クッ…… コイツ、なかなかやるわね……！

だけど、まだ勝負はこれから……！！

スズネ姫の命が大事なら、 刀を置いてもらおう……！

スズネ……！！

ウッ…… 申し訳……ありません……。

卑怯よ！！

シノビとしては、 褒め言葉として受け取っておこう。

それで、どうするのだ？

クッ…… わかったわよ。

…………。

フン…… 余計なことを。

だが、まあよい。 儂は姫を連れて、先に城に戻る。

カゲ、貴様は残りの者たちを捕らえ、 あらためて儂の元へ連れてこい。

ハッ……！

Shou-chan様！ ティリス様！セリア様！

どうか……どうかご無事で！！

クッ……！

スズネ……！！

必ず助けてあげるからね！！

う、うーん……。

………ハッ！！

……………。

……………。

あ、あれ……？

セリア師匠たちは、 なぜ縄で縛られているので…？

……アンタも一緒よ。

な……！ 確かに拙者も縛られてる！！

それに、スズネ様はどこに……？

ハァーー……。

スズネ姫なら、 我が殿と一緒に城に向かっている。

スズネ様がゲンバとともに……。

クッ…… 拙者が付いていながら……。

……………。

……………。

そう案ずるな。

姫が変に抵抗しない限り、 殿は決して粗略に扱ったりはせぬ。

信じられるものか！

ゲンバなど、野心に囚われた 野獣のような男であろう！

……………。 貴様……もう１度言ってみろ。

俺の前で、 殿への愚弄は許さん！！

ヒッ……！！

確かに最近は強引な言動が多いが、

あの方は誰よりもこの国のこと、 そして、民のことを思っておられる！

でなければ、天武党に襲われ、 瀕死だった俺を助けてくれたりはしない！！

意外ね……。

アンタみたいなのは、金で雇われている ものだとばかり思っていたわ。

……………。 チッ……貴様ら、逃げられると思うなよ。

お前たちの実力を知っている以上、 俺はもう油断などしない……。

……どうしよう、 Shou-chan、セリア？

さすがに、ちょっとマズイ状況ね……。 なんとか隙が出来ればいいんだけど……。

え、この笛の音は確か……！

え……！？ な、縄が……切れた！

なんだと……！？

あ、あんたは……！！

ここは引き受けた……。 ぬしらは早くスズネ姫を助けに行け！！

え……！！

………わかったわ！

え……。 で、でも……！

考えるのは後！！

今を逃したら、 逃げるチャンスなんてもうないわよ！

う、うん、分かった！！

承知しました！

ほら、Shou-chan！ あんたもさっさと行く！！

逃すか！！

カゲヌイ、 おぬしの相手は……このワシだ！