ロネッサ
うーん……なかなか着かないですねー。 アリス、体調は大丈夫ですかー?

アリス
……ええ、問題ないわ。

ロネッサ
本当ですかー? アリスは基本、 無表情ですよねー。

アリス
…………。

ロネッサ
ねぇアリス、あなたはもっと自分の感情を 表に出した方が良くないですか?

アリス
……それは無理ね。言ったでしょ? 私にはもう、ほとんど感情がないって。

アリス
それに、お父様の命令は絶対的なものよ。 任務を遂行するのに、感情なんて必要ない。

ロネッサ
んー、そうですかー? 私はそうは思わないんですが。

ロネッサ
だってそれじゃあ、あまりに自由がない じゃないですかー?

ロネッサ
そんなんじゃ、人生つまらないですよ?

アリス
それは……。 でも、やっぱり私には……。

アリス
……わからない。

アリス
ロネッサ、自由とは何なの? どうすれば、私はそれを得られるの?

ロネッサ
な、なんだか哲学的な質問ですねー。 んー、そうですねぇ……。

ロネッサ
例えば私は、今までお姉ちゃんを倒すって、 どでかい目標のために生きてきました。

ロネッサ
でも、不自由を感じた事は 1度もありません。

ロネッサ
余計な事を考える時間なんてなかったし、 何より、自分で決めた事ですから。

アリス
それじゃあ私も、何か目標を持てば……?

ロネッサ
あ、それは名案ですね! そうすればきっと アリスも自由になれるはずです!

アリス
そう…… 私が、自由に……。

ロネッサ
あっ! アリスが笑った!

アリス
笑った……? まさか、私が……?

ロネッサ
もー、嘘じゃないですよー。 ちょっとだけでしたけど、確かです。

アリス
そう…… でも、意外ね……。

アリス
私にもまだ、そんな感情が 残っていたなんて……。

ロネッサ
ほら、また笑った! アリス、その調子です!