セリア
なんか不気味な森ね……。

セリア
この先の山には異様な大きさの 巨人っぽいのも見えるし、

セリア
目的の塔までは簡単に行けそうもないか。

セリア
パリス、ここの遺跡が気になるのは わかるけど、それは後回しだからね。

パリス
だ、大丈夫よ! 目的は忘れてないから!

パリス
ちょっとそこら辺に見える遺跡が 気になっただけ。

パリス
セリアの言う通り、このザームブルグに 着いてから見えている

パリス
あの巨人の姿も気になっては いるのだけれど……。

???
あれはかつてアム=ユノスに封じられた 巨人の亡骸らしいぜ。

セリア
カル!

カル
よう、Shou-chan。

カル
それにセリアとパリスさんは 久しぶりだな。

セリア
カル、やっと会えたわね。

セリア
今回はしっかりと話を 聞かせてもらうからね。

カル
ハハッ、凄い気合だな。

カル
俺を逃すつもりも無いってのが 構えからも伝わってくるよ。

セリア
当たり前じゃない!

セリア
こっちに来てから面倒なことが 増え過ぎてるのよ!

セリア
せめてここで1つは解決させてもらうわ。

カル
パリスさんもそんな雰囲気だな。

パリス
ええ、そのつもりよ。 カル召喚師。

カル
パリスさんは相変わらずマジメだな。 俺のことはカルでいいよ。

パリス
……それじゃあ、私のことも パリスと呼んでくれるかしら?

カル
ハハッ、そうだな。

セリア
2人とも今はそんなことを 話してる場合じゃないでしょ!

セリア
Shou-chan! アンタもちゃんと言いなさい!

セリア
アンタはカルから色々聞かされてるんだろう けど納得はできてないんでしょう?

カル
セリア、Shou-chan、 それにパリス。

カル
悪いけど今日は俺の話をするために ここに来たんじゃないんだ。

セリア
カル、あなたが何を考えててもいいわ。 私はあなたの話を聞きたいの。

カル
ハハッ、セリアは相変わらず厳しいな。

カル
まあ、まずは俺の話を聞いてくれ。 ルジーナについてなんだ。

セリア
ルジーナ!? カル、あなたルジーナに会ったの?

カル
いや、直接会ったわけじゃない。

カル
今の俺に会ったらあいつはきっと 喜んで襲いかかってきそうだから

カル
なるべく会わないようにしてるんだよ。

セリア
そりゃそうよ……。

カル
とはいえ、あいつの動向は気になってたから ちょっとある連中に調べてもらったんだけど

カル
どうやらあいつは本来の目的への 手がかりをみつけたようなんだ。

カル
で、今はそれに向けて動いてるようだから

カル
しばらくみんなの元には 戻ってこないと思うぜ。

セリア
なんだか随分と抽象的なアドバイスね。

セリア
そもそも、ルジーナの本当の目的って何よ? どうしてカルはそれを知っているの?

カル
それは……。

???
カルさん、話してさし上げたらどうですか?

???
素敵な女性のお願いには 応えてあげるべきですよ。

セリア
アンタは!

ベルツ
またお会いできましたね。 セリアさん、パリスさん。

パリス
ベルツさん……。

ベルツ
今日はオーン殿もいらっしゃらないので お2人ともゆっくりお話しできそうですね。

ベルツ
もちろん、カル召喚師と Shou-chan召喚師ともね。

セリア
私たちは今、カルとの話で忙しいから ちょっと後にしてくれない?

ベルツ
そう冷たいことを言わないでください。

ベルツ
カル召喚師、 今はどんなお話をしていたのですか?

ベルツ
アクラス召喚院の成り立ちですか?

ベルツ
イシュグリア先遣隊の悲劇についてですか?

ベルツ
それとも……。

ベルツ
この地に眠る強大な力…… その場所が判明した…とかでしょうか?

カル
…………。

パリス
この地に眠る強大な力?

ベルツ
ええ、そうです!

ベルツ
イシュグリア、グランガイア、 そしてエルガイア!

ベルツ
すべての世界の秩序を乱しかねない とてつもなく強大な力が

ベルツ
このイシュグリアには眠っているのです!

ベルツ
ねえ、カル召喚師。

カル
…………。

ベルツ
私の親友のルジーナもエルガイア連邦からの 指令に従いその場所を探していたのです。

ベルツ
カル召喚師、つまりルジーナは その場所の手がかりをみつけたのですね?

ベルツ
どのようにしてみつけたのでしょう? あなたはご存知なのですか?

カル
さあな。ルジーナがアンタたちの仲間なら そのうち報告が入るんじゃないのかい?

カル
それにその依頼は連邦からだけじゃなくて 召喚院からも受けているはずだぜ。

ベルツ
フフフッ、さすがカル召喚師。 私を楽しませる回答をご存知ですね。

ベルツ
さすがはファル・ナーガを支配する魔神の 血を引くだけのことはありますね。

パリス
魔神の血!?

パリス
カル、あなたは一体!

カル
…………。

セリア
パリス、今はそんなこと 気にしてる場合じゃないわよ。

パリス
で、でも……。

セリア
カルが魔神の血を引いていようが いまいがカルはカルよ。

セリア
それよりもカルが何を考えているかの方が 今は大事なことでしょう?

