ザーグ
人間たちよ。 来たか……。

カル
ああ、もちろん女神さんは 連れて来ていない。

カル
約束通り真実ってヤツを 話してもらえるのか?

ザーグ
いいだろう。

ザーグ
貴様たちは正しい選択をした。

ザーグ
貴様たちが四堕神と呼ぶ神々の 真実についてをな……。

ザーグ
そもそも、貴様たちはなぜ四堕神を 倒そうと考えている?

セリア
それは、四堕神がこのグランガイアを メチャクチャにしてるからでしょ!

ザーグ
その情報はルシアスから聞いたものだろう。

セリア
召喚院からはそう聞いていたわ。

セリア
まあ、実際にティリスに会って

セリア
本当にルシアス様がそう言ってるって ことがわかったんだけどね。

ザーグ
なぜ、ルシアスの言葉を信じるのだ?

ザーグ
同じ神である我々の言葉ではなく ルシアスの言葉を。

セリア
それは、ルシアス様が私たち人間を エルガイアへ逃してくれたからよ!

ザーグ
神々の意思は 人間を滅ぼすことで決していた。

ザーグ
その中でルシアスは決定に逆らい 人に救いを与えた。

ザーグ
それは本来、すべての神で決めるべきもの。

ザーグ
奴は傲慢にもそれを己の判断のみで 行ったのだ。

ザーグ
他の神々も、最終的に人間を救うという 判断をした可能性もある。

ザーグ
ルシアスはその可能性を奪い 自身だけを人間を救った存在とした。

カル
なるほどな。

カル
つまり、あんたたちが人を救った 可能性もあったのに

カル
ルシアス様だけが勝手に人を救って 崇められるのは納得できないってことだろ。

カル
まあ、可能性ってだけで本当に 救ってくれたかどうかはわからないけどな。

ザーグ
あくまですべては可能性だ。

ザーグ
当時、人間は滅ぼすべき存在であった。

ザーグ
人間は同族で争い続け、その影響で 他の種族をも滅ぼしていった。

ザーグ
神々は神に仕える人間を通じて 何度も警告を行ったが、

ザーグ
争いを止めるどころか、より強い力を 求め続けていく。

ザーグ
それは、異界の技術だけにとどまらず 神の智恵をも奪おうとしていったのだ。

ザーグ
神々はその度に罰を与え続けたが 異なる人間が再び同じ罪を繰り返していく。

ザーグ
そして神々は種そのものが罪と判断し 滅ぼすことを決定した。

ザーグ
この国を見るがいい。

ザーグ
異界の技術で浮かぶこの島を。

ザーグ
神々の智恵の使い方を誤り 森に覆われたかつての大国の姿を。

ザーグ
神々は人間を愚かで害悪のある 種族と判断したのだ。

セリア
…………。

カル
で、あんたは俺たちに協力しろって言うが

カル
今の話を聞いた限りじゃ 協力する気にはなれないな。

ザーグ
命短き者よ。 ことを急ぐな。

ザーグ
我は貴様たちにまだ真実を伝えていない。

ザーグ
貴様たちが本当に倒すべき神が ルシアスであるということをな。

セリア
だから、なんで人間を助けてくれた ルシアス様を倒さなくちゃいけないのよ!

ザーグ
神々と人間の戦いが終わり、 この地の人間が滅びた後、

ザーグ
グランガイアは支配者を失うことになる。

ザーグ
大神皇カルナ・マスタ様は、 人間との戦いで傷つき

ザーグ
今もその姿を隠している。

ザーグ
人間どもが復活を試みていたようだがな。

パリス
…………。

ザーグ
しかし、それも無意味なことだ。

ザーグ
カルナ・マスタ様は人間を滅ぼす意思を 決めた神であるのだからな。

パリス
えっ!?

パリス
そんな……だったら……。

ザーグ
カルナ・マスタ様がお隠れになったため、

ザーグ
この地を支配するのは カルナ・マスタ様に次ぐ力を持っていた

ザーグ
ルシアスであった。

ザーグ
ルシアスはカルナ・マスタ様の決定を覆し 己の意志のまま神々を動かそうとした。

ザーグ
それに従わなかった神々が 我が主アフラ・ディリス様をはじめとした

ザーグ
貴様たちが四堕神と呼ぶ神々だ。

ザーグ
ルシアスは己の意に従わない神を堕神と呼び 貶めたのだ。

セリア
…………。

ザーグ
だが、ルシアスもまた先の大戦の末期に 何者かと戦い大きく力を失うこととなる。

ザーグ
その隙を突いて、アフラ・ディリス様たちは グランガイアの支配権を争い始めた。

ザーグ
激しい戦いは時に他の種族に 被害をもたらしたかもしれぬ。

ザーグ
しかし、それはすべて世界を正しい形に 戻すため。

ザーグ
ルシアスの独裁を認めぬための行いだ。

ルジーナ
チッ、そういうことか……。

ザーグ
マクスウェル、カルデス、ゼヴァルアが 貴様たちにより滅ぼされた今、

ザーグ
世界を正しい姿に戻せるのは アフラ・ディリス様のみ。

ザーグ
人間たちよ。

ザーグ
貴様たちに時間を与えよう。

ザーグ
愚かな貴様たちでは判断を迷うだろうから。

ザーグ
我はこの地の果てに建つ アダンの塔にて待っている。

ザーグ
よく考えるのだな。

ザーグ
力無きルシアスに今後も与するかどうかを。

セリア
…………。

ルジーナ
ケッ……。

パリス
…………。

カル
フーッ、人間を愚かというだけあって 随分と丁寧に説明してくれたな。

カル
さて、今の話をどう判断するかは 俺たち次第だ。

カル
まずは、女神さんが待ってる この先に向かうとするか。

カル
ザーグは手を出してこないとはいえ、

カル
ここにも厄介な敵が 巣食ってるみたいだしな。

セリア
そうね。 少し、体を動かしたい気分だわ。

セリア
誰でもいいから相手してあげるわよ!

セリア
って感じかな。

カル
ハハハッ、セリアらしいな。

カル
よし、それじゃあShou-chan。

カル
とっとと、ここを抜けて 女神さんの所に行こうぜ!

カル
話はそれからゆっくりな。