ウォーロン……お主がワシらを こんなところに呼び出すとは、珍しいのう。
ウォーロン
我々がこれまで戦ってきた アベル機関についてだが、
ウォーロン
先程連邦政府より、機関が自分たちとは 無関係な組織だという通達が来た。
ウォーロン
現在アベル機関は連邦内で勢力を急速に失い ほぼ壊滅と言っていい状態になっている。
ウォーロン
しかも、お前たちがラナスを倒したことで、 連邦首脳部はよほど慌てたと見える。
ウォーロン
“機関と関わりがあったとされる人物” を更迭し、
ウォーロン
それを我々に示して、 事を収めようとしているようだ。
グラデンス
アベル機関はラナスの手腕によって、強引に 勢力を拡大させた組織じゃったからのう。
グラデンス
あやつがいなくなれば、 そんな状態になるのもやむなしか……。
ウォーロン
連邦側の言い分、お前たちにとっては 小賢しく感じるかもしれんが、
グラデンス
そうじゃな……。ワシらは別に連邦を 支配や侵略したいわけではないからのう。
グラデンス
しかしワシらに話というのは、そのことか?
グラデンス
この程度のことならば、 こんなところに呼び出さなくても……。
ウォーロン
話はもう1つある…… むしろ、こちらが本題だ。
ウォーロン
あの男は連邦政府の意向を無視し 真の召喚の力を手に入れようとした。
ウォーロン
当然、本来は罪に問われる ところなのだろうが、
ウォーロン
ある条件下のもと、 不問に付される事になった。
ウォーロン
アベル機関の残党…… ギャレット、メルの抹殺だ。
ウォーロン
先に述べたように、連邦首脳部は アベル機関との関連を否定し、
ウォーロン
内外ともに、 事態の収集に躍起になっておる。
ウォーロン
自分たちと機関の繋がりを知る者に 生きていてもらっては困るということだな。
グラデンス
ワシはヴァルドロアで あの者たちのことを見逃したが、
グラデンス
まさか そのようなことになるとは……。
ウォーロン
連邦首脳部としては、ラナスを失った今、 ベルツまで失いたくはないのであろう。
ウォーロン
皇国や我々召喚院と対抗できる人材が、 連邦内にいなくなってしまうからな。
ウォーロン
一方で、裏切りに等しい行為をしたベルツが 今後自分たちに従うか疑問も抱いている。
ウォーロン
今回の抹殺命令によって、あの男の連邦への 忠誠心を試すつもりなのであろう。
オーン
………貴様のことだ。 話がそれで終わりではあるまい。続けろ。
ウォーロン
私はこの事態に、召喚院から人員を派遣し、 ベルツの手助けをさせようと思っている……
グラデンス
ベルツの手助け……じゃと? それはまさか……。
ウォーロン
ああ……。間違いがないように、 その者にアベル機関の残党を抹殺させる。
ウォーロン
ベルツには、何としても連邦での地位を 回復してもらわねばならぬ。
ウォーロン
あの男はやがて連邦を導く人材。 こんなところで失うわけにはいかないのだ!
グラデンス
……しかし、だからといって我々の手で あの2人を殺すというのか……?
ウォーロン
………我々召喚院は、諍いを続けてきた 皇国と連邦の仲立ちを長年務めてきた。
ウォーロン
連邦と皇国、そして召喚院の 三つ巴的な関係性を打破し、
ウォーロン
エルガイアが一致団結する未来を 築いていくべきなのだ!
ウォーロン
人類は、外的には神との戦いが終わり、 魔神の脅威も排すことができた。
ウォーロン
そして内的には、連邦はラナスの死により アベル機関の力が失われ、
ウォーロン
インペリアルガードとは 別の組織を設立しようと動いている。
ウォーロン
おそらくは、将来的には彼女が皇国の政治の 主導権を握っていくであろう。
ウォーロン
エルガイアを団結させる未来の種を蒔くには 今をおいて他にないのだ!
ウォーロン
召喚師に汚れ仕事をさせるのが、 そんなに気に食わないか?
ウォーロン
だが、私は何か間違ったことを 言っているか?
ウォーロン
ヤツのあの様子、反対はしないようだな。
グラデンス
………理詰めで話を進めるその様子、 相変わらずじゃのう。
ウォーロン
だが、私とてエルガイアの恒久の平和を思い 連邦とのつなぎ役を長年務めてきたのだ。
ウォーロン
それでグラデンス、お前はどうなのだ。 反対か? 賛成か?
グラデンス
じゃが、派遣人員の選定は、 こちらに任せてもらおう。
ウォーロン
……わかった。 私も実戦部隊の人事には明るくないからな。
Shou-chan……ここなんだね。 あの、アベル機関の2人……
ティリス
あのギャレットというおじさんと、 メルっていう女の子が隠れている場所は。
ティリス
グラ爺の話じゃ、ベルツも、 もうこの地方にいるんだよね。