セリア
Shou-chan、アンタも私と 同じ気持ちよね?

ベルツ
アハハハハッ!

ベルツ
さすがはセリアさん! なんて素敵な言葉でしょう!

ベルツ
カル召喚師、あなたはこの言葉を聞いて 何と答えるのですか?

カル
…………。

カル
ハハッ、Shou-chan、セリア、 本当お前たちには敵わないよ。

カル
ベルツさん、アンタの思惑通り 俺の今の立場を話してやるよ。

カル
Shou-chan、セリア、パリス、

カル
俺は今、アクラス召喚院の目的に 反した行動を取るつもりだ。

カル
それは俺が魔神の血を引くからではなく 俺がそれを正しいと思ってるからだ。

カル
だから少しだけ話を聞いてくれ。

セリア
当たり前よ。

セリア
私はいつだってカルのことを 信じてるんだから。

セリア
だから早く続きを話して。

カル
セリア、ありがとう……。

カル
まずはアクラス召喚院、つまり召喚老の 爺さんたちの目的だけど、

カル
この地に眠る力を復活させて その力を完全に滅ぼすことだ。

カル
もう二度とその力に 世界が振り回されないようにな。

カル
だけど、俺はそれは危険だと考えている。

カル
だから俺は爺さんたちのこの地での行動を 止めるつもりだ。

カル
魔神の力を借りてでも……。

セリア
カル……。

カル
あれは人が滅ぼせるような力じゃない。 眠らせておくのが一番なんだ!

カル
俺はこの地の魔神たちからも その危険性を教えられた。

カル
だから、Shou-chanたちも 思い直してくれないか?

セリア
カル、あなたの言いたいことはわかったわ。

セリア
でも、どうして最初に 言ってくれなかったの?

カル
……それはすまないと思ってる。

カル
ただ、この話をするとなると、

カル
どうしても俺の血の話もする必要が あったからさ……。

セリア
そんなこと私たちが気にすると 思ったの?

カル
いや、信じてはいたんだけど 俺も臆病で……。

カル
本当に情けない話だよ。

セリア
ハアー、本当よ!

セリア
でも、今回話してくれたから まあ特別に許してあげるわ。

セリア
それともう1つ。 その強大な力って何?

カル
それは……。

ベルツ
その話はあなたからではなく

ベルツ
召喚老の方々から直接聞いた方が 良いと思いますよ。

ベルツ
やはり話は両方の立場から聞かないと 正しい判断ができませんからね。

カル
そうだな。

カル
Shou-chan、セリア、パリス、

カル
ベルツのせいで今、話すつもりのなかった ことも話しちまったけど

カル
ルジーナの今の状況はしっかり伝えたぜ。

カル
後は俺の話についてゆっくり考えてくれ。

カル
またあらためてお前たちの 答えを聞きにくるよ。

カル
それじゃあな。

セリア
カル、待って!

パリス
行ってしまったわね……。

ベルツ
まったくこれだけ美しい女性を置いて 行ってしまうなんて

ベルツ
カル召喚師は酷い方ですね。

パリス
ベルツさん……。

ベルツ
とはいえ、ルジーナの話が聞けたのは ありがたいことです。

ベルツ
カル召喚師に彼の血筋に関わる魔神を 紹介した甲斐がありました。

セリア
アンタ……。

ベルツ
おっと、私は女性に怒られるのは あまり好きではないないので

ベルツ
この辺で退散させていただきますね。

ベルツ
親友に強大な力の眠る場所を 聞かないといけませんしね。

ベルツ
あ、ちなみに私もその力は 眠らせておく派ですよ。

ベルツ
だからカル召喚師やミーファさんにも 情報を伝えたのですから。

ベルツ
召喚老さんたちのような天才と違い 凡人の私は安全第一ですからね。

ベルツ
それでは、皆さんまたお会いしましょう。

ベルツ
今度お会いする時は、セリアさんの 怒りを鎮める素敵な情報をお持ちしますね♪

セリア
…………。

パリス
ハアー、今まで色々な人に会ったけど その中でもダントツのクセモノね……。

パリス
セリア、大丈夫? もう落ち着いた?

セリア
ええ、大丈夫よ。

セリア
ベルツにはかなり腹が立ったけど

セリア
カルが色々と話してくれたのは 彼のおかげとも言えるからね。

セリア
クローザーっていう二つ名の意味が 少しだけわかった気がするわ。

パリス
そうね……。彼の望む方向に自然と 全員が流されている気がするわ……。

パリス
しっかりと自分の意志で判断するよう 心がけないと……。

セリア
きっと大丈夫よ。

セリア
こっちには何も考えてないクセに頑固者の Shou-chanがいるんだから。

パリス
フフフッ、確かにそうね。

パリス
Shou-chan、あなたのこと 頼りにさせてもらうわ。

セリア
それじゃあ、アム=ユノスがいる塔に 向かって進みましょう。

セリア
周りが何を考えて動こうとも

セリア
私たちの目的がティリスを助けることに 変わりはないんだから。

セリア
ねえ、Shou-chan。