サレアス
ヘルシャフト!!!

ドゥーレ
エフィアルティス!!!

ベルデッド
プロメテア!!!

ラジア
ケラヴノス!!!

シリウス
これで……とどめだ……!

シリウス
ミュートロギア!!!

シリウス
………!?

カジャ
グハッ………!

カジャ
なるほど……見事だ……。

シリウス
何故、避けなかった……?

シリウス
ほかの攻撃はともかく、最後の私の技は 避けることができたはずだ!

カジャ
…………。

カジャ
貴様の覚悟…… 我が身で受け止めたくなったのだ……。

シリウス
…………!!

カジャ
我はこれまで多くの者たちの罪を この手で裁いてきた……。

カジャ
この戦いも 人間への罪を裁くため、参加した……。

カジャ
だが、この国での戦いの様相……

カジャ
神罰の名のもとに、無秩序な殺戮を 繰り広げる神軍を見ているうちに、

カジャ
以前から抱いていたある疑念が 再び膨らんできたのだ……。

カジャ
罪を裁いてきた我自身には、 本当に罪がないのか……とな。

カジャ
……残念ながら、 答えはいまだに出ていない。

カジャ
いや、おそらくそのような問いの答えなど、 永遠に出ないのであろう……。

シリウス
お前……。

カジャ
そのような顔をするな……。 我はある意味で……満足している……。

カジャ
貴様は…… 貴様ら兄妹は、罪人ならざる者……。

カジャ
我はそんな者たちに…… ずっと断罪されたかったのかもしれぬ……。

サレアス
倒した……のか?

ベルデッド
おそらくね……。

シリウス
…………。

ラジア
クッ……また神軍が……!!

ドゥーレ
どうやらゆっくりしている暇は ないみたいだな。

シリウス
ベルデッド、 生き残っている民を集結させてくれ!

シリウス
突破口を開いて、この国から脱出させる。

ベルデッド
分かったわ!

ベルデッド
そうだ、お父様たちや ミューゼも連れて行かないと……。

シリウス
父上たちのことは……大丈夫だ。

シリウス
ミューゼは…… 私を守って……亡くなった……。

サレアス
…………!!

ベルデッド
そんな……。

ドゥーレ
…………。

ラジア
ミューゼ……姉様……。

サレアス
……なんでだよ、シリウス兄さん!

サレアス
なんで、お前なんか守って、 ミューゼ姉さんが死ぬんだよ!

シリウス
…………。

ドゥーレ
やめるんだ、サレアス!

ドゥーレ
今一番そのことを後悔し、自分を責めて いるのは、きっとシリウス兄だ。

サレアス
………クソッ!!

シリウス
ミューゼは…… 最期にこう言っていた……。

シリウス
バリウラの民を守ってくれ……と。

シリウス
いがみ合っていた私たち兄妹の心を 1つにした民さえ生き残っていれば、

シリウス
自分の好きだったバリウラは残る……とな。

ベルデッド
ミューゼらしいわね……。

シリウス
だから私は、 何としても民を守りたい……。

シリウス
皇子としてだけでなく…… 兄としても……。

シリウス
民を逃がすまででいい…… みんな、私に力を貸してくれ……。

ドゥーレ
………… そんなこと、言われるまでもないさ。

ラジア
ええ……。

ベルデッド
ミューゼの……。

ベルデッド
いえ、ここにいる私たち全員の願いよ。

サレアス
ミューゼ姉さんを守れなかった シリウス兄さんを許したわけじゃない……。

サレアス
でも……分かったよ。 ミューゼ姉さんの願い……叶えるよ……。

シリウス
みんな……ありがとう……。

ラジア
でも……ここを突破できても、 行く宛てはあるの……?

ラジア
今、このグランガイアでは、 安全な場所はほとんどないけど……。

シリウス
それについては……大丈夫だ。

シリウス
姉上が不確かな情報を 私に教えるわけがないからな……。

ベルデッド
え……?

シリウス
いや、何でもない……。

シリウス
それじゃあ、行くぞ!!

シリウス
神軍の包囲網を突破して、 バリウラの民を守りきるんだ!!

リント
……なるほどね。

リント
異界に行く者、エルガイアに行く者、 そしてグランガイアで果てた者……。

リント
本来のバリウラの皇子女は バラバラになってしまったけれど、

リント
力を合わせていれば、 別の未来があったというわけか。

ノエル
ああ、仲が悪いことで知られた彼ら兄妹も、

ノエル
お互いの力量だけは認め合っていたよう だしね。

ノエル
でも、皮肉なものだね。 窮地に追い詰められて気付くなんて……。

リント
おや、珍しいじゃないか。 君が人間側を批判するなんて。

ノエル
そういうわけじゃないよ。 ただ、データが面白かっただけさ。

ノエル
1人の皇子が別の決断をしていれば、

ノエル
また新たな未来を切り拓けていたという 珍しいデータがね……。