ミセル
いいからアンタは私と一緒に来なさい!

ミセル
アンタだって、 薄々気づいてはいるんでしょ?

ミセル
自分が、恐れられて、 いいように使われていることに。

ティアラ
そ、それは……。

ティアラ
で、でも、私みたいな存在を 受け入れてくれるだけでも、

ティアラ
ありがたいと思わなきゃ……。

ミセル
ハァッ!? バッカじゃないの!?

ミセル
力があるんだから、 周りなんか気にせず、

ミセル
もっとやりたいことやって、 パーッと生きなさいよ!

ティアラ
そんなこと…… 私にできるわけ……。

ミセル
あー、わかったわ。

ミセル
アンタ、友達いないでしょ。

ミセル
そもそも、神族だ魔族だの 祭り上げられているから、

ミセル
そんなに性格が陰気になるのよ!

ミセル
…………。 そうね、ちょうどいいわ。

ミセル
私と友達になりましょう。

ティアラ
え?

ティアラ
とも…だち?

ティアラ
あなた…私が怖くないの?

ミセル
なんで、私がアンタを 怖がらなきゃいけないのよ?

ティアラ
だって、私は神族と魔族のハーフで……。

ミセル
だから何?

ミセル
神族と魔族のハーフに対しては、

ミセル
恐れたり、敬ったりしなきゃいけない 決まりでもあるワケ?

ティアラ
そういうわけじゃないけど……。

ミセル
でしょ。

ミセル
なら、私がアンタを恐れたり、 敬ったりする理由なんてないわ。

ティアラ
……………。

ミセル
……………。

ミセル
で、返事は?

ティアラ
え?

ミセル
友達になるの? ならないの?

ティアラ
あ!

ティアラ
…………。

ティアラ
私と友達になってください……。 ミセル…さん……。

ミセル
ええ、いいわよ。

ミセル
その代わり、私のことは “ミセル”って呼んでね。

ミセル
友達に“さん”付けされるなんて、 私は嫌だからね。

ミセル
さて、 それじゃあ、行きましょうか。

ミセル
メルキオ討伐に 協力してくれるのよね?

ティアラ
……ええ。

ティアラ
あ、でも村の人たちの頼み事が……。

ミセル
そんなもん、放っときなさい。

ティアラ
一度引き受けたんだし、 さすがにそれは……。

ミセル
そうねえ……。

ミセル
それじゃあ、メルキオを倒すまで、 延期ってことで、どう?

ミセル
どうせ、緊急のものではないんでしょ?

ミセル
メルキオをサクッと倒した後、 戻ってきて片付ければいいじゃない。

ティアラ
…………。 う、うん、わかった……。

ミセル
それじゃ、これからよろしくね! ティアラ。

ティアラ
ええ、こちらこそよろしく……。

ティアラ
…………。

ティアラ
……ミセル。