???
やはりエリオールを追って この地に来たか。

グラデンス
Shou-chanよ。 わかっておるのか?

グラデンス
お主がこれから戦う相手は 世界の脅威となる堕神ではない。

グラデンス
お主と同じ人間じゃ。

グラデンス
…………。

グラデンス
フム、覚悟を決めた良い瞳じゃ。

グラデンス
よかろう。

グラデンス
ならば、ワシも少しだけ お主に話をするとしよう……。

グラデンス
エリオールとその副官であるテスラは 同じ孤児院で育った幼馴染みなのじゃ。

グラデンス
2人は兄妹のように 仲良く暮らしておったらしい。

グラデンス
そんなある日、テスラがランドール皇国の 貴族に引き取られていった。

グラデンス
テスラが裕福な暮らしができると思い エリオールは大層喜んだようじゃ。

グラデンス
しかし、その貴族はテスラを大切に 扱うことはなかった。

グラデンス
数年後、テスラは孤児院に再び戻ってくる。

グラデンス
貴族の家を追い出されての。

グラデンス
その時、彼女の目は光を失っていたという。

グラデンス
まあ、ここまではランドール皇国では たまに聞くことのある話じゃ。

グラデンス
他と違うのは、エリオールが、類まれなる 才能の持ち主だったということじゃろう。

グラデンス
エリオールは下級貴族の家に 引き取られると

グラデンス
すぐに皇国軍に入り、 徐々にその才能を開花させてゆく。

グラデンス
明晰な頭脳と優れた剣術の腕、 そして人を惹きつけるその言動で

グラデンス
軍部で頭角を現していったのじゃ。

グラデンス
あやつが何を考え、 今の地位と力を目指したかは

グラデンス
現在の行動がすべて示しておろう。

グラデンス
…………。

グラデンス
Shou-chanよ。 人の心は弱いものじゃ。

グラデンス
すぐに傷つき、その傷は癒えにくい。

グラデンス
だからこそ何かに頼らねば 生きていけないことが多いのじゃろう。

グラデンス
だが、それでもワシは人には自分の足で 歩いてほしいと思っておる。

グラデンス
ワシらが望む世界が訪れた時、 世界は混乱をきたすかもしれん。

グラデンス
それでも、 自由な未来を手にしたいのじゃよ。

グラデンス
…………。

グラデンス
フォッフォッフォッ。 少し話し過ぎたかの。

グラデンス
お主ならワシがこれ以上 何かを言う必要もなかろう。

グラデンス
これからあやつらと戦い お主が感じたままに動けばよい。

グラデンス
ワシがこの地で行っている調査について お主に話す日も近いのかもしれんな。

グラデンス
Shou-chanよ。

グラデンス
覚悟を持ってエリオールたちに 挑むのじゃぞ。

グラデンス
強き意志を持った人は 堕神より手強いじゃろうからな……。