魔獣
グガオォゴォガグァー!!

リード
フーー……。

ルカナ
なんとか倒せたわね!

アーネル
僕らと戦う前から かなり傷ついていたみたいだったけど……。

リード
この魔獣とは、 オレとルカナが前に戦った。

リード
だが、この傷は オレたちとの戦いのものだけじゃないな。

ライン
お前たちとの戦いの後、さらに何者かが 戦っていたというわけか……。

ナグネス
その何者かが、どなたなのか…… 聞くまでもないでしょう……。

ドルク
……………。

ドルク
お前たち、 本当に俺たちを連れて行く気か?

リード
……ああ。

ドルク
なぜ、俺たちにそこまで……?

エル
理由か……? そうだな……。

エル
爺さん…… アンタはまだ生きているだろ?

ドルク
………?

エル
生きてるならば……アンタの役目は 終わっていないってことだろ?

ドルク
お前……。

ドルク
フッ……分かったよ。

ドルク
そう言われてしまっては仕方がない。 死ぬまで、役目を果たすこととしよう。

エル
ああ、頼むぜ。

エル
これから我々が行くのは、 未知の場所だ。

エル
アンタの強さは……きっと役に立つ。

アヴァン
…………。

リード
あんたも、 オレたちに付いてきてくれるよな?

アヴァン
俺は………。

リード
…………。

リード
オレはこの旅で 多くの仲間を失いかけた……。

リード
だが、その仲間たちは みんな別れ際にこう言ってくれた……。

リード
前に進め…… 歩みを止めるな……と。

ルカナ
……………。

リード
正直、辛かったさ……。

リード
だが、その辛さと同時に感じたのは、 止まることの罪深さだ……。

リード
あんたがどんなものを背負っているか、 オレは知らない……。

リード
おそらく……オレなんかには 想像もできないほど重いものなんだろう。

アヴァン
………………。

リード
だが、あえて言う………。

リード
…………死なないでくれ! そして……ともに進もう!

アヴァン
…………!!

リード
オレはあんたに楽をさせようとは、 思っちゃいない。

リード
エルも言ったが、これからオレたちが 向かうのは、未開の新天地だ……。

リード
民衆にとって……

リード
いや、オレたちにとって あんたの力はまだ必要なんだ!!

リード
後悔のために死を望むのではなく、

リード
後悔した出来事を無駄にしないため、 生きてくれ……!!

アヴァン
……………。

アヴァン
………わかった。 俺の力……お前らに貸してやる。

リード
………ありがとう!

エル
話は決まったようだな。

エル
ならば、新天地へ通じているあの扉に 早く戻るとしよう。

エル
魔獣は倒したが、この辺一帯が敵軍で溢れる 危険地帯なのは変わらないからな。

ルカナ
神軍と遭遇しなきゃいいけど……。

アーネル
それなら大丈夫だよ。

アーネル
ラインさんに頼んで、 進行ルートは確保してもらったから。

ライン
ああ、帰り道は問題ない。

ナグネス
さすがですね、2人とも。

リード
よし、じゃあ急いで戻ろう!

リード
新天地……どのような場所か、 探索してみないと分からないが……。

リード
……俺たち全員揃っているんだ。 きっと大丈夫さ!!

ルカナ
ええ……!!

アヴァン
……………。

ドルク
どうやら、互いに死にそびれたようだな。

アヴァン
ああ……。

アヴァン
どうやらお前のもとに向かうのは、 もう少し先になるようだ……。

アヴァン
ヴァルガス……

リント
ふーん、今回はこんな展開か。 なかなか興味深い。

リント
確かに、こんな未来があったとしたら、 エルガイアは今と変わっていたかもね。

ノエル
うーん、どうだろう……。 案外、僕は変わらないと思うけど。

リント
…………。

リント
リードは国王にならず、生涯冒険者として 生きたと伝わっているけど、

リント
もし彼の仲間が生きていれば、リードは国王 としてエルガイアを支えたんじゃないかな。

ノエル
……かもしれないね。

ノエル
仲間たちが生きていたら、彼はそういう 選択をしていた可能性もある。

ノエル
だけど……

ノエル
それでも、リードは冒険者として 生きることを選択した気がするよ。

リント
どうして、そう思うんだい……?

ノエル
どこかに縛られて留まる彼なんか、 想像できない。

ノエル
仲間たちと永遠に進み続ける姿こそ、 やはり彼の本当の姿に思えるからね。