ロクス
ディン!

ディン
よう。 やっぱりお前も無事だったか。

ロクス
ああ、姫様に守っていただいたお陰でな。

ディン
…………。

ディン
その様子じゃ、お前も感じたようだな。

ロクス
ああ、姫様は生きている!

ロクス
ラフドラニアが教えてくれたんだ。

ディン
そうだな…。

ディン
あのゴツイ鎧が「姫さんを助けろ」って、 俺たちに言ってるんだろうな。

ロクス
姫様はボクが必ず助けてみせる!

ロクス
何があろうとも絶対に!

ディン
ハハッ、お前らしいな。

ディン
だが、それは不可能だ。 お前に姫さんは助けられねー。

ロクス
なんだと!

ディン
姫様を助けるのはお前じゃなくて “俺たち”だからな。

ディン
きっとどこかに飛ばされてる ロー爺も同じこと言うだろうぜ。

ロクス
クッ……。

ロクス
な、なんと言われようと姫様は ボクが助ける!

ロクス
それが、ボクの役目なんだ!

ディン
…………。

ディン
しかし、以前から思っていたんだが……。

ディン
ロクスよ。 お前、いつ告白すんだよ?

ロクス
告白ってなんのことだ?

ディン
告白って言ったら、1つしかねーだろ。

ディン
お前さんが姫さんに、 好きだって気持ちを伝えることだよ!

ロクス
す…き……!?

ロクス
な…何を言っているんだ!!

ロクス
そんなことするわけないだろ!

ディン
え、お前、姫さんに 惚れてるんじゃないのか?

ロクス
あの方は、ボクにとって かけがえのない大事な方なんだ!!

ロクス
そんな個人的な感情を 挟むなんて、恐れ多い!!

ディン
…………。 ふーん、そうなのか。

ディン
ま、お前さんがいいなら、 それで構わないけどな。

ロクス
そもそも、 あの方はパルミナ王国の王女なんだぞ!

ロクス
前々から言おうと思っていたが、 お前は姫様に対して馴れ馴れしすぎる!

ディン
前々からって……。 いつも言ってることじゃねーか。

ディン
……別にいいだろ。

ディン
あの姫さんは……エデアは、 確かにパルミナの王女さ。

ディン
だが、俺にとっては……。

ディン
いや俺たちにとって重要なのは そこじゃない。

ディン
エデアは俺たちの“仲間”。

ディン
そこが一番大事なことだろ?

ディン
俺やお前が姫さんを助けに行くのは、 彼女が王女だからじゃない。

ディン
“仲間”だからだろ?

ディン
それともお前は、エデアが王女じゃ なかったら助けに行かないのか?

ディン
そんなことはないだろ?

ロクス
それは……。

ロクス
確かにその通りなんだが……。

ディン
だから、俺が姫さんにこれまで通り 話しかけても、まったく問題ないって訳だ!

ロクス
それとこれとは、話が違う!!

ロクス
まったくお前というやつは…。

ゴゴオオオオオオオオオッッ!!

ディン
な!?

ディン
今の爆音は!?

ディン
火柱の様なものも見えたぞ!?

ロクス
アーリンド神学校の方からだ。

ロクス
まさか……。

ディン
行くぞ。

ディン
あの爺さんかもしれねえからな!