???
お待ちしておりましたよ。セリアさん。

セリア
ベルツ……!!

セリア
アンタ、 ルジーナたちに出くわさなかったの?

ベルツ
そんなヘマはしませんよ。

ベルツ
せっかく苦労して長官殿から簒神奪珠を 奪って、ここまで来たんですからね。

カル
ベルツさん。 話はグラデンスの爺さんから聞いた……。

カル
イシュグリアの時は、敵ではなかった……。

カル
そして今もアベル機関を裏切ったあんたを 敵だとは断言できないが……

カル
少なくとも、俺たちの味方でもないのも 確かだ……。

ティリス
カルくん……。

ベルツ
…………。

カル
あんたの持っている簒神奪珠とやらを、 渡してもらえないか……?

カル
さもなくば………。

ベルツ
私と戦うというのですか……?

カル
……ああ。

ベルツ
あなた方では、 私を倒すことはできませんよ。

カル
あんたが只者じゃないってのは知っている。

カル
だが、やってみなきゃ……分からないさ。

ベルツ
いえ、分かります。

ベルツ
なにせ……俺は逃げますもの。

ティリス
え……?

ベルツ
逃げる、と言ったのですよ。

ベルツ
召喚院の中でも実力トップクラスの3人、 それに加えて女神ティリス様……

ベルツ
あなた方と正面切って戦うほど、 俺はバカじゃありません。

ベルツ
それに、今あなた方を倒したところで、 一文の得にもなりませんからね。

ベルツ
セリアさん、ゆっくり話をすることは、 どうやらできないようですね。残念です。

ベルツ
でも一目会えて嬉しかったですよ。

ベルツ
では、事が終わった後にでもまた……。

セリア
ま、待ちなさい!!

セリア
私たちが、 むざむざとアンタを逃がすと思ってるの!?

セリア
えっ…… 消えた……!?

カル
実体じゃなかったのか……。

カル
アベル機関が異界から入手した 何らかの装置を使っていたのか……?

カル
さすがに一筋縄ではいかない人だな……。

セリア
でも、なんでまた私たちの前に 姿を現したのかしら……?

セリア
アイツだって、アベル機関に 追われている状態だっていうのに……。

カル
何かまた企んでいる……?

ティリス
う~ん…… そういうんじゃない気もするよ。

セリア
そういうんじゃない……って、 ティリス、分かるの?

ティリス
分かる……というか……。

ティリス
単純に、セリアのことが好きだから、 会いに来たんじゃないかな?

カル
……え!?

セリア
なっ……!

セリア
何馬鹿なこと言ってんのよ!? こんな非常事態に!!

セリア
バッカじゃないの!!

ティリス
非常事態だから……だよ。

ティリス
あの人はあの人なりに、

ティリス
これから起きることに対して、 覚悟してるんじゃないかな……?

セリア
…………。

ティリス
……まあ、私の推測でしかないんだけどね。

カル
…………。

カル
ベルツさんはルジーナが追っているが、 あいつにだけ任せるわけにもいかない。

カル
俺たちも先を急ごうぜ!