ティリス
うーん、いい天気! 今日は絶好の海水浴日和!

ティリス
せっかくなんだから、 セリアやパリスも来ればよかったのに。

ティリス
えへへっ……。 やっと海に来られたね。

ティリス
ちゃんとこの日のために、 水着も用意してきたし、

ティリス
これまで、いろいろあって ずっと忙しかった分、

ティリス
今日はおもいっきり遊ぼうね!!

ティリス
まずは、このボールを膨らませて……。

???
ザッ…ザザッ…ザザッ…ザーーー…。

???
ザッ…ザザッ… ……セ…パ……セ…パイ!!

リム
先輩!! や、やっと繋がりました!!

リム
今何処にいるんですか!?

リム
え、アグニのアグニリア海岸? 何でそんなところに……?

リム
そ、それよりも大変なんですよ!

ティリス
ん、どうしたの、Shou-chan?

リム
え、今どなたかとご一緒なのですか?

リム
女の人の声が聞こえましたが……。

ティリス
これって、何かの通信…?

ティリス
おもしろ~い! 私にも喋らせて♪

リム
やっぱり…女の子の声が……。 先輩、一体誰と一緒にいるんですか!?

リム
……………え? 何か急用じゃなかったのかって…?

リム
そ、そうでした!!

リム
先輩、早く召喚院に帰ってきてください!

リム
ルジーナさんが……。 ルジーナさんが……。

リム
死んじゃいました!!

ティリス
へぇー、ここがShou-chanたちが 普段生活しているエルガイアかー。

ティリス
ルシアス様がShou-chanたちの 祖先を逃した世界……。

ティリス
私、初めて来たよ。

ティリス
思っていたより、人、いっぱいいるね!

ティリス
って、観光気分じゃダメだよね! ルジ君が大変なんだもんね!!

リム
せ、せんぱーい……。

リム
駆けつけてくれて ありがとうございます…。

リム
で、ルジーナさんのことなんですが……。

ティリス
ルジ君、どうなってるの!?

リム
え!? あ、あなたは…?

ティリス
私?

ティリス
プリチーな女神ティリスだよ! よろしくね♪

リム
は、はぁ……。

リム
(この人ですよね…。 さっき先輩と一緒にいた人って……。)

ティリス
……?

リム
(可愛い……。負けた……。)

ティリス
私のことより、ルジ君のことだよ!

ティリス
ルジ君、どうしたの!?

リム
あ、そうですよね……。

リム
その件なのですが、 ちょっと謝らなければならないことが……。

ティリス
謝る?

リム
あ、はい…。

リム
「ルジーナさんが……死んじゃいました!」

リム
…って、先ほどお伝えしましたが、 アレは私の早とちりというか……。

ティリス
じゃあ無事なんだ?

リム
いえ、無事って訳でもないんですが……。

ティリス
うーん……どうなっているの?

リム
詳しい話はここではなんですから、 対異界調査対策室へ……。

リム
グラデンス様も待ってらっしゃるので……。

グラデンス
フォッフォッフォッ……。 Shou-chanよ、呼び出してすまんのう

ティリス
グラ爺、お久しぶり! 元気だった?

グラデンス
フォッ! ティリスちゃんまで一緒とはのう。

ティリス
うん、Shou-chanと2人で 海に行ってたんだよ。

グラデンス
2人で海にじゃと……!?

グラデンス
Shou-chanよ……。 なぜワシにも声掛けてくれんかったのじゃ?

リム
コホン!

リム
……グラデンス様!

グラデンス
む………そうじゃった。 そんな話をしとる場合じゃなかったのう。

ティリス
そうだよ! ルジ君どうなったの!?

ティリス
最初は「死んだ」って聞いて ビックリしたけど、

ティリス
なんだか、 そうじゃないみたいだし……。

グラデンス
ふむ……。

グラデンス
ルジーナが新たに作られた この対異界調査対策室の室長になったことは

グラデンス
お主らも知っておろう。

グラデンス
そしてあやつがアベル機関が狙う “召喚術の源となる力”を追っていたことも

ティリス
……………。

グラデンス
どうやらあやつはある世界でその手がかりを 発見したらしいのじゃが、

グラデンス
その報告の直後、 連絡が途絶えてしまったのじゃ……。

ティリス
ルジ君……。

グラデンス
………ま、あやつのことだから、 心配はないと思っておる。

グラデンス
生き残る術に関しては、召喚院の中でも 一二を争うほど秀でている男じゃからな。

グラデンス
なので、あやつが死んだと連絡が 行ってしまったのは、

グラデンス
慌てたリムが 勘違いした結果というわけじゃよ。

リム
すいません……。

ティリス
で、でも、ルジ君がピンチなのには 変わらないんだよね?

ティリス
じゃあ、助けに向かわなきゃ……!

グラデンス
ふむ…………。

ティリス
ねえ! 何ですぐに行かないの、グラ爺!?

リム
…………足りないんです。

ティリス
えっ……?

リム
ルジーナさんたちは、ノエルくんが開発した 転送装置で異界に渡って行ったんですけど、

リム
その装置の動力源となっている特殊な力が 足りなくて、今は起動できないんです。

グラデンス
……………。

グラデンス
ワシらも助けに行きたいのは山々なのだが、

グラデンス
ノエルによるとその力が溜まるまで あと1ヶ月ほど待たねばならんらしい……。

ティリス
そんな………。

ティリス
……………。

ティリス
…………アレ?

ティリス
転送装置って、もしかしてこの機械?

リム
え……? そうですが……。

ティリス
……………。

ティリス
…………うん! これなら私がなんとかできるかも!

グラデンス
フォッ…! なんじゃと……!?

ティリス
えーーーい♪

リム
え!そ、そんな……!? 力が………溜まってます!!

グラデンス
なんと……!

グラデンス
考えてみれば、ティリスちゃんは、 ゲートを操る力を持った女神……。

グラデンス
転送装置に使われている力が、

グラデンス
ティリスちゃんの力と 同種のものであってもおかしくない……。

グラデンス
いや、むしろそうあって当然…… と考えるべきだったんじゃろうな。

グラデンス
こうなれば、ルジーナ救出に向かうことに 何の障害もないわい。

グラデンス
召喚師Shou-chanよ。 召喚老として命ずる。

グラデンス
ルジーナが向かった世界へ赴き、

グラデンス
あやつの救出と その世界の調査を行うのじゃ!

グラデンス
ルジーナが 向かった先の世界の名は「ベクタス」。

グラデンス
報告では、我々召喚院が研究、活用している 特殊技術が発達した世界とのことじゃ。

リム
グラデンス様、あのことも忘れずに お伝えしておかないと……。

グラデンス
そうじゃったな……。

グラデンス
これは非常に重要なことなのだが 向こうの世界では召喚の力が安定しておらず

グラデンス
どうやら、召喚術が これまで通りに使えないらしいのじゃ。

グラデンス
お主はカルやセリアたちと違って、

グラデンス
これまで召喚術で呼び出したユニットを 主体にした戦い方をしておったが、

グラデンス
今回はお主自身が 戦わざるをえなくなるだろう……。

グラデンス
初めての世界……。 そして初めての自身での戦い……。

グラデンス
初めてづくしで不安かもしれぬが、 お主ならできると信じておる。

ティリス
そっか……Shou-chanって、 自分自身で戦うの初めてなんだ。

ティリス
なら、私がちょっと力を貸してあげる!

ティリス
えーい♪

ティリス
どう?これでShou-chanは、 色んな属性の力を使えるようになったよ!

リム
異界へは通信が届きにくいみたいなので、

リム
こちらからのサポートは あまりできないかもしれません……。

リム
ただ、ベクタスには、ルジーナさんの 部下が残っておられるようなので、

リム
危なくなったら、その方を見つけて 助力を仰いでくださいね。

リム
もちろん、もし通信が届いた時は、 私も全力でサポートしますよ!

ティリス
急いでそのベクタスとかいう世界にいる ルジ君を救出しなきゃね!

ティリス
さあ、行こう。 Shou-chan!

ティリス
新しい冒険の始まりだよ!!