グランガイア中央部に位置する軍事国家バリウラ帝国専制君主制であるこの帝国は、複数の国家を強大な軍事力で従えながら長年にわたり隆盛を極めた。
しかし、秘密裏にとある研究を行っていたことから、神々の怒りに触れてしまう。その結果、神々と人間の大戦が勃発……。
大戦の原因とされたバリウラ帝国は特に激しい神軍の侵攻を受けることになる。帝国に従属していた国家は次々と崩壊。帝都もすでに神々の大軍に囲まれ、陥落が目前に迫る状況になっていた……。
そんな過酷な状況下、バリウラ帝国第一皇女セルヴィアは弟である第一皇子シリウスを王城に召還していた。
シリウス
兵士たちが迎撃に当たっていますが、 市民にも被害が……。
セルヴィア
城門を越えて侵入してきたとなれば そうなるであろう。
シリウス
…………また、遠方には さらなる敵の援軍も確認できております。
セルヴィア
攻撃の手を緩める気はない…… というわけか。
セルヴィア
まあ、当然だろうな。 私が敵の司令官でもそうする。
セルヴィア
シリウスよ、この状況下で私が貴様を ここに呼び寄せた理由は分かっておろうな?
セルヴィア
事ここに至っては、我々バリウラ皇族が 取るべき道はもはや1つ……。
セルヴィア
どうやら、 神軍の新たな攻勢が始まったようだな。
シリウス
姉上、私は自分の持ち場である 正門に戻ります。
シリウス
私のことを信じて待っている 兵士たちがおりますので……。
セルヴィア
…………よかろう。 今しばらく貴様に時間を与えよう。
セルヴィア
次に私のもとに来るまでに 心を決めておけ。
フェリーネ
メリナお姉さまの報告にあった場所で、 確かに次元の歪みを発見しました。
フェリーネ
シリウスお兄さまがこの期に及んで まだ迷っているなんて!!
フェリーネ
バリウラを守るためには、 もう異界の地に行くしかないのに……。
セルヴィア
……それ以上は口にするな。 意味は……分かるな?
フェリーネ
は、はい、お姉さま! 申し訳ありません……。
セルヴィア
シリウスはもちろん、 サレアス、ドゥーレ、ラジア、ベルデッド、
セルヴィア
それに、潜入任務の一環で戦地へ向かった アリスとエルザ……。
セルヴィア
だが、それでも時間の問題であろうな……。
シリウス
姉上の言うこと…… いや、父上のなさりたいことは分かる……。
シリウス
私も皇族として、帝国の存続のため…… それに従うべきなのだろう……。
シリウス
ミューゼ……! どうしてこんなところに……!
ミューゼ
私も第四皇女として じっとしてなんかいられないわ!
ミューゼ
少しは治癒魔法を使えるから、 傷ついた市民や兵士さんたちに……。
シリウス
皆の役に立ちたいという お前の気持ちは分かる……。
シリウス
身体が弱いお前を 守っている余裕はない。
ミューゼ
そんな……。 私はそんなつもりじゃ……。
シリウス
クッ……敵が迫っているのか!? 早く正門で迎撃せねば……。
シリウス
いいか、ミューゼ。 早く城の中に戻るんだ。
シリウス
敵や市民たちのことは、 私たちに任せておけ!
ミューゼ
これまで、身体の弱い私を ずっと気遣ってくださったから……。
ミューゼ
でもやっぱり、私1人だけ何もせず 安全な城にいるなんてできない!