くらえ…！ ハッ……！

グッ……！

……その程度の攻撃で調子にのるなよ！！

グハァ……！！

俺を…かばったのか！？

そんな…… 魔神が私たちを守るだなんて…！！

…次は貴様たちだ。

クッ……！

おのれ！！

待て……。

あいつには……封魔導神カロンには、 生半可な攻撃は通じない…。

力を溜め、必殺の一撃を放て…。

力を溜めるって…そんな余裕は……。

安心しろ、カロンの攻撃は 俺がすべて受け止めてやる。

貴様らには指一本触れさせん。

そんなことをしたら、君の身体が……。

どのみち、ヤツを撃退しなければ、 我々は全員死ぬことになる。

それは……。

…………。

わかった…。

何の相談をしているのかは知らぬが、 貴様たちの命運はもう決まっている…。

ここで私に滅ぼされるのだ…！

クッ……！

貴様たちがなぜこのイシュグリアに 足を踏み入れたかは知らぬ…。

だが、この世界を守るため、 不穏分子は排除させてもらう…！

グハァッ……！

…………クッ。

……………。

私には封印を…… いや、この世界を守る使命があるのだ！

グッ……！！

……貴様に使命があるように、 俺にもやらなければならないことがある。

命をかけても、 果たさねばならないことがな…。

もうあの頃の俺とは違う！！

そのような苦し紛れの攻撃、 私には効かぬ！！

ガハァッッ……！！

…………グッ。

ほう、まだ立ち上がるか…。 だが…これで消えよ…！

…そんなことは、させない！！

クッ……。 お、おのれ……！！

…………グッ。

待たせてすまない…。 だが…もう安心してくれ。

再び立ち向かって来ようとも、 貴様らの攻撃など……効かぬ！！

な、なに…！？

くらえ…！！

バ、バカな…！？

グハァッ……！！

まだよ！

ガハハァァッ………！！

クッッ……！

このまま戦いを続けると、 この体を失いかねない……。

それは…避けるべきか……。

私とて力が無限にあるわけでは ないのだからな……。

ハァッハァッ…。 なんとか撃退できたか……。

…………。 私たちだけでは、危なかったわね…。

グッ………！！

だ、大丈夫！？ クランツ、早く回復を！！

わかってる！！

ウウッ……。

疑っていてごめんなさい！ まさかあなたのような魔神がいるなんて…。

………勘違いするな。

俺は己の目的のために ヤツと戦ったまでのこと。

貴様ら人間の敵であることには ……変わらない。

でも……。

俺のことなどいい。 貴様らはもう行け…。

果たさねばならない使命があるのだろう？

……………。

……………。

………分かった。 俺たちは先に進ませてもらう。

え？そ、そんな…！？

負傷したままの彼を ここに置いていくというの！？

……………。

俺たちには使命がある。一刻も早く ミーファに追いつかないと。

それは…そうだけど……。

それに……なぜだかわからないけど、

彼は、俺たちがここに留まることを 望んではいない…。

リベラだって、 なんとなくわかるだろ…？

そ、それは……。

………わかったわ。 先に進みましょう。

……………。

私はあなたの名前すら知らない。 だけど、あなたの協力は忘れないわ。

死なないでね……さようなら。

君が何者で、何の目的で俺たちを 助けてくれたのかはわからない…。

だけど、これだけは言わせてくれ。

俺たちを守ってくれて、ありがとう。

守ってくれて、ありがとう……か。