SCOUT-F03
……………!

レダ
どう…? 空から見て、誰かいた?

SCOUT-F03
コノサキ、シバラクイッタトコロニ、 ニンゲンガ、アルイテイル!

レダ
どうやら、こっちが当たりだったみたいね。 ハチ、よくやったわ!

SCOUT-F03
ドウダ、オレヲツレテキテ、 セイカイダッタロウ!

SCOUT-F03
モットホメテモ、イインダゾ!

レダ
………そういうところがなければ、 満点だったんだけどね。

ルチアナ
…………!

ルチアナ
あんたたちは…… 女神の仲間たち!!

ルチアナ
何しに来たの!?

レダ
うーん、そうね……。

レダ
一応は、あなたを止めに来た ……ってことになるのかな。

ルチアナ
…………!

ルチアナ
妹に頼まれてなんでしょうけど、

ルチアナ
よその世界から来たあなたたちに、 この世界の一体何が分かるというの!?

レダ
そりゃまあ、分からないわよ。

レダ
それに私たちには私たちの目的があるから、 それさえ果たせれば、

レダ
あなたがどうしようと、 正直なところ、どうでもいいの。

レダ
それこそ、 神狼とやらを倒してしまってもね。

ルチアナ
あなた……何が言いたいの?

レダ
私が言いたいことか……そうね。

レダ
とりあえずは、ちょっと頭を冷やしなさい ………ってところかしらね。

ルチアナ
頭を冷やす……?

ルチアナ
バカにしているの!?

レダ
別にバカになんかしてないわ。

レダ
ただまあ、あなたは多少戦いの修練を 積んでいるみたいだけど、

レダ
戦い始めてまだ間がないんじゃない?

ルチアナ
そ…それは……。

ルチアナ
神狼の眷属が人を襲うまでは、 戦う必要なんてなかったから……。

レダ
妹さんも似たり寄ったりって感じね。

レダ
そんな技量で、 神狼とやらは倒せるのかしらね?

ルチアナ
そんなの…… やってみなければ分からないわ!

レダ
確かにそうだけど、あなたや妹さん程度の 腕で倒せちゃうほど、神狼ってのは弱いの?

ルチアナ
…………。

レダ
仮にも神族に匹敵する力があるとされる 存在を相手にしようとしているんだから、

レダ
もうちょっと冷静になって、 妹さんの言葉にも、耳を傾けてやりなさい。

レダ
焦る気持ちは分かるけど、 あなたが死んじゃったら元も子もないわよ。

ルチアナ
……………。 あの女神も同じ意見なの?

レダ
ティリスのこと?

レダ
うーん…… まあ、おそらく同意見だと思うけど、

レダ
ティリスはああいう子だから、 人を助けることに関して

レダ
あんまり深く考えてないからね。

ルチアナ
………… あなたたちはグランガイアから来たのよね?

レダ
ええ、まあね。

レダ
正確には、 エルガイアという世界からだけどね。

ルチアナ
神々と人間の大戦のことは……?

レダ
もちろん知っているわ。

ルチアナ
あの戦いを知っていて、 なぜ女神となんか一緒に旅ができるの?

ルチアナ
あの戦いで、神々はグランガイアの 数多くの人間を殺したのよ!!

レダ
……そうね。

レダ
でも、別にティリスが 殺したわけじゃないでしょ。

ルチアナ
そんなの関係ない!

ルチアナ
私たちバリウラのご先祖様は、 立派に神々と戦った!

ルチアナ
………私だって!!

レダ
………なるほどね。 そういう理屈なわけね。

レダ
そうね……私たちがティリスと 一緒に旅ができているのは、

レダ
彼女自身の性格によるところも 大きいけど、

レダ
そもそも私たちの長い歴史の中で、人類が 神に救われた事実があるからだと思うわ。

ルチアナ
神に救われた……!?

レダ
ええ、あなた方が知らないのは 無理もないけど

レダ
神々との大戦末期、ルシアスという神が 人間救済のために動いてくれたの。

レダ
そのため、グランガイアの人類の一部は、

レダ
エルガイアという世界に 逃げ延びることができた……。

レダ
人類はルシアスのおかげで、 生存することができたってわけね。

レダ
ま、もっとも、ルシアスはルシアスで、 目論見があってのことだったんだけどね。

ルチアナ
…………。

レダ
ともかく、そういうわけで、 私たちエルガイアの人間は、

レダ
神への嫌悪感とは無縁……とまではいかない ものの、それほど抱かずに済んでいるわ。

ルチアナ
…………。

ルチアナ
あなたたちの神への感情については 分かったわ……。

ルチアナ
でも、私は……。

レダ
分かってる。

レダ
私たちが神への嫌悪感を 抱いていないからといって、

レダ
あなたにそれを強要しようとは思わない。

レダ
でも、まずは知ろうとしても いいんじゃないかしら?

レダ
さっきあなたが出会った女神…… ティリスのことを。

ルチアナ
知る……?

レダ
ええ……。

レダ
これは持論なんだけど、

レダ
そもそも神々と人間の大戦は、 互いのことを知らなかったから……

レダ
いえ、知ろうとしなかった無理解が原因で 起こったんじゃないかと、私は思っているの

レダ
もっとも、争いが起こる理由なんてものは、

レダ
大なり小なり、どれも似たようなものなの かもしれないけどね……。

レダ
だから、あなたはティリスのことを もう少し知るべきだと、私は思うわ。

レダ
仲良くなるにしろ、嫌うにしろ、 それからでも遅くはないわよ。

レダ
ティリスはあなたが思っているような 恐ろしい存在じゃない……と思うわ。

レダ
あなただって 薄々分かってるんでしょうけど……。

ルチアナ
…………。

レダ
………さてと、それじゃあ そろそろ先に進みましょうか。

レダ
まだ神狼のもとへ 向かうつもりなんでしょ?

ルチアナ
……あ、当たり前よ!!

ルチアナ
着いたわ……。

レダ
あそこにあるのが……祠?

ルチアナ
ええ。 リアナから話は聞いてるみたいね。

ルチアナ
下がってて、儀式を行うわ……。

レダ
…………。

ルチアナ
………… 太古より我が身体に眠るバリウラの血統よ…

ルチアナ
その力を……示せ!

ルチアナ
フゥ………。

レダ
これで零壁の密道への道は開かれたの?

ルチアナ
ええ、おそらく……。

レダ
じゃあ、行きましょ。

レダ
おそらく向こうで ティリスやリアナが待ってるわ。

ルチアナ
……本当に止めないの?

レダ
…………私たちは外の世界から来た人間よ。

レダ
本来なら、 この世界のことに口出す権利はない……。

レダ
この世界のことは、 この世界の人間が決めるべきよ。

レダ
ま、ティリスは 何て言うかわからないけどね……。

ルチアナ
…………。

レダ
どうするかは、 リアナと話し合って決めなさい。