クッ……何者だ？

我が名は封魔導神カロン…。

異界より訪れ、このイシュグリアを 調査しているのは貴様らか…。

新たな魔神……！？

………なるほど。 今は取るに足らぬ要因かもしれぬ。

だが、封印を脅かす可能性のあるものを、 見逃すわけにはいかぬ……。

クッ……こいつは…。

……………。 只者ではないようね……。

……リベラ。

………わかってるわ。 クランツの考えていること、私も賛成よ。

……お２人とも…何を？

……………。

ミーファ、 今からこの報告書を君に託し、

俺とリベラでこの魔神を抑える。

だから、その間にランドールに戻り、 グラデンス召喚老とオーン召喚老に渡すんだ

な、何を言ってるんですか！ できません、そんなこと！！

この魔神が強いなら、 俺たち３人で戦えば……。

ミーファくん、私たちの使命は何？

それは……このイシュグリアを調査し、 その情報を召喚院に伝えることですが…。

その通りよ…。

そして、 何よりも避けなければならないのは、

私たちが全滅して、召喚院に情報を 届けられなくなってしまうこと。

わかるわよね？

はい……。

この報告書に書かれた情報は、 先遣隊全員が命をかけて集めたものだ。

絶対に届けなければならないものなんだ！

頼む、ミーファ。 ここは任せてくれ。

そして、 この報告書を召喚院に届けてくれ…。

…………。

……わかり……ました。

…でも、必ず戻ってきます。 召喚院からの援軍を連れて。

ですから……！

うん、わかってる…。 俺たちは死なない。

私たちはグリフさんたちと合流して、 あなたが連れてくる援軍を待ってるわ。

ミーファくん、エルガイアに戻ったら みんなでパーティーをしましょう。

ああ見えてカフカさんとか 料理が上手なんだから♪

……だから、今は笑顔で別れましょう。 大丈夫だよ。きっとまたみんなで……ね！

俺はお前の強さを知っている。

こんな俺でも少しは隊長らしくできたんだ。 お前ならきっと立派な召喚師になれる。

だから……生きろ。 何が起きようが絶対にな。

これが隊長代理としての俺の最後の命令だ！

クランツさん…リベラさん…。

貴様ら誰１人として、逃さん…！！

行け、ミーファ！！

頼んだわよ、ミーファくん！！

クッ……！

クランツさん、リベラさん…… 死なないでください！！

私の足止めをする気か…。 小賢しいマネを……！！

何……！？

俺は…もう行ったようだな。

君は…一体？

……俺は、このイシュグリアの魔神。 貴様ら人間の敵だ。

だが、今は貴様らに危害を加える気はない。

この封魔導神カロンとの戦いに 加勢してやろう。

魔神が私たちに味方してくれるなんて、 そんなことあるわけない！

罠に決まってるわ！ 惑わされちゃダメよ、クランツ！！

……………。

……………。

…………。 わかった。よろしく頼む。

………！！

俺を…信用するのか？

君から言い出したことだろ？

ちょ、ちょっと、 なにを言ってるの！

相手はイシュグリアの魔神で、 私たちが戦ってきた敵の１人なのよ！！

ごめん、リベラ。君がこの魔神を疑うのは もっともなことだと思う…。

でも、なぜだかわからないんだけど、 彼は信用できる気がするんだ。

気がするって…。

………。 行くよ、リベラ！

もう、仕方ないわね！ どうなっても知らないからね！！