カル
さて、全員そろったな。

カル
パリスさん、エリオールは この城のどこにいるんだい?

セリア
どうせ、一番奥で 偉そうに隠れてるんでしょ?

パリス
それは……。

???
私は隠れなどしない。

エリオール
待っていたよ。 アクラス召喚院の召喚師たちよ。

テスラ
…………。

エリオール
せっかく来ていただいたのだ。 少し話でもするとしようか。

セリア
私たちの前に話す相手がいるでしょ!

エリオール
フフフッ。 そうだったな。

エリオール
パリスよ。 任務ご苦労だった。

エリオール
よく、ここまで召喚師たちを 連れて来てくれたな。

セリア
パリス!

パリス
ち、違う! 私は本当に!

エリオール
ハーッハッハッハッハッ!

エリオール
いや、違わない。 完全に私の計画通りだよ!

エリオール
テスラのあの言動をすれば

エリオール
キミなら必ずこの行動を 取るとわかっていたよ。

エリオール
パリス。 キミは本当に優秀な駒だ。

エリオール
穢れを知らない純粋な女性。

エリオール
貴族という恵まれた環境で育った 救われない存在だ。

パリス
エリオール様……。

エリオール
キミの有能さは本当に認めている。

エリオール
だが、残念なことにキミは 上流貴族として生まれてしまった。

エリオール
それがキミの不幸なのだよ。

パリス
エリオール様! 私は!

エリオール
パリス。 キミは気付いていないのだろう?

エリオール
この地で私と戦う者が、キミ以外、 すべて貴族の出自ではないということに。

エリオール
それは、キミが自身の生まれを 意識していないからだ。

エリオール
特権が当たり前過ぎて意識できない。

エリオール
そんな者は私が作る理想国家には 必要ないのだよ。

パリス
そんな……。

エリオール
さて、愚か者との話は この程度で十分だろう。

エリオール
召喚師たちよ。 キミたちはわかっているのか?

エリオール
私の行動を止めるということは

エリオール
ルシアス様のご意志に 逆らうということなのだぞ。

カル
そんなことはわかってる。

カル
それでも俺たちは人間同士の戦いなんか 起こさせたくはない。

カル
エリオールさん、あんたならもっと いい方法も考えられるんじゃないのか?

エリオール
フッ、カル召喚師よ。

エリオール
キミはわかっていない。

エリオール
私が目指すべきものがな。

エリオール
いや、わかっているが 口にしていないだけか。

カル
…………。

エリオール
どうやら、他の者も同じ意見のようだな。

エリオール
キミたちのような有能な者を 殺さなければいけないとは残念だよ。

エリオール
テスラ、行くぞ。

テスラ
ハッ。

セリア
どこに行くのよ!

エリオール
セリア召喚師が先ほど言っていたように 奥で隠れさせてもらうよ。

エリオール
この先に待つ本当の戦いのためにも、 力は温存したいのでね。

エリオール
この城に潜む魔物たちは

エリオール
我々以外は敵とみなし襲いかかるよう 黒の隠者の力を借りて調整してある。

エリオール
だからこそ、キミたちに ここまで来てもらったのだからな。

エリオール
せいぜい、私の元に辿り着く前に 殺されないよう気を付けてくれ。

セリア
ちょっと、待ちなさいよ!

パリス
…………。

セリア
やっぱり私、あいつのこと許せないわ。

セリア
ちょっとぶん殴ってくるから カルたちはパリスのこと見ていて!

カル
お、おい! セリア!

カル
ちょっと待て!

カル
まいったな……。

カル
Shou-chan。 セリアを止めてきてくれないか。

カル
パリスさんは俺とルジーナで 見ておくからさ。

ルジーナ
なんで俺が!

ルジーナ
って言いたいところだが、 どうやら面倒な敵が集まってきやがったな。

ルジーナ
まあいい。

ルジーナ
Shou-chan。 これはお前への貸しだ!

ルジーナ
後でたっぷり返してもらうから 覚悟しておくんだな。

カル
セリアは恐らくエリオールがいるだろう この城の最奥を目指してるはずだ。

カル
セリアを助けながら、 エリオールも止めてきてくれ。

カル
俺たちもここが落ち着いたら すぐに追いかけるからさ。

パリス
…………。

カル
…………。 それじゃあ、頼んだぞ。

カル
クソッ、やっぱり人との戦いは どうもダメだな……。

カル
イヤなことをお前に頼んじまって すまない……。

カル
Shou-chan。 俺たちは……。

カル
イヤ、なんでもない……。