モーラ
低能な人間とはいえこの地に来ただけあり 戦いはまともにできるようですね。

モーラ
低能からの格上げが 必要ということでしょうか。

ルジーナ
ケッ、何言ってやがる。

ルジーナ
テメーが用意した罠とやら 全部俺がぶっ壊してやったぜ。

パリス
“全部”じゃなくて“半分”でしょう。

ルジーナ
細かいことをうるせーな。 今はお前に構ってる場合じゃねーんだよ。

セリア
Shou-chan! アンタまだそいつを倒せてなかったの!?

セリア
まったく、相変わらずグズなんだから!

モーラ
……やはりあなたたちは低能なようですね。

モーラ
私に前言を撤回させるとは 不愉快な人たち……。

セリア
あなたが不愉快かどうかは知らないわ。

セリア
それより、早くカルについて 知ってることを話してよ。

ルジーナ
…………。

モーラ
…………。

ルジーナ
バカ女、お前、本当に信じてたのか?

セリア
バカじゃないの! 信じてるわけないでしょ!

セリア
ただ、聞くだけ聞かないと 気持ち悪いじゃない。

セリア
もし、本当は知ってたらどうするのよ?

セリア
ルジくんは頭を使い過ぎちゃって 簡単なことがわからないのよね。

ルジーナ
テメー……。

モーラ
……面白い人間ですね。

モーラ
そこの利口なフリをした女や猿より よっぽど面白い。

パリス
クッ…………。

モーラ
あなた、名前はなんというのですか?

セリア
セリアよ。

モーラ
セリアですか……。

モーラ
あなたの言葉、

モーラ
かつて、騙されていると知りながら 私を育て続けた老人を思い出しました。

モーラ
彼が語っていた 「お前は何と戦っているのか?」

モーラ
今、なぜかその言葉が出てきたのです。

モーラ
いいでしょう。

モーラ
あなたの単純さを評価して 少しだけ話しをしてあげましょう。

セリア
……何か少し複雑な気持ちなんだけど。

モーラ
イシュグリアを支配している魔神は 私やシュスイも含めて8人います。

モーラ
あなたたちがこの先に進むというのなら 他の者とも戦うことになるでしょう。

モーラ
しかし、あなたたちは決して すべての魔神を倒すことはできません。

ルジーナ
ケッ、お前やシュスイとかいうヤツらと 同じレベルなら勝てない相手じゃないがな。

モーラ
……やはり低能猿は低能のようですね。

モーラ
強さだけではない要素の存在に 気が付けないとは……。

モーラ
それに、あなたたちはシュスイの 本当の怖さを知らないのです。

ルジーナ
怖さねー。

ルジーナ
で、お前は俺たちに他の魔神の情報を与えて その隙にここから逃げようってのか?

モーラ
愚かな……。

モーラ
私がまだ真の力を出していないことを 知りながら敢えて強がる。

モーラ
本当にくだらない生物ですね……。

モーラ
セリア、あなたとはまたゆっくり 話をしてみたいものです。

モーラ
それまで他の魔神に殺されないよう 気を付けるのですよ。

ルジーナ
ケッ、やっぱり逃げるんじゃねーか。

セリア
それに、カルの話もやっぱり しなかったわね。

ルジーナ
……それはわかってただろーが。

パリス
でも、モーラが本気じゃなかったのは 彼女が言っていた通りだと思うわ。

パリス
シュスイもそうだけど、魔神たちが何を 考えているのか本当にわからない……。

パリス
それが全部で8人もいるなんて……。

ルジーナ
何人いようが関係ねーよ。

ルジーナ
どこにどんな敵が どれだけいるかわからねー。

ルジーナ
だから召喚院のお偉いさんたちも 戦い方に困ってるんだろ。

ルジーナ
どの程度の戦力をどこに投入すべきか わからないんだからな。

セリア
ハアー、 ルジーナもパリスも考え過ぎなのよ。

セリア
私たちの目的を忘れたの?

セリア
この地の魔神を倒して ティリスを開放することでしょ!

セリア
だから私たちの敵になりそうな魔神は倒す。

セリア
それ以外は倒さない。

セリア
それでいいじゃない。

セリア
それに、こいつを見てみなさいよ。

セリア
本当に何も考えてないわよ。

パリス
…………。

ルジーナ
…………。

ルジーナ
ケッ、好きにしろ。

ルジーナ
俺は俺の任務を進めるだけだ。

ルジーナ
これ以上、お前たちの尻拭いを してられるか。

パリス
相変わらず勝手なヤツね……。

セリア
まあ、バカは放っておきましょう。

セリア
私たちは私たちにやれることをやる。 それだけよ。

パリス
フフッ、やっぱりセリアは 変わったのね。

パリス
でも、どうしてあなたは先に この地に向かったの?

セリア
…………。

セリア
それはまあその…また今度話すわ!

セリア
さあ、次の場所へ向かいましょう!

セリア
私は勝手なことをしたティリスを 早く開放して引っ叩きたいんだから!

パリス
Shou-chan。

パリス
ティリス様を開放する時、 セリアは側にいさせてはダメなようね……。

オーン
ここがイシュグリアか。

オーン
フン、グラデンスめ。 とっとと俺が来ることを認めればよいものを

オーン
面倒な仕事ばかり押し付けて 誤魔化しおって。

オーン
まあいい。

オーン
ここからは好きにさせてもらうとしよう。

オーン
アクラスの遺志を実現するためにもな。

オーン
お前は何者だ?

シュスイ
我が名は闘魔武神シュスイ。 この地を治める者。