リム
ま…待ってください、エリーゼさん。

リム
ハァハァハァッ……。

エリーゼ
何ですか?

エリーゼ
ノアの話だったら……。

リム
そ、そうじゃなくて……。 ハァハァ……。

リム
歩くの…ちょっと速いです……。

セラ
ハァ…ハァ…ハァ……。

エリーゼ
……!

エリーゼ
ご、ごめんなさい!!

エリーゼ
つい、昔と同じ感覚で歩いちゃって……。

エリーゼ
ここら辺で一休みしましょう。

リム
ハァ……ハァ……ハァ……。 フーーー……。

リム
昔と同じ感覚で、って…… エリーゼさん何やってたんですか?

エリーゼ
それは……。

セラ
確か第二十一魔神討伐隊に 所属していたんですよね?

リム
え、エリーゼさんって、 元召喚師さん!?

エリーゼ
え、まあ……。

リム
というか、セラちゃん、 何でそんなこと知ってるの!?

セラ
ここに来る前に、 エリーゼさんの経歴を軽く調べてきたので。

リム
な、何のために!?

セラ
何のため…と言われましても……。

セラ
初対面の人と会う前に、 その方の情報を集めるのは、

セラ
ごく当然の礼儀だと思いましたので……。

セラ
当然、リムさんの経歴も知ってます。

セラ
試用期間中にもかかわらず、わずか1ヵ月で 正式に後方支援課に配属されたことも、

セラ
その勤務初日から、 とんでもない大遅刻をしたことも。

リム
そ、そういうことは…… 言わなくていいですから……。

リム
って、私のことはいいんです!

リム
それよりもエリーゼさんのことですよ!!

リム
エリーゼさん、 元召喚師さんだったんですね!

リム
驚きですよ!

エリーゼ
そ、そうですかね?

セラ
確かに、今のお姿からは想像できませんね。

リム
で、元召喚師ということは……。

リム
ノアさんと一緒に 戦うことなんかもあったりして?

エリーゼ
そ、それは……。

セラ
一緒に戦うもなにも、

セラ
ノアさんは、第二十一魔神討伐隊 「シルバーナイツ」の隊長。

セラ
そして エリーゼさんは副隊長でしたよね。

エリーゼ
ま、まあ、昔の話…ですよ。

リム
なるほどー!

リム
それで「長い付き合い」というわけですね。

エリーゼ
やっぱりその話になるんですね……。

リム
ええ、なりますとも!

リム
お2人のこと、 ぜひとも聞かせてください!!

エリーゼ
ハァーーーー…………。

エリーゼ
わかりました。 そんなに聞きたいんだったら、話しますよ。

エリーゼ
私とノアは、もともと同郷の出身だったし、 ほぼ同時期に召喚院に入ったので、

エリーゼ
仲は……確かに悪くなかったですよ。

リム
うんうん。 それからそれから?

エリーゼ
同じ隊に所属してからは、副隊長として 隊長のノアを支えていたけど、

エリーゼ
それは隊務として当たり前のことで……。

セラ
隊長時代のノアさんって、 どんな感じだったんでしょうか?

セラ
今のレイドでの討伐記録を見ると、 単独での行動が多いようですが……。

エリーゼ
うーん……。 今とそう変わらない…かな?

エリーゼ
あ、でも、 隊長時代にノアが1人で行動したのは、

エリーゼ
隊員を危険な目に遭わせないため、 率先して行動した結果よ。

エリーゼ
ノアは、プライドも高いけど、

エリーゼ
それ以上に、大事なものを守ろうとする 気持ちも強いから……。

リム
なるほどー。

リム
じゃあ、エリーゼさんも、 ノアさんから守られたりしたんですね。

エリーゼ
それは……。 まあ……何回かは……。

リム
いいですね、いいですねー!

リム
じゃあ、例えば……。

リム?
エリーゼ!怪我はないか!?

リム?
大丈夫よ、ノア。

リム?
それより私のために 駆けつけて来てくれたの?

リム?
当たり前だ。

リム?
俺にとってお前は なによりも大事な存在だからな。

リム?
ノア……。

リム?
エリーゼ……。

リム
…みたいなことも、 あったりしたんですかね!?

エリーゼ
あ・り・ま・せ・ん!!

エリーゼ
まったくもう!

エリーゼ
それだけしゃべることができるなら、 体力回復してますよね。

エリーゼ
そろそろ休憩は終わりにして、 出発しますよ!

エリーゼ
さ、2人とも立って、立って!

リム
えーーーー! もう休憩終わりですか?

セラ
…………。 お話、もうちょっと聞いていたかったですね

リム
ですよねーー。

エリーゼ
2人とも置いていきますよーー。

リム
あ、ちょっと待ってくださいよー!