俺はグランガイアの状況が気になるな。

グランガイアには お前たちが戻るということか？

ああ、だが俺たちだけじゃなくて 全員で戻った方が良いと思ってる。

バカな！

魔神ラグルヴォード討伐の任務は どうするんだ！

グランガイアの状況を確認後、 あらためて討伐に向かえばいいと思う。

実際、この地に来てみて感じたんだけど そこまで緊急には感じていないんだ。

確かに魔神は危険な存在なのは認識できた。

でも、ラグルヴォードが何か動いている 様子は無かっただろう？

確かにそうかもしれないが……。

だが、任務は任務だ！ 放棄などできるか！

クルトは真面目だからな。

なんだと！？

クルト、落ち着いて。

クェイド、あなたはなぜそこまで グランガイアの状況が気になるの？

確かに神の使いからの言葉は気になる。

だけど、それこそ緊急なことなの？

例えどんな相手が狙っていようとも、

カルナ・マスタ様が簡単に害されるとは とても思えないわ。

ああ、クレアの言う通りだ。 だが、逆に俺はそこに違和感を感じるんだ。

違和感か……。

お前の言うこともわかる。 だがそれでもやはり任務の放棄はできない。

ああ、ファダルなら そう言うだろうと思ったよ。

だからファダルたちは こっちに残っていてくれ。

だが、魔神ラグルヴォードの動きを 止めておくだけでいい。

どういうこと？

俺たちは急いでグランガイアに戻って 様子を見てくる。

その後、すぐにこの地に戻ってくるから 合流後に魔神ラグルヴォードに向かおう。

ボクたちだけでは不安ということか！

いや、そういうことじゃない。 むしろクルトたちを信用しているんだ。

俺が残ってたらクルトたちが戻ってくるのを 待たずに魔神に向かっちゃいそうだからな。

…………。

でも…だったら私も残りたいかも……。

ハハハッ、 イヴリスならそう言うと思ったよ。

でも、今回は俺と一緒に来てくれ。 大丈夫、すぐにこっちに戻ってこれるよ。

その方がいい。

イヴリスはこっちにいると 気が抜けていて危ないからな。

クレアさーん！ クルトくんがいじわるしますー！

姉さんに泣きつくな！

まあいい。

クェイド、お前の考えはわかった。 お前の作戦で進めよう。

だが、俺たちもこの地でボーっとしている わけいにはいかない。

魔神ラグルヴォードの動向を探るため 奴がいそうな場所には向かわせてもらう。

ああ、ファダルだったら俺と違って 無理はしないだろう。

お前たちも決して無茶はするな。

お前が神の使いの言葉に感じているのは 違和感だけではないんだろう？

より危険を感じる方に向かうのは お前の悪いクセだからな。

ハハハッ、 やっぱりファダルには敵わないな。

大丈夫、俺の方にはディアナもいるんだぜ。 俺の無茶はしっかり止めてくれるさ。

なあ、ディアナ！ 頼りにしてるぜ。

な、そ、そんなこと言われても……。 わ、私は！

…………。

クェイドさん、酷いです！ 私も一緒に行くんですよ！！

ああ、もちろんイヴリスも頼りにしてるよ。

ハァー、もういい。

ディアナ、イヴリス、 クェイドのことをよろしく頼む。

え、ええ……。

任せてください！

グランガイアに戻ったら またおどおどするんじゃないのか？

ううう～～～……。

あ、クルトくんはもしかして、 私と離ればなれになるのが寂しいんですか？

バカなことを言うな！！

もう…あなたたちはまったく……。 仲が良いんだか、悪いんだか……。

クルト、話が長くなるから 少し黙っていて……。

ね、姉さん、ボクは！

ファダル、方針は決まったわ。 話を進めて。

ああ、そうだな。 では、そろそろ出発するとしよう。

どちらに向かうにしろ、 お互いに決して無茶はしないでくれ。

そうね……。

…………。

ファダル、クレア、クルト。

当たり前だけど、 「さよなら」なんて言わないよ。

僕たちは、グランガイアに帰還したら、 すぐにカルナ・マスタ様の状況を確認する。

そして、安全が確認できたら 再びこのイシュグリアに必ず戻ってくる。

だからそれまで無事でいてくれ。

フン、お前に心配されるまでもない。

お前たちが戻ってくるまでに 俺と姉さんが魔神を倒しておいてやる！

クルト……。

クェイド、安心して。 決して無茶はしないと約束するわ。

ありがとう、クレア。 やっぱりクレアは頼りになるな。

そ、そう……。

クッ、もういい！ お前たちは早く行け！

姉さん、ファダルさん、 ボクたちも早く出発しよう！

そうだな。

クェイド、グランガイアの 報告を待っているぞ。

ああ、すぐに報告しに戻ってくるさ。