてきた場所に行けば

ファダル
カルナ・マスタ様に仕える方が 迎えに来てくださるとのことだった。

ファダル
別働隊と合流次第、そこへ向かうとしよう。

???
残念ながらその場所に行っても 迎えは来ませんよ。

クルト
……何者だ!!

グレアム
お初にお目にかかります。 私、魔神グレアムと申します……。

クレア
魔神…だと!?

ファダル
この気配…… お前はまさか別働隊が向かった先の……。

ファダル
貴様! 別働隊の兵士たちはどうした!

グレアム
ご安心ください。

グレアム
彼らなら無事に私という試練を乗り越えて 今頃こちらに向かっている最中でしょう。

グレアム
しかし、どうやらメロードさんは 倒されてしまったようですね。

グレアム
さすがは、グランガイアの中でも精鋭揃いの メイリスさんたち…というべきでしょうか。

クェイド
俺たちの迎えがこないとはどういうことだ?

クルト
どうせウソだ! 魔神なんかの言葉に耳を貸すな!

グレアム
信じるか信じないかは 皆さんにお任せしますよ。

グレアム
ただ、その場所に行っても誰もいませんよ。

グレアム
今頃カルナ・マスタ周辺は、大神皇様を 狙う者たちへの対応で大忙しでしょうから、

グレアム
あなたたちのような人間の相手など やってる場合ではないのですよ。

クレア
ファダル、あなたはどう思う?

ファダル
確かにその状況はありえる。

ファダル
だが、グレアムとか言ったな。

ファダル
では、貴様はなぜそれを俺たちに 教えに来た?

ファダル
貴様はラグルヴォードに与する存在と 俺は読んでいたんだがな。

グレアム
ええ、そうですよ。 私はラグルヴォード様の手下でした。

グレアム
アイツに従っていればグランガイアに 行けると思っていたんですが

グレアム
あなたたちという思わぬ邪魔が 入ってしまいましてね。

クルト
ボクたちと戦おうっていうのか! だったら……。

グレアム
誤解しないでください。

グレアム
私の目的はあくまでグランガイアに 行くこと。

グレアム
あなたたちを倒してもその目的は 果たせませんから戦うつもりはありません。

クレア
だったら何をしに来たの……。

グレアム
嫌がらせですよ。 私の目的を邪魔したあなたたちに対してね。

グレアム
本当はメロードさんをうまく利用して グランガイアに行こうとしたのですが

グレアム
あなたたちが倒してしまいましたから。

グレアム
まったく神徒のクセに情けない方ですね。

グレアム
まあそれで私はせめて、 グランガイアに戻れず

グレアム
絶望するあなたたちの顔でも 拝見させていただこうと思いましてね。

イヴリス
趣味悪いです……。

グレアム
そう言っていただけて光栄です。

グレアム
さて、その趣味の悪い私からの質問です。

グレアム
今回、あなたたちは神々にも様々な 考えを持つ存在があることを知った。

グレアム
もし、神があなたがた人間を 滅ぼすことを決めたとしたら、

グレアム
あなたたち神に仕える方々は どうするのです?

グレアム
神意に従い滅びを受け入れますか?

グレアム
それとも、神に叛きますか?

クルト
神が人を滅ぼすことなどあるか! こんな質問に答える必要なんかない!

グレアム
思考の放棄。 やはりあなたたちはゴミ虫なのですね。

クェイド
いや、そんなことは 考えるまでもないということさ。

グレアム
え?

クェイド
そんな時が来たら、俺たちは 神側、人間側のどちらにも付かない。

クェイド
俺たちは神と人間を和解させるため、 最後まで動くだけだ。

グレアム
…………。

グレアム
なるほど……。 私がもっとも嫌いな回答ですね。

グレアム
だが、確かにあなたらしい。 メイリスの中心であるあなたの答えらしい。

グレアム
どうやら私はあなたのこと嫌いのようです。

クェイド
…………。

グレアム
ああ、気にしないでください。

グレアム
私はもうあなたたちに何かしたりは しませんから。

グレアム
では、私はこれで失礼します。

グレアム
あなたたちがこの後この地でどう生きるのか ゆっくり楽しませてもらいますよ。

グレアム
クックックックックッ……。

クルト
…………。 何だったんだ…今の?

イヴリス
随分と変わった魔神でしたね……。

ディアナ
……魔神のことなんか 考えても仕方がないわよ。

ディアナ
戦いだけを求めているような ヤツだっていたんだから……。

クレア
ええ、そうね……。 そんなことより、これからどうするの?

クレア
依然として、ここが危険な場所だって ことは変わらないわ。

クレア
無計画に行動するわけにもいかないし。

ファダル
そうだな……。

ファダル
まずは別働隊が合流するのを待とう。 その後、当初の予定通り、最初の地に戻る。

ファダル
もしあの魔神が言うように そこに迎えがいないのなら

ファダル
独力でグランガイアに戻る方法を 探すしかないか……。

イヴリス
そんな方法みつかるんでしょうか?

ファダル
どうだろうな……。

クレア
…………。

クルト
…………。

クェイド
問題ないよ。

ディアナ
え?

クェイド
どんな困難に遭遇したって、 どんな強敵と戦っても大丈夫さ。

クェイド
今、俺たちは6人が揃っているんだ。

クェイド
大神皇神衛使メイリスの6人がね!

クルト
ハアー、なんでお前は そんなにお気楽なんだよ!

クルト
どうして姉さんはこんなヤツのことが……。

クレア
クルト、何か言った?

クルト
な、なんでもないよ!

イヴリス
そうですよね。

イヴリス
クルトくんはお姉さんが大好きって 言っただけですよね♪

クルト
そんなことは言ってない!

イヴリス
え、クレアさんのこと 嫌いなんですか!?

クルト
イヴリスー!

クレア
ハアー、危機感が無いわね……。

クレア
あなたたちもクェイドのこと 言えないじゃない……。

ディアナ
フフッ、それでいいと思うな。

ディアナ
やっぱりみんな揃うと 安心できるものね。

ディアナ
だからクレア……。

ディアナ
あの話は聞かなかったことにしよう。

ディアナ
それで今度こそちゃんと競争しない?

クレア
え!?

クレア
…………。

クレア
ええ、そうね。 私も今度は譲るつもりはないわ。

クレア
グランガイアに戻ったら しっかりアイツを困らせてあげましょう。

クェイド
クレア、ディアナ、2人とも コソコソ話してどうしたんだ?

ディアナ・クレア
なんでもないわ!

クェイド
んー、なあファダル、 あの2人どうしたんだろうな?

ファダル
さあな……。

ファダル
俺はもう知らん……。

ファダル
それより、クェイド、 向こうから兵士たちが戻ってきてるぞ。

ファダル
こっちからも合流に向かおう。

クェイド
ああ、そうだな!

クェイド
よーし、大神皇神衛使メイリス! グランガイアに向けて出発だー!

リント
なるほどね。 こういう結末もあり得たというわけか。

ノエル
ああ。

ノエル
そもそもメイリスのイシュグリア遠征自体、 他の神々の謀略の疑いもある。

ノエル
そういった謀略に打ち勝つには、

ノエル
それを上回る知略か… もしくは直感だと思ったからね。

リント
とすると、この結末に至った第一の功労者は やっぱりクェイドになるのかな?

ノエル
うーん……。 難しい質問だね……。

リント
ところで……キミはボクに 何か言うことがあるんじゃないのかい?

ノエル
…………。 悪かったよ。

ノエル
システムを個人的に操作したのは 確かにいいやり方じゃなかった。

ノエル
反省してるよ……。

リント
…………。

リント
ボクとしては、なぜキミがあの魔神に あの質問をさせたのか、

リント
その理由にも興味があるけどね。

ノエル
それは…… 知りたかったんだよ……。

ノエル
彼らメイリスが、 どういう存在なのかを。

ノエル
神々と人間の大戦では、人間でありながら 神の側に付いた者たちも少なくない。

ノエル
メイリスたちも、そういった者たちと 同じなのか確かめたかったんだ。

リント
……それで満足する回答は得られたかい?

ノエル
よくわからないな……。

ノエル
ただ…… 彼らしい回答だとは思ったよ。

ノエル
メイリスらしい答えだとね。