カル
お、2人とも来たな。

ルジーナ
おせーぞ。

ルジーナ
2人で何を話したんだか知らねーが とっととモーラを追うぞ!

セリア
オマケのクセに偉そうにしないでよ。

ルジーナ
誰がオマケだ!

パリス
……この前はこのやり取り、 懐かしく感じたけれど

パリス
早くも疲れてきたわ……。

カル
ハハッ、そうだな。 それじゃあ、少し仕切らせてもらおうかな。

カル
ルジーナ、セリア、 それにShou-chan。

カル
俺がこの地にいるのは ティリスを助けるためだ。

カル
でも、この地に来たことで 俺は自分について色々と知ることができた。

カル
だから俺はバリュオンともっと話したい。 そして、俺自身についてもっと知りたい。

カル
そのためにはモーラからバリュオンの力を 取り戻す必要がある。

カル
だから、みんなの力を貸してくれ。

セリア
ハアー、カルはやっぱりカルね。

セリア
そんなの当たり前でしょう。

セリア
私もティリスを助けたいし、 モーラとはもっと話したい。

パリス
私もよ。

パリス
色々と迷って悩んだけど 今はティリス様を助けるのが最優先だから。

ルジーナ
ケッ、相変わらずムカつくヤツだな。 断られねーってわかって頼みやがって。

ルジーナ
まあいい。

ルジーナ
今回は俺の目的とも一致してるし 力は貸してやる。

ルジーナ
つーか、俺から見れば

ルジーナ
逆に俺のためにお前たちが 力を貸してるって感じだけどな。

セリア
この男は……。

カル
ハハハッ、 さて、それじゃあ出発するとしようか。

セリア
そうね。いつまでもルジくんの相手してたら キリが無いわ。

ルジーナ
このバカ女は……。

パリス
でもカル、どこに向かうつもり?

カル
うーん、そうだな……。

???
この地の北に見える城。 “魔皇城エストリア”を目指してください。

セリア
モーラ!

モーラ
あなたたちが来るのを待っていました。

カル
ああ、俺たちもアンタを探してたぜ。

モーラ
焦らないでください。

モーラ
ここであなたたちと 何かするつもりはありません。

モーラ
今は少しだけこの地の話をしたいのです。

セリア
いいわ。聞かせて。

モーラ
フフフッ、セリアは相変わらず 興味深い人間ですね。

モーラ
…………。

モーラ
この地“エストリア”には

モーラ
かつてイシュグリアでもっとも古い国が 存在しました。

モーラ
その国の国主は魔神同盟の盟主でもあり

モーラ
古の時代、 魔神たちは強大な力を持つ盟主の下、

モーラ
互いに争いを続け 自身を高めていたそうです。

モーラ
しかし、ある時、ある魔神が現れ 辺境に新国家を樹立します。

モーラ
その魔神はイシュグリアの統一を目指し 旧体制の盟主を倒そうとしたのです。

パリス
…………。 興味深い話ね。

モーラ
2つの勢力は激しい争いを始め、 双方に甚大な被害が出ました。

モーラ
しかし、そんな中、魔神の盟主と新たな王は 戦いの中で争うのではなく

モーラ
ともに歩むことを選ぼうとしました。

モーラ
その友好の証の1つが この“海上油田アデル”です。

モーラ
王は盟主が住むこの極寒の地に 彼が持つ必要な技術を提供したのです。

セリア
で、その2人はこの地を統一したの?

モーラ
いえ。

モーラ
2人の王は突然の方針転換に怒った それぞれの家臣たちから追われ

モーラ
その野望は潰えることになります。

モーラ
その2人がどこへ逃げ どうなったかは不明です。

モーラ
一説では新国家が存在した地 レームの西で身を隠し

モーラ
子を宿したとも言われています。

セリア
…………。

モーラ
その後、巨大な勢力はしばらく作られず この地は混沌とした時代に入るのです。

ルジーナ
その混沌に乗じてお前は レームを支配したってことか。

モーラ
この地の魔神たちは闘争ばかりを望み 本当の信念などありません。

モーラ
くだらぬ存在だと思いませんか?

モーラ
だから私はその王たちの遺志を 継ごうと考えたのです。

カル
つまり、アンタはこの地を 支配するつもりってことかい?

モーラ
この地だけではありません。

モーラ
私は神々の世界もグランガイアも エルガイアもすべてを支配します。

モーラ
そして、くだらぬ戦いを すべて終わらせるのです。

ルジーナ
壮大な野望ってヤツだな。

ルジーナ
で、そのための犠牲を 考えるつもりは無いってわけか。

モーラ
虫ケラの命など大いなる統一の前では 犠牲ですらありません。

ルジーナ
ケッ……。

モーラ
私の話はこれで終わりです。

モーラ
これを聞いてあなたたちがどうするかは わかりません。

モーラ
でも、その前に伝えておきたかったのです。

モーラ
特にセリア……あなたに。

セリア
モーラ……。

モーラ
魔皇城エストリアへの道中にある 白迷雪原ジグでお待ちしています。

モーラ
そこで、あなたたちの答えを 聞かせてください。

セリア
…………。

カル
さて、モーラの話も聞けたし 俺たちはどうする?

ルジーナ
考えるまでもねーな。

ルジーナ
アイツは人間のことなんざ 何も考えてねー。

ルジーナ
あんなヤツの下に付く気は 俺はねーぞ。

パリス
私も同意見よ。

パリス
たとえ彼女が世界を統一し 平和を築いたとしてもそれは一時のもの。

パリス
永遠に続く平和が無いことなんて 歴史が証明しているわ。

パリス
だったら、いかに犠牲を少なく 長い平和を築くか、

パリス
それを考えることが必要だと私は思うから。

カル
まあ、そうだな。

カル
それに、モーラを放っておいたら ティリスも救えないしな。

カル
ハハッ、Shou-chanも 同意見って感じかな。

カル
で、セリア、お前はどうするんだ?

セリア
私も…私もみんなと同意見よ。 それは揺るがないわ。

セリア
でも…だからってモーラを 頭から否定するのも違う気がするの。

セリア
理由はうまく説明できないけど

セリア
私たちは彼女の本当の気持ちに まだ触れられてない気がする。

ルジーナ
ケッ、本当の気持ちだぁ?

ルジーナ
アイツだってそんなもんに 触れられたくないだろうよ。

ルジーナ
セリア、お前はお節介なんだよ!

ルジーナ
アイツはやりたいことをやる。 俺たちの目的とそれは反する。

ルジーナ
だから、モーラを止める。

ルジーナ
答えはシンプルなんだよ!

セリア
そうね……。 そうなのかもしれないわね……。

パリス
セリア……。

ルジーナ
ケッ、素直なお前を見ると どうも調子が狂いやがる。

ルジーナ
俺は先に行くぞ!

ルジーナ
カル、Shou-chan!

ルジーナ
このバカ女をなんとかしておけよ!

パリス
相変わらず最低な男ね……。

カル
ハハッ、まあ、あれもルジーナなりの 優しさってヤツだろ?

カル
それじゃあ、セリア、俺たちも行こうぜ。

セリア
ええ、大丈夫。

セリア
次にモーラに会う時までには 気持ちを切り替えておくわ。

カル
無理しなくていいぜ。

カル
セリアのフォローは Shou-chanがしてくれるからさ。

セリア
いえ、その言葉を聞いて もっとやる気が出てきたわ。

セリア
行きましょう。

セリア
モーラに私たちの気持ち、 しっかり伝えてあげるわ。