ザーグ
グハッ……。

ザーグ
バカな、神徒であるこの我が、 再び滅ぼされることなど……。

ザーグ
グッ……。

ザーグ
だが、我には見える!

ザーグ
貴様がこの後、同じ人の手によって 苦しみを与えられる姿が!

ザーグ
そして、グランガイアの地は、いつか再び 人間同士の争いによって滅びよう!

ザーグ
束の間の平和を楽しむがいい!

ザーグ
貴様たち人間は互いに争い 滅ぼし合う呪われた存在なのだからな!

ザッ、
ザザッ、
ザザッ、
ザーーー

ザッ、
ザザッ、
ザーー
…センパーイ!

リム
大丈夫ですか? 怪我とかしてないですか?

リム
よかったーーー!

リム
連絡つかなかったから、 どうしたのかと心配しましたよ。

リム
あ、魔神の能力、 ようやくわかりましたよ!

リム
やはり、先輩の前に神徒が現れたのは、 魔神の能力によるもののようです。

リム
なんでも、魔神の能力というのは、 周囲の一定エリアの人間の精神を読み取り、

リム
その者が恐怖、脅威に感じた存在や、 特別に想っている存在などに化けたり、

リム
それを模した分身を 作り出したりするものだそうです。

リム
ですので、おそらく先輩が出会った神徒は、 魔神のその能力によるものではないかと。

リム
え、どうやって調べたのか、ですか?

リム
そりゃあ、私が上司に掛けあったり、 召喚院のえらい人を説得したりして……。

リム
………………。

リム
すいません。嘘です。

リム
教えてもらったんですよ。 召喚術研究所のノエルくんに。

リム
掛けあった上司に叱られ、 召喚院のえらい人には門前払いをくらい、

リム
私が途方にくれていた時、 ちょうど彼から連絡が来たんです。

リム
「そろそろ教えてもいい頃合い」

リム
……とか言ってました。

リム
…………って、よくよく考えたら、

リム
ノエルくん、初めっから魔神のこと 知っていたってことじゃないですか!

リム
最初から情報をこっちに回してくれれば 先輩を危険な目に遭わせずに済んだのに!

リム
ともかく先輩、 魔神の能力が判明したとはいえ、

リム
危険な相手には変わりありません。

リム
これまで以上に、 注意深く進んでください!