さすがだな。 ルシアスを倒しただけはある。

だが、この程度ではカルナ・マスタと まともに戦うことはできない！

お前たちでは奴に勝てないことは すぐにわかるだろう。

それでも、まだ前に進もうと言うのなら その時は俺も本気で戦おう……。

Shou-chan、大丈夫？

好き勝手言ってどこか行っちゃったわね。

聞くまでもないと思うけど、 この先に行くの止める？

ハハッ、確かに聞くまでもないな。

そうね。

ケッ、だがアイツの言ったことについて 考える必要はある。

まだモーラの言ってた“もう１つの力” ってのもわかってねーしな。

てっきりここに神託の巫女がいると 思ってたんだが……。

神託の巫女はここにはおらんが その力は眠っておる。

グラデンス爺さん！ それにオーンさんも！

お２人ともその姿、どうしたんですか！？ 傷だらけじゃないですか！

フォッフォッフォッ、 カルナ・マスタに少しやられてしまっての。

ハァ！？ 爺さん何を言ってるんだ！？

いや、お主たちがこの地の封印を 解いてくれたから

最後くらいワシらだけで 決着をつけてやろうと思ったのじゃが

歳は取りたくないものだな。 なあ、オーンよ。

フン、それはお前だけだろう。

お主という男は……。

まあ、よい。

それより、ティリスちゃん、 無事に合流できて何よりじゃ。

うん！

グラ爺もオーンちゃんも 助けてくれてありがとね♪

礼を言われるようなことはしていない。

あれは俺たちの世界を守るための 行動でもあるのだからな。

呼び方については触れないんだ……。

セリア、本当に止めて……。

で、お優しい召喚老様たちは 俺たちの代わりに

カルナ・マスタと戦ってくれたが 見事に返り討ちにされたってわけか？

その通りじゃ。

さすがは大神皇。

ワシら２人でも何もすることが できんかった。

それほどの強さなのですか……。

あれはお前がだらしなかっただけだ。

俺だけだったらもう少しは 戦うことができた。

オーンよ。 その話はまた今度ゆっくり聞こう。

じゃが今は止めてくれ。 話が進まなくなる……。

グラデンス様も苦労されてるんですね……。

で、爺さんたちは俺たちを止めに来たのか？ そうじゃないんだろう？

フォッフォッフォッ、 よくわかっておるじゃないか。

その通りじゃ。 ワシらはお主たちを止めに来たのではない。

じゃが、このままでは カルナ・マスタを倒せないのも確かじゃ。

じゃあ、どうしろと言うのですか！？

神託の巫女の力を借りろ。

え？ でも、彼女はここにいないですよ。

私たちはさっきアークに会ったんです。

でも、彼は彼女がどこにいるか わからないと言ってました。

この地に神託の巫女がいるなら、 彼にはわかるはずです！

単純な思考だな。 もう少し頭を使え。

オ、オーン様に……。

オーンちゃん、セリアの担当は 頭を使うことじゃないからいいんだよ！

ティリス、アンタにも言われたくないわ！

ワシたちはカルナ・マスタと戦った。

だが、アークはそのことに 気が付いていたか？

いや……。

なるほど、そういうことか。

どういうことよ？

カルナ・マスタのメノンでの封印は まだ解けきってないってことだ。

え？

カルナ・マスタの周囲には もう１段階封印がされていたんだろう？

それが結界となって外部に力の動きが 伝わらない。

だからアークは爺さんたちの戦いに 気が付いてなかった。

まあ実際、カルナ・マスタと爺さんたちが 戦ったなら俺たちも気が付くだろうしな。

そういうことね。

つまり、神託の巫女もカルナ・マスタの 結界の中にいる。

だからアークは彼女の存在に気が付けない。

だったらそれをアークに伝えれば！

そんな単純な話じゃねーんだろ？

そうじゃな……。

残念ながらその結界の中に 神託の巫女はいなかった。

それじゃあ、力は借りられないじゃ ないですか！

そう焦るな。

ワシとオーンは確かに感じたんじゃ。

カルナ・マスタとの戦いの中で、 奴が別の大きな力に邪魔をされるのをの。

それが神託の巫女の力ってことか……。

その力がなければ、 ワシらは生きてはいなかったじゃろう。

フン、それはお前だけ……。

オーンちゃん、少し静かにしてて！

…………。

あー、オホン。

で、爺さんたちは アークを探していたんだな。

あ、ああ、そうじゃ。

こちらにアークの力を感じて 向かってきたのじゃが

一歩遅かったようじゃな。

な、なあ、オーンよ。

…………。

大丈夫。 アークには先に進めば自然に会えるさ。

アイツは前に進もうとする俺たちを 止めるはずだからな。

そうじゃな。

お主たちはそのまま進み アークと会ったら今の話をしてくれ。

きっとアークなら神託の巫女の力について 何かわかるはずじゃ。

で、爺さんたちはどうするんだ？

ワシらはワシらでアークを探してみる。

他の連中の動きも気になるしの。

そうか。 爺さんたちも気を付けてな。

お主たちもの。

Shou-chanよ。 カルを頼むぞ。

グラ爺、オーンちゃん、 ２人も気を付けてね！

フォッフォッフォッ、 ティリスちゃんありがとの。

ホレ、オーン、そろそろ行くぞ！

…………。

なんか、魔神たちと戦う時より 緊張したわ……。

ティリス！

アンタ、オーン様に変なこと言わないでよ！ オーン様、怒ってたじゃない！

え～、オーンちゃん怒ってたの？

私にも怒っているように見えました……。

う～ん、オーンちゃんはそんな簡単に 怒ったりしないと思うけどな～。

元気過ぎるところはあるけど、 素直な良い子だよ！

元気過ぎる……。

素直な良い子……。

ハハッ、ティリスからみたら オーンさんもそう見えるんだな。

よし、それじゃあ俺たちも そろそろ先に進もうぜ。

カルナ・マスタと戦うにあたっての 好材料がみつかったのは朗報だよ。

ああ、今回の動きは俺の予想の中では マシな方だ。

これで何もわからねー状況より 少しはまともに動けそうだぜ。

Shou-chan、お前、次は しっかりとアークをぶっ倒すんだぞ！

頑固者のアイツのことだ。

こんな不確かな情報だけじゃ 簡単に心変わりはしないだろーからな